SSブログ

谷川俊太郎作詞・林光作曲「四つの夕暮れの歌」 [音楽鑑賞]

前の記事ではグスタフ・レオンハルト氏の訃報について書きましたが、作曲家の林光さんも最近亡くなられていました。(伊閣蝶さんが記事を書いておられます。)林光さんの曲を何か聴いてみようと思い、NMLでレオンハルト氏の演奏を一通り聴いた後(知らない曲で興味深い演奏が多かったです!)、林光さんでNML検索しました。
あまりたくさんは聴けないのですが声楽曲のコーナーになじみのCDがありました。
すっかり忘れていましたが、米良美一さんの「うぐひす」というアルバムに林光さんの「四つの夕暮れの歌」があったのでした。


うぐいす~ 米良美一 日本を歌う

うぐいす~ 米良美一 日本を歌う

  • アーティスト: 團伊玖磨,早坂文雄,林光,中田喜直,北原白秋,佐藤春夫,谷川俊太郎,加藤周一,小倉貴久子,バール(グニラ・フォン)
  • 出版社/メーカー: キング・インターナショナル
  • 発売日: 1997/07/16
  • メディア: CD



NAXOS MUSIC LIBRARYで全曲試聴できます。→こちら

このCDはすでに何度も取り上げています。「四つの夕暮れの歌」はじわりじわりと好きになっていった曲で、最初の頃は「すごい」と思いながらも自分の中では地味な存在の曲でした。じわりじわりと好きになっていった理由には米良さんの歌唱力によるものが大きかったのですが、谷川俊太郎さんの詩の内容から追悼に相応しい曲だとも思えます。(1・夕暮れは大きな書物だ 2・誰があかりを消すのだろう 3・誰もいない隣の部屋で 4・死者の迎える夜のために)連作歌曲ですが1~3曲目と進むに従って緊張感が高まったところで4曲目にはダイナミックな開放感を感じさせる和音が使われています。
林さんが20代の頃に作曲した歌曲のようですね。あらためて聴いてみて大変純度の高い音楽に感動しています。

nice!(10)  コメント(16)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 10

コメント 16

伊閣蝶

「四つの夕暮れの歌」は、谷川さんの詩にも大変心を打たれたものでした。

誰があかりを消すのだろう
夕暮
私が夜を欲しい時
私が夜を憎む時
誰があかりを消すのだろう

林さんも谷川さんも若さに溢れていた頃、このように心に響く作品を作られていた。
若さの中にある瑞々しい感性、それを言葉なり音なりに表現できる才能を、心底から羨ましく感じます。


by 伊閣蝶 (2012-01-20 12:44) 

Cecilia

伊閣蝶さん、nice&コメントありがとうございます!
さすが伊閣蝶さん、すでにご存知でしたね。
米良さんはこれ以外にも谷川俊太郎さんの作詞による歌を歌っていますが、武満徹さんや林光さんの曲の魅力は米良さんを通して知ったという状況です。
林さんと谷川さんの若く瑞々しい感性による曲を若く瑞々しい感性で歌い上げた素晴らしい演奏だと思っています。
4曲目は希望を感じる終わり方ですよね。
by Cecilia (2012-01-20 13:05) 

Cecilia

ユーフォさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2012-01-20 16:22) 

Cecilia

uminokajinさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2012-01-21 19:13) 

Cecilia

Promusicaさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2012-01-24 08:28) 

Enrique

林光さんも訃報ですか。
昔NHKのテキストに載った「2つのギターのためのエチュード」というのが印象にあります。現代作曲家の作品なのに,一人でも弾けそうなほどやさしく沖縄音階を使った親しみ深いものでした。
by Enrique (2012-01-24 21:24) 

Cecilia

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます!
林さんも訃報ですが、ここでご紹介した米良美一さんのCDの最後の曲「さくら横ちょう」を作曲された別宮貞雄さんも最近亡くなられています。訃報が続いていますね。
ギターのその曲のことは知りませんでした。林光さんと言うと現代曲の作曲家=難しいイメージがあったのですが、案外親しみ易い曲が多いですね。
by Cecilia (2012-01-25 08:39) 

Cecilia

嵐ワイルドアットハートさん、はじめまして。
niceありがとうございます!
by Cecilia (2012-01-29 03:52) 

の

ああ、、米良美一さんネ~(^^)
もう、凄い声やし、、、、♪
ウチが叫び声上げても、こんなン声、出ないし、、(T_T)ww
by (2012-02-01 23:54) 

Cecilia

のさん、nice&コメントありがとうございます!
のさんにしか出せない素敵な声&ギターがあるではありませんか!
またあらためてのさんのCDを聴かせていただきますね♪
by Cecilia (2012-02-04 10:21) 

シズコ

Ceciliaさん、こんばんは。
最近、変な時間に起きてます。ちょっと欝気味ですね。

林光さんも別宮貞雄さんの訃報も、新聞で知りました。
別宮貞雄さんはお名前くらいしか存じ上げないのですが、林光さんは結構合唱で歌ったので、鋭く心に痛みがありました。
お二人のご冥福を心からお祈りしたいと思います。

閑話休題。

今日はお誕生日ですね。お誕生日おめでとうございます♪
今年一年のCeciliaさんの歩みが守られますようにお祈り申し上げます。
God Bless You♪

主にありて

by シズコ

あ、この間「県民ショー」で米良さん見ましたよ。
結構背がお小さい方なので吃驚しました。
その後BSで美輪明宏さんの特集やってましたが、もう容量オーバーで寝ました。
この頃吐き出さないと、心身ともに毒素がたまっています。
上手に吐き出せると良いなと思っています。
by シズコ (2012-02-08 03:18) 

Cecilia

シズコさん、コメントありがとうございます!
誕生日を覚えてくださってありがとうございます。
年は取りたくないけれどうれしいです。生まれた時の両親の気持ちに思いを馳せる今日この頃です。
米良さん、ご覧になったのですね!間近で見る米良さんは本当に小柄で可愛らしい(?)です。
美輪さんの特集もやっていたのですね。
別宮貞雄さんの「さくら横ちょう」、中田喜直さんの「さくら横ちょう」、共に大好きな曲です。同じ歌詞ですがシズコさんはどちらを好まれるでしょうか。
最近の私は毒素がたまることってないのですが、昔はそんな時に激しい曲を聴いていたような気がします。(ロックとか)
by Cecilia (2012-02-08 08:42) 

シズコ

Ceciliaさん、おはようございます。
今日は久しぶりに起きてみました。(フツー起きろ~☆)
早速「さくら横ちょう」聴いてみました。
「どちらが好きか?」と聞かれると・・・難しいなあ・・・。
率直な感想。
中田喜直さんの「さくら横ちょう」は、すぐ聴いて馴染みました。というか、「あ~聴いたことある。歌えそう。」という感じかなあ・・。多分、合唱で中田喜直さんを歌ったことがあるし、結構馴染んでるからだと思います。
別宮貞雄さんの「さくら横ちょう」は聴いた瞬間「はっ!」としました。
これって、うまくお伝えできるかわからないのですが、「今まで聴いたことの無い旋律をこれから練習しますよ」という感じでピアノで音取りをしてもらった感じなんです。
うーん。私の乏しい経験から言うと、今まで高田三郎先生の曲を歌っていたのに、いきなり「柴田南雄さんの曲練習します~。え!?」って感じかな。
ぜんぜん私の音楽の中に入ってない曲を聴く、知らない世界に入って行く感じでした。でも、別宮貞雄さんの「さくら横ちょう」は、もっともっと聴きこんで、そっと歌いたくなる感じですね。知らない真っ白な世界に入って行く印象です。
中田喜直さんのは聴いていて落ち着きます。ほっとする感じです。

>会い見るの時はなかろう
「その後どう」「しばらくねえ」と
言ったってはじまらないと
心得て花でも見よう

↑この歌詞はなんとも言えないですね。
私はこの加藤周一さんという方の詩は始めて読んだのですが、物凄く削って削って、可能な限り端的な言葉にした感じがしました。
この詩だけ読んでも、この方の言葉が伝わってきます。

実はこの間から「四つの夕暮れの歌」の詩が凄く気になっていました。
特に二番目の「誰が明かりを消すのだろう」これ読んだだけで、「やられたあ~!」という感じ。ノックアウト!ぐっと来ますねえ・・・。


>恋人たちは知っている
二人の欲望が消すのだと

↑このフレーズ読んで、ドキッとしました。
私も似たようなフレーズの詩「大真面目に」20歳の頃書いてたので(苦笑)
これは40歳をこすとこっ恥ずかしくて描けないかも~(笑)!
若いって良いな!

林光さんは「日本の叙情曲集」をたっくさん歌ったので、亡くなった事を聴いたとき、「え?林光(りんこう)さんも死んじゃったの?」。率直に思いました。
「カチューシャの唄」と「ゴンドラの唄」が大好きでした。
高校生のときに聴いた「ミズヲクダサイ」は、最後まで良く聴かずに終わってしまいました。

別宮貞雄さん・・・なんで私は名前だけ知ってるの?何か知ってる曲って無いの?やっとわかりました。合唱曲の「落葉松」でした。
私は直接歌っていないのですが、私の高校のOG合唱団の先輩方が歌っていました。「落葉松」。趣があって良い曲だなと思います。

昨日、昔のDVDを見て少し毒素が吐き出された気がしました。(苦笑)
「トスカーナの休日」です。
ダイアン・レイン演じる離婚したアメリカ女性が、イタリアのトスカーナに旅行に行って、一軒家を買って、家を修理しながら壊れた自分も修復して行く過程を描いた映画ですが、これは、公開のとき見に行ってとても気に入り、DVDを購入して、元気がなくなると見ている映画です♪少しずつ元気がたまってきそうな気がします。

今日も山形は雪です。
長いコメント失礼しました。ではまた。(^-^)/

by シズコ (2012-02-10 09:50) 

Cecilia

シズコさん、再コメントありがとうございます!
二つの「さくら横ちょう」早速聴いてくださったのですね。
中田喜直さんのは親しみやすく(メロディー重視)、別宮貞雄さんのは語感重視という感じがしますね。私は実は別宮さんのを先に聴いていて(鮫島有美子さんの演奏)、中田さんのはだいぶ経ってから音大目指す高校生の演奏で聴きました。そのせいもあって、どちらかといえば別宮さんのほうが大人のイメージです。どちらが好きかと聞かれたら今のところは中田さんかなという感じがします。
いずれにしてもこの詩には官能的なものを感じます。
「四つの夕暮れの歌」の詩、私もこの前から内容がとても気になっています。谷川俊太郎さん、言葉遊び的な楽しいものも多いですが、案外シリアスな内容も多いですよね。この詩は若いころのもののようですが、なかなか意味深ですね。
「落葉松」の合唱曲って小林秀雄作曲ではありませんでしたっけ?
by Cecilia (2012-02-11 14:43) 

Cecilia

krauseさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2012-02-13 09:37) 

Cecilia

九子さん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2012-02-18 08:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。