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ナルニア国物語 [映画]

先週末、家族で「ナルニア」を観てきました。

原作の「ライオンと魔女」(岩波少年文庫。瀬田貞二訳)はだいぶ前から家にありましたし、英語の本もあったのですが、じっくり読んだことはありませんでした。

ディズニー映画、ということで私は少々不安がありました。
私にとってのディズニーのイメージ・・・サービス過剰と思えるほど音楽が多く、騒々しい・・・。
ディズニーファンの方には申し訳ないのですが、「美女と野獣」を観た時は大変がっくりきました。(好きな曲はありますが・・・。)
しかし、アニメではないですし、チラシを見たら原作のイメージに近いような予感がしてきました。
それに近頃は私が読んでほしいと思う本を全く読まなくなった娘達と、ファンタジーの名作を共に味わいたい、という狙いもありました。
私は娘達が小さいころは親子読書(読み聞かせ、という言葉が嫌いなので敢えてこの表現を使います。)に力を入れてきました。「ライオンと魔女」は私が毎月行っていた絵本・児童書の勉強会でよく話題になっていた本です。ナルニアシリーズはこの本しか持っていませんし、これしか読んでいません。
それから、この本は大変キリスト教的な作品・・・というかもう福音書そのものと感じますし、実際そうなのです。
瀬田貞二さんの解説によれば・・・「いったいこの作者は、真からのキリスト信者として、七つの物語を書いたのですし、『ライオンと魔女』を読めば、福音書にあるキリストの救いのことが、『魔術師のおい』を読めば、罪が生まれるいきさつと、それをあがなう勇気のことが書かれていることはひとりでにわかってきます。そして七つの物語を通して、ナルニアとは、人間の中にある永遠の善と悪の戦いによせた象徴のことだと言えるかもしれません。」

先入観を持っているため、キリストの受難と復活と重ね合わせて観てしまいました。

しかし全くそのような背景を知らない人は、この作品をどのように読むのだろうか、と大変気になっています。(特に大人。)
子供達は先入観なしに物語に入っていけるのでしょうね。
そのような状態で楽しみたいものだ、と感じました。

♪観た感想♪
ディズニーだけど、「うるさく」なくて良かった!!
教授が「子供嫌い」だと家政婦が言う場面がありますが、原作では教授ははじめから子供達に期待される存在であります。(映画では後半からそれがわかる。)
その教授に「遠慮」しておとなしくしていた子供達が我慢できなくなってかくれんぼする場面があるのですが、その時の音楽がちょっと気になるかな、という感じです。(「古きよきアメリカ」を思わせる明るい曲なのですが、英国の雰囲気に合わないと思います。)音楽で気になったのはこれくらいでしょうか?

ルーシーの子が可愛かったし、他の子役も素敵でした。ピーター役の子はウィリアム王子に似ていた!!
似ている・・・と言えば魔女。紺野美佐子に似ていると思いました。スコットランドの人らしいですが、日本人に近い顔立ちのように思いました。
魔女・・・はじめは優しそうな雰囲気で、美しい!衣装も髪型も素敵!魅力ある魔女でした。
個人的に、フォーン(半神半獣)のタムナスさんが良かった~!あの頼りない雰囲気が好きだわ~~!!タムナスさん役のジェームス・マカヴォイは「16年もタムナスのことを思い続けていた」そうで、さすがにはまっていたように思います。

「タムナスさんの笛(角笛みたいな感じで「人」という字のように先が分かれている。二声の演奏ができる。)が欲しい!」と思ってしまうCeciliaです!

ビーバー夫妻は、「いかにもディズニー」という雰囲気でしたね。

ところで、お菓子の好きな私が気になっていたこと・・・!

それは次男のエドマンドが魔女からもらうお菓子です。
先ほどご紹介した瀬田貞二訳の日本語ではプリンになっていましたが、映画のなかではターキッシュ・デライトとなっていました。
そこで原作の英文を見てみると・・・Turkish Delightになっていました!
ターキッシュ・デライトとはゼラチンの固まりに砂糖をまぶしたお菓子のようです。
グミみたいなものでしょうか?
個人的にプリンのほうがいいですが・・・。
このようにちょっと古い訳だとちょっと違う訳になっていたりしていますよね!
(たとえば「おさるのジョージ」で”スパゲッティ”が”うどん”と訳されていたり・・・。岩波の絵本ですが、もともと横書きのものまで縦書きになっていた時代の訳。)

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)

  • 作者: C.S.ルイス, 瀬田 貞二, C.S. Lewis
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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euridice

>ターキッシュ・デライトとはゼラチンの固まりに砂糖をまぶしたお菓子
そうですか。もう何十年も前ですが、原文、瀬田訳の両方を読み、ずっとどんなお菓子か気になってました・・・映画でもあんまりはっきりわかりませんでしたね。

>この本は大変キリスト教的な作品
ですね。細かいところは忘れましたが、最終刊(第七話)「さいごの戦い」はたしか「最後の審判」で終わっていたと思います。
by euridice (2006-03-17 17:39) 

Cecilia

euridiceさん、コメントありがとうございます!
さっきちょっと調べてみたら、やはりどこかのデパートで売られたりしているようですね。(やっぱり・・・という感じです。私も食べてみたいです。)
「小公女」に出てくる「甘パン」もずっと気になっていて、以前ほかの方と話題になりました。
ナルニアシリーズ、これを機会に読破しようと思います。
by Cecilia (2006-03-18 00:08) 

のの

色々とキリスト教関係の書籍を翻訳している義理の姉の
元々の専攻はルイスです。
そんなこともあってディズニー映画にはあまり興味はない…というか
むしろ避けたいのですが、これは観たい作品ですね。
その前に教会の子ども用本棚にある原作を読もうと思っています。

今日は中高生歓送迎会&校長の送別会なので忘れなければ借りてこよう。
Nさん、農業をしたくて隠居してしまうんですよ~さみしい…
by のの (2006-03-18 13:20) 

Cecilia

ののさん、nice&コメントありがとうございます!
お姉さま、そうなのですか!!実は私が初めてこの話を知ったのは大学一年のときの英文読解の授業でお世話になった先生に貸していただいた時です。(双子ちゃんのママも一緒に授業を受けていましたから、私がどんなに出来が悪かったか知っているはずです。)貸していただいてもほとんど読みませんでしたが、今になってフィリパ・ピアスなどの英国の児童文学に触れる機会が増え、あの頃もっとまじめにやるんだった・・・と後悔しています。(その先生はフィリパ・ピアスとかルイスとかそのあたりがご専門でした。)
「ナルニア」のパンフに松居直さんがコメントを寄せておられます。そちらの教会でも講演されたはずです。
私は何年か前、松居さんの講演を聴き、「ももたろう」の絵本にサインをいただきました!
銀座教文館の児童書コーナーもナルニアという名前ですよね!

Nさん、隠居って・・・どこか遠いところにでもいかれるのでしょうか・・・?
(それに校長だったのですか?)
by Cecilia (2006-03-19 00:50) 

のの

今日、教会から借りてきました。これから読みます!
新書版でなくハードカバーなので重かった…
帰りに牛乳2本とタマネギも買ったので腕が抜けそうでした(笑)

Nさんは4年前から長老で、CSの校長でした。
なんと25年にわたって教師を勤められたそうですよ!
普段はイベントがあっても集まりが悪い生徒たち…皆忙しいですからね。
昨日はほぼ全員集まりました!
Nさんの人徳と言うか親御さんからの信頼だと思います。
春になったら長野のレタス農家で働かれるそうです。
日本の農業のために頑張って欲しいです。
by のの (2006-03-19 15:50) 

Cecilia

ののさん、コメントありがとうございます!
もしかして一冊だけでなくシリーズで借りてこられたのですか?ご苦労様です!

Nさん、レタス農家なのですか・・・?何となくピンときません。でもきっと地道なお仕事をきちんとこなされるのでしょうね。
次期校長はどなたなのでしょう・・・?
by Cecilia (2006-03-19 17:18) 

のの

見てきたのでTBさせていただきました♪

次期校長は当面は牧師かなー?
Nさんが作る予定のレタス、モスなんかに卸しているそうですよ。
by のの (2006-03-22 00:45) 

Cecilia

ののさん、ありがとうございます!
私もトラックバックさせていただきました。

そうなのですか!モスのあのレタスでくるんだバーガーを一度だけ食べたことがあります。(私はモスのファンです。)長野のどの辺なのでしょうか?
by Cecilia (2006-03-22 01:14) 

aosta

Cecilia さん素敵なTBありがとうございました。
「ナルニア」だけでいつかブログを立てたいとずっと思ってはいるのですが、内容が深すぎてどうしたものかと・・・・(笑)

映画、私も半信半疑で見ましたが、思ったよりずっと良かったですね。
原作を変に拡大解釈したりせず(ディズニーのお得意です!)きちんと作られていたことがよかったです。

ルイスのこの作品は(「ライオンと魔女」)は明らかにキリストの受難と復活の物語。夜、一人で石舞台へと向かおうとするアスランについてゆくルーシーとスーザンの姿には最後までキリストに付き従ったのは女性たちであったことを思い出させますし、何よりもエドマンドの裏切りはユダのメタファーそのものだとおもいます。

モスのレタス山梨と野県境、ちょうど八ヶ岳を挟んだ位置にある川上村というレタスの産地からの直送だと思います。
今年はレタスが方策で出荷調整のため、採れたレタスを捨てているとか・・・
もらいに行きたいです!!
by aosta (2007-11-01 08:38) 

Cecilia

aostaさん、コメントありがとうございます!
TBうまくいっていたのですね!!
昨日はすぐに確認した時に反映されてなくて、「やっぱりだめかしら。」と
思ったのです。
更に時間がなくてコメントできていませんでした。
後ほどうかがわせていただきます。

この作品、ののさんへのコメントレスに書いたように大学一年のときに英語の講読でお世話になった先生(H爪先生、ご存知ですか?)に本を貸していただいて知りました。(私は不出来な学生でしたが。)

ところでaostaさんは何学科だったのでしょう?


モスの農場・・・もったいないですねえ!
ほしいです。
by Cecilia (2007-11-01 12:42) 

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