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森の鍛冶屋(ミヒャエリス) [ピアノ]

昨日の記事の「銀波」ですが主題部分(8分の6拍子になってから)で「思い出のアルバム」を思い出してしまいました。
幼稚園の卒園式などで歌うあの曲です。
♪い~つの~こと~だか~思い出してご~らん~、あんな~こと~、こんな~こと~、あ~った~でしょう~・・・♪
「銀波」、似ているとは言い難いですが、通俗的なメロディーや和声で、かなり近い雰囲気だと思いました。
特に♪あんな~こと~、こんな~こと~♪は「銀波」に出てくるメロディーと同じと言ってよいと思います。

さて幼稚園が出てきたところで、やはり幼稚園でよく歌う歌の話題です。
「森のかじや」という歌をご存知でしょうか。

♪とんてんとんてん 鍛冶屋の槌
森から 聞こえてきます
ピッピッピッピッ 小鳥の歌
ドシラソドレミド♪

こちらで聴く事ができます。

娘たちが幼稚園に通っていた頃、音楽発表会などで耳にした曲です。
なぜ階名で♪ドシラソドレミド♪と歌うのか、気になりました。
もしかしたら音楽教室の教材だったのかもしれません。

年に何度か帰省して、そのたびに実家にある楽譜でいろいろ弾いていた私ですが(今は帰省してもピアノがないです。)、昨日もご紹介した全音ピアノ名曲選集(下)である曲を弾いていた時のことです。
ある部分にさしかかって、思わず「あ、この曲!」と思ってしまいました。
それはミヒャエリスの「森の鍛冶屋」という曲で、ある部分は当時曲名を知らなかったのですが上に挙げた童謡「森のかじや」でした。(原曲は「森の鍛冶屋」、童謡は「森のかじや」で区別します。)
童謡の「森のかじや」は作曲者不詳とされていたり、ミヒャエリス作曲になっていたりいろいろです。
ミヒャエリスが作曲したのか、作曲者不詳の曲をミヒャエリスが「森の鍛冶屋」で用いたのかわかりません。

ミヒャエリスの「森の鍛冶屋」、子供の頃から難しい曲が載っている下巻で親しんできましたが、昔は最後まで弾くことができず、前半で挫折していました。
なので曲中の「森のかじや」の部分を知らなかったのです。
全音のレベルではBになっているので全然難しくないのですが(大人になって弾いてみて「な~んだこんなに弾きやすかったんだ!」と思いました。)、当時は「黒鍵」や「木枯らしのエチュード」も載っている下巻はレヴェルが高いのだと思い込んでいましたし、途中で挫折したこともあって、「森の鍛冶屋」も難しいと思い込んでいました。
その上、前半の夜から朝にかけての場面の暗い音楽から難解なイメージすらありました。

こちらに楽譜があります。

英語の曲名は"The blacksmith in the woods"または"Forge in the Forest"になっています。
「森のかじや」部分は下から6段目から始まっています。
ただしこれはC-durでなくG-durで♪シ~シ~シ~シ~シドシラソ~レ~、ミ~ミ~ミ~ミ~、ドシラソファ♯ミレ、シ~シ~シ~シ~シドシラソ~ミ~、ソ~ファ♯ミレソシレ・・・♪・・・になっています。
童謡「森のかじや」の♪ド~シラソドレミド~♪は♪ソ~ファ♯ミレソ・・・♪のところですね。

"Forge in the Forest"で検索したらかなり古い音源が出てきました。



このレコードは上でリンクした楽譜では真ん中のAllegretto(Smithy)のところからですね。(最初に鶏の声などが聞こえる。)
1914年の録音なのですね!







こちらは更に古くて1901年の録音です。
上のレコードより前のAdagio(Morning prayer)からになっています。
上の動画も下の動画もオーケストラと言うよりも吹奏楽ですね。

楽譜からの整理ですが、

Adagio(At night)~(In the morning)~Allegro vivace(At the brook)~Adagio(Morning prayer)~Allegretto(Smithy)~Tempo di Polka

というように夜から朝にかけての描写音楽になっています。
郭公や鶉などの鳴き声も入っています。

動画でお分かりいただけるように実際には非常に楽しい音楽なのですが、なぜ難解だと思っていたのでしょうか。

しかしこの曲も「銀波」同様、通俗的ですよね。
場面と場面のつなぎ目がいい加減な感じがします。
何だか唐突に感じられるのですよね。
でも「森のかじや」部分になると(来た~!!)って思ってしまいますが。(笑)

朝の祈りの部分で、私はつつましい鍛冶屋さんを想像します。
きっと「日毎の糧をお与えください。」と心から祈りを捧げているに違いありません。
順境であろうと逆境であろうと祈りを欠かさないのでしょうね。

ところで更なる疑問はこの曲はもとはオーケストラの曲だったのだろうかということです。
まあ全音のピアノ名曲選集と言ってもピアノ曲だけでなくオーケストラ曲が含まれているのでおそらくそうなのでしょう。
でもこの楽譜の名前、紛らわしいです!

全音ピアノ名曲選集 (下巻)  全音ピアノライブラリー

全音ピアノ名曲選集 (下巻) 全音ピアノライブラリー

  • 作者: 全音楽譜出版社出版部
  • 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
  • 発売日: 2005/03/31
  • メディア: 楽譜



ピースでも出ているはずですが・・・。



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REIKO

「森の鍛冶屋」、子供の頃家にあった「ファミリー・クラシック・コンサート」みたいな2枚組のレコードに入っていて、よく聴いていました。
子供にもわかりやすいタイトルの付いた、通俗?オーケストラ曲を集めたようなレコードです。
(確か1枚目、A面の1曲目だったような・・・)
今動画で聴いてみて、アダージョ部分は良く覚えていませんが、テンポの速い部分になると、やはり
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
でしたね。(爆)

辞典でミヒャエリスを調べたら、「通俗音楽の作曲家」とあり(そんなあからさまに言わなくても・・・笑)、管弦楽曲として「森の鍛冶屋」が載っていました。
原題はドイツ語で「Der Schmied im Walde」だそうです。

この種の通俗オケ物では、やはりルロイ・アンダーソンが一番なんでしょうが、上記のレコードには他にも「ペルシャの市場にて」(これは定番?)や「森の水車」(だったかな?)「口笛を吹く少年」(合ってるかな??)などが入っていました。
まだ手が小さくて、レコードの扱いがおぼつかない小学生の頃に、時々自分でもかけて聴いてたと思います。
懐かしいですね♪
by REIKO (2010-02-23 12:13) 

Cecilia

REIKOさん、コメントありがとうございます!

>キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

これ、使いたかったのです。(笑)

ドイツ語の原題、Waldは浮かんだのですが鍛冶屋がわからなくて挫折していました。
ブラームスの歌曲で鍛冶屋がらみの曲があるので見ればヒントになったと思うのですが・・・。
教えていただき感謝です。

次から次へと通俗的な曲が浮かんできます。(笑)
この勢いは止まらないかも?
所詮私はわかりやすくて通俗的な曲が好きなのかもしれません。
「ペルシャの市場にて」、有名曲ですが、「ローゼン・メイデン」の主題歌に使われていて驚きました。
「口笛を吹く少年」は知りません。
思わず昔のNHKの教育番組(道徳?)の♪く~ちぶ~えふ~いて~、空き地へ行った~、知らない子はもういない~、あそばないかと笑って言った~♪を思い出しましたが・・・。

>「通俗音楽の作曲家」

あからさまですね~。(笑)
by Cecilia (2010-02-23 13:11) 

Enrique

ヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」と混同していました。
大変失礼なことをしてしまいました(笑)。
それにしても,「森のかじや」の階名もいただけないですね。
せめて最初の音を示してもらわないと。最後のこの攻撃はなんでしょうか?
全音のピースにものっているようです。
http://www.geocities.jp/chopin_the3d/tosyositu/piece/piece.html
明らかにピアノ曲で無い曲もかなりあります。
by Enrique (2010-02-23 14:31) 

arata

Cecilia 様
僕は、芸術性・精神性の高い音楽を聴き、弾くのも好きですけど、この様な、通俗曲を聴くのも、弾くのも好きです。寧ろ通俗曲と片付けられている作品を手掛けて、高尚な曲には無い、その作品ならではの輝きを発見すると、嬉しくなります。通俗曲を馬鹿には出来ません。
arata
by arata (2010-02-23 17:12) 

nyankome

ケテルビーの「ペルシャの市場にて」は以前、合唱付きのものを探して聴いたことがあります。
私もこの手の音楽は好きです。
by nyankome (2010-02-23 19:43) 

matcha

確かに場面から場面へ移るところに前後の関連が難解ですね。
何か試作を聞いてるみたいな気がします。
でも、作曲した方は作っているときに、ワクワクしながら作ったんでしょうね。
大道芸人やストリート・ミュージシャンのような、好きでたまらなくて聞いて欲しいという気持ちが、伝わってくるように思います。
面白い曲ですよね。
アレンジすれば、運動会で使いそうな曲ですね。
有難うございました。
by matcha (2010-02-23 21:02) 

Cecilia

Enriqueさん、コメントありがとうございます!
「調子の良い鍛冶屋」、大好きです。

>それにしても,「森のかじや」の階名もいただけないですね。

高峰秀子や並木路子が歌っていた「森の水車」という歌でも階名が出てきます。(笑)
♪・・・コトコトコットン、コトコトコットン、ファミレドシドレミファ~・・・♪
なぜなのでしょうか??

>せめて最初の音を示してもらわないと。最後のこの攻撃はなんでしょうか?

これはどういうことなのかもう一度説明していただけるとありがたいです。
by Cecilia (2010-02-24 08:18) 

Cecilia

arataさん、nice&コメントありがとうございます!

>この様な、通俗曲を聴くのも、弾くのも好きです。寧ろ通俗曲と片付けられている作品を手掛けて、高尚な曲には無い、その作品ならではの輝きを発見すると、嬉しくなります。通俗曲を馬鹿には出来ません。

このところ通俗曲のことばかり考えていますし、そうでなくても通俗的な旋律が出てくる曲を好む傾向があるかもしれません。
そこであらためて”高尚な曲”とは何か考えさせられます。
”高尚なクラシック”などと言いますが、難解な曲は何度も聴こうとは思えませんよね。
by Cecilia (2010-02-24 08:33) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
「ペルシャの市場にて」、私がオケを引退した後、後輩たちが練習していました。
演奏してみたかったです。
nyankomeさんもこの手の曲お好きですか!
by Cecilia (2010-02-24 08:36) 

Cecilia

matchaさん、nice&コメントありがとうございます!

>でも、作曲した方は作っているときに、ワクワクしながら作ったんでしょうね。

そんな感じがしますね~。

>アレンジすれば、運動会で使いそうな曲ですね。

アレンジしなくても部分的に使いそうな感じですね。
後半だけとか・・・。

by Cecilia (2010-02-24 08:44) 

Enrique

言葉足らずでした。「森のかじや」では最後の突然の階名攻撃で,ずっこけると言う意味でした。
「森の水車」のオリジナルは高さは合っているのでしょうか?当然階名を含む歌詞はメロディの後からつけたのでしょうが,色んなキーで歌われる想定で階名で,歌詞の埋め合わせに使ったのでしょうか。ちなみに私は階名視唱が苦手(音名が分かるわけでもないですが)で,学校時代は歌詞の様に覚えました。
by Enrique (2010-02-24 12:10) 

Cecilia

Enriqueさん、再コメントありがとうございます!
「森の水車」と言っても高峰秀子たちが歌っていたものとピアノ曲では違いますね。
高峰秀子
http://www.youtube.com/watch?v=0V5N6Xq6aVU
並木路子
http://www.youtube.com/watch?v=24Vsl2aMnuI&feature=related
階名は最初から入っていたのだと思います。
私も階名視唱は苦手でした。
歌詞のように覚えて歌う分には良いのですが・・・。

ついでにアイレンベルク作曲のピアノ曲はこちらです。(全然別の曲ですが)
http://www.youtube.com/watch?v=t_lXHKv9_jU&feature=related
by Cecilia (2010-02-24 15:31) 

アヨアン・イゴカー

懐かしい曲です。小学校の一年生の時に好きで、早口言葉のように歌って両親に笑われていました。
この曲は、白黒の喜劇映画の背景にとても合いそうですね。
by アヨアン・イゴカー (2010-02-28 23:10) 

Cecilia

アヨアン・イゴカーさん、nice&コメントありがとうございます!
アヨアン・イゴカーさんにとって思い出深い曲だったのですね!
小学生は早口言葉が好きですね。
それと階名で歌うところも小学生に受けそうです。
確かに白黒喜劇映画に使われそうです。
by Cecilia (2010-03-01 08:44) 

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