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ヘンデルのサラバンド(HWV437) [ピアノ]

ちょっと前にクリーガーのメヌエットで触れたプレ・インヴェンションにヘンデルのサラバンドが載っています。

サラバンドといっても何曲もあるのですが、作品番号まで書いてありません。

プレインベンション J.S.バッハ・インベンション―のまえに

プレインベンション J.S.バッハ・インベンション―のまえに

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
  • 発売日: 2005/02/22
  • メディア: 楽譜

日下部憲夫さんの解説はありますが、作品番号までは載っていませんでした。

この曲は讃美歌第二編にも載っていました。

讃美歌―讃美歌第二編

讃美歌―讃美歌第二編

  • 作者: 日本基督教団讃美歌委員会
  • 出版社/メーカー: 日本基督教団出版局
  • 発売日: 1998/12/10
  • メディア: 楽譜

歌詞が♪罪、咎(とが)、不義、悪、闇、恥、穢れ~♪で始まるのですが(苦笑)、キリストの十字架上の苦しみはこの自分のためである・・・という内容になっています。231番です。

もう一度見ないと思い出せませんが、確か最後の伴奏は転調して長調で終わっていた・・・と記憶しています。

原曲はチェンバロ組曲HWV437でした。

Handel: Harpsichord Suites Nos. 1-6

Handel: Harpsichord Suites Nos. 1-6

  • アーティスト: George Frideric Handel, Sophie Yates
  • 出版社/メーカー: Chandos
  • 発売日: 1999/10/19
  • メディア: CD

残念ながらこの曲は試聴できませんが、13曲目です。(Suite No.4 in D minor HWV437のSarabandです。NAXOS MUSIC LIBRARYで聴けます。)

Handel: Harpsichord Suites Nos. 6-8

Handel: Harpsichord Suites Nos. 6-8

  • アーティスト: George Frideric Handel, Alan Cuckston
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1994/02/15
  • メディア: CD

こちらは試聴できます。(19曲目)

お聴きいただいたらわかるように♪タッカタッカ~♪というように楽譜にはない付点をつけて演奏されています。

 

 

これらを聴いても、プレ・インヴェンションの楽譜も長調で終わっていません。

讃美歌のほうに手を加えているのでしょう。

大竹道哉さんのブログで知りましたが、PTNAの正会員はNAXOS MUSIC LIBRARYが自由に聴けることになったらしいです。

正会員のピアノの先生などには朗報ですね。(生徒さんで正会員っているのでしょうか?)

PTNAのコンペで頑張る子ならプレ・インヴェンションなどはせいぜい小学校低学年で終えてしまうことでしょう。

この曲は有名なので試聴音源は多いのかもしれませんが、クリーガーのメヌエット同様、元の曲にあたろうとしたら意外と見つからないのかもしれません。

私のようにNAXOSで発見・・・ということもあると思いますので、大いに活用していただきたいものですが・・・

プレ・インヴェンションの後書きとして日下部憲夫さんが次のように述べていらっしゃいます。

この曲集を終了した後、J.S.バッハを中心にバロック音楽に対する「音の感性・知識の感性」が習得されていることがこの曲集を行った意味です。次の内容を確認しながら練習をしましょう。

◇複数の旋律を聴き分けられる聴覚の能力
◇複数の旋律を弾き分けられる技術の能力

なるほどなあ、と思うのですが、よく使われているこの教材で目標とするこの力をきちんとつけられる先生はどれだけいらっしゃるでしょうか?

クリーガーのメヌエットだけでなくこの曲集にはリコーダーの曲集にも入っているような小品がたくさん収められています。

複旋律を聴き分けるというのは、リコーダー・アンサンブルなどを経験してわかりやすくなると思うのですね。(それをしなくてもできる人を尊敬します。)

上で書いたようにPTNAコンペでで頑張る子などはこの曲集などさらっと終わらせてしまうのでしょうし、学校でも余程意識のある先生でないとこのあたりの曲をリコーダーで吹くこともないのでしょう。(最近は音楽の授業でも流行の曲ばかりやっていますから・・・。)

ピアノで精一杯の子達にリコーダーでも吹いてみなさい・・・というのは大変なことでしょうけれど、グループレッスンなどでそのようなことができたら贅沢でしょうね。(低学年の子にはできませんね・・・。)

小さな子供が自分からチェンバロ曲集を聴くのもあり得ない話ですから、やはり教える側が意識して勉強することが必要でしょうね。

私もこの曲がチェンバロ曲だとは思っていませんでしたので勉強になりました。

それにしてもうちの娘達が以前お世話になっっていたピアノの先生は何度も何度もこの楽譜のことを「プレインバッハ」とおっしゃっていました。

テレマンだろうがモーツァルトだろうが「この曲はバッハだからね・・・」と説明していらっしゃいました。

先生にとってはPlaying Bachだったのでしょうか?

Pre Inventionは楽譜にあるようにバッハ・インヴェンションの前に・・・という意味なのに・・・。

もちろん、私もいちいち訂正はしませんでした。(家で子供には正しく説明しなおし、先生の間違いに関するフォローはしておきました。)

ピアノの先生・・・実はこういう方々が多いです。

勉強してくださいね~!!

それにしてもたとえ小品とはいえ、この中の素晴らしい曲の数々がピアノレッスンで「簡単な曲」としてさらっとしか扱われないこの現状・・・バロック音楽好き・古楽好きの私としては非常に悲しいものがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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コメント 12

Papalin

ピアノの先生への苦言提言、賛同いたします。
先生も選ばなくてはならない時代ですかね。

ヘンデルのサラバンドって、この曲だったのね。
僕の大好きなアーティスト:Amici foreverのデビュー・アルバム:
The Opera Band の冒頭の曲(Prayer in the Night (Based on
Handel's 'Sarabande') でした。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1926399

ラ・フォリアに似てますね。
by Papalin (2007-03-27 18:16) 

nyankome

私の知っている、とある楽器の先生は、古典以前は皆バロックでした。(^_^;)

ヘンデルのサラバンドはよくギターでも弾かれます。サラ・ブライトマンも歌っていますね。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1245097
16曲目です。
by nyankome (2007-03-27 20:55) 

una

19曲目のサラバンド視聴してきました
Papalinさんへリクエストした「unaが好きなヘンデルの曲」はこれです!!
(あーーー題名の記憶に自信がなかったのでスカッとした・笑)
遠い昔のことでいつだったかは忘れましたが昔ピアノで習いました
バッハの小フーガも当時のお気に入りでした
複数の旋律を聴き分けられる聴覚の能力はさっぱり育ちませんでしたが
最初の部分くらいなら2つの旋律が今でも耳に残ってます
ヘンデルやバッハのもの悲しいイメージが妙に好きなんです
by una (2007-03-27 21:29) 

アートフル ドジャー

ヘンデルのこのNAXOS盤は僕も持っててよく聴きます。
by アートフル ドジャー (2007-03-27 21:43) 

かあか

私はお稽古である程度譜読みがすらすら出来るようになりましたら、ヤマハのファースト・イン・バッハだったかな~楽譜がココにないので正確ではなくてごめんなさい。必ずプレ・インヴェンション系の楽曲をします。2声、3声の楽譜をいきなり・・私はそれで苦労しましたので^^;
なんでもバッハ~には爆笑!いたしました。
by かあか (2007-03-27 22:27) 

Cecilia

papalinさん、nice&コメントありがとうございます!
この先生はかなり選んだつもりでしたが・・・。(選ぼうと思いましたが、田舎だったため思うような先生が見つからず、楽器店の店長さんに紹介していただきました。ピアノの先生自体は多い土地でした。)
私のような親がレッスンについて来て先生もお困りだろうと思い、口出しはしないことに徹しました。
先生はきちんとは教えてくださる方でしたが、いろいろな意味で不勉強なところがあったと思います。
ご紹介のCDも聴いてみたいと思いました。
by Cecilia (2007-03-28 09:57) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
試聴しようと思ったらなかなか聴けません。
サラ・ブライトマンがどのように歌っているのか気になりますねえ。
有名な曲ですが、プレ・インヴェンションで子供が演奏する以外、大人の間で敢えてこの曲の話題をする人もいないので、話題にしたくて出しました。
ちなみにうちの娘達はレッスンでも弾いていません。
教会でも私は聖歌隊でしか歌ったことがないです。(それも大昔のことです。)
ギターでも弾かれる曲なのですね~!!
by Cecilia (2007-03-28 10:09) 

Cecilia

unaさん、コメントありがとうございます!
unaさんのおかげでPapalinさんとも交流できるようになりました。
ところで新しい方のブログはちょくちょく拝見させていただいていますが、ブックマークし直していないので、Papalinさん経由で・・・という面倒なことをしています。(早いところ変更しますね。)
スカッとしていただき、私もうれしいです。(笑)
・・・ということで私もPapalinさんにこの曲をリクエストしたいで~す♪
(私がリクエストしているのはパパゲーノなのですが。)
ヘンデルは明るいイメージがありますが、この曲はもの悲しい感じですね。
讃美歌ヴァージョンは暗いですね~。(最後は明るいけれど。)
by Cecilia (2007-03-28 10:17) 

Cecilia

アートフル ドジャーさん、nice&コメントありがとうございます!
この曲のためだけに聴いたようなものでしたが、ついでにHWV437全体を聴いてみました。
華やかな部分があって、その中にこのサラバンド・・・ということでこの曲に対するイメージもちょっと変わりました。
讃美歌ヴァージョンは人間の心の闇を感じさせる内容なので、重い演奏になるのですが、原曲はもっと軽いですね。
by Cecilia (2007-03-28 10:21) 

Cecilia

かあかさん、nice&コメントありがとうございます!
ヤマハのその楽譜はたぶんあのシリーズかなあと思います。
うちにポリフォニーの楽譜があります。(深緑色の楽譜ですが。PTNAのために買ったけれど使っていない楽譜です。)
私も2声・3声で苦労しましたので、インヴェンションの教材は大事だと思います。
小さい子用には「かぶとむしがきょうだいで」でしたっけ?
これも良いと聞きましたけれど。
誰でも間違いはあるので、1回や2回ならどうということはないのですが、この先生はうちの子供のレッスンだけでもたぶん10回くらいはおっしゃっていましたよ。
by Cecilia (2007-03-28 10:30) 

fallschirmjager

ヘンデルのサラバンド。なつかしいです!
当方,かなり前,知り合いのチェンバロ(当然コピーでしたが。)を使わせてもらって,初めて練習した曲の一つでした。
残念ながら,諸般の事情で,その後古楽器に触れる機会はもうなくなってしまいましたが,ご紹介のサラバンドは直に弾いた事がある(今はもう無理ですが。)ので,そういう意味で一番身近な曲ですね。
by fallschirmjager (2007-03-31 08:36) 

Cecilia

fallschirmjagerさん、コメントありがとうございます!
チェンバロで弾かれたのですか!
うらやましいです。
私も近くではないですが、比較的近くで古楽器(コピーというべきでしょうか?チェンバロやポジティフオルガンなど。)を体験させてくれるところを発見しました。
近いうちに行ってみたいのですが・・・。

ピアノを学ぶ子供たちも、この曲を必ず弾くわけではないですが、覚えていて欲しいですね。
by Cecilia (2007-04-01 04:39) 

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