武満ソングと米良さん [声楽]
昨日、神戸から帰る途中、カワイで「現代ギター・８月号」を購入しました。
なぜかというと、米良美一さんが出ているからなのですが、８月中に米良さんとギタリストの福田進一さん、荘村清志さんがHAKUJU HALLで「武満徹へのオマージュ」という企画で共演することがわかりました！！
米良さんは武満ソングを歌うのですが、去年出されたCDの中にも入っています。
- アーティスト: 米良美一, 長谷綾子, ヴァイル, 山田武彦, フェルネ, ブレヒト, 塩入俊哉, 竹下欣伸, カワード, 谷川俊太郎, 武満徹
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2005/09/07
- メディア: CD
これに関しては去年も記事を書いているのですが、米良さんが武満ソングに並々ならぬ思いを抱いていることがよくわかります。
「ヨイトマケの唄」がかなり強烈だったのですが、他の曲も素晴らしかったです。
武満さんの「死んだ男の残したものは」は以前鮫島有美子さんや岡村喬生さんのリサイタルで聴いて感動していましたが、武満ソングだと知ったのは最近のことです。
米良さんのこのCDの中では「ぽつねん」という曲があるのですが、おばあさんの孤独が皮肉っぽく描かれていて、お気に入りです。米良さんはこういう曲を歌うのが本当に上手ですね！
「現代ギター・８月号」の米良さんの言葉から・・・
私は、武満徹さんの歌に・・・というか生き方や活動に、すごくシンパシーを感じるんです。・・・・（中略）・・・武満さんの歌は、俗っぽいところも、聖なるところも、商業的なところも、アカデミックなところも全部あって。金持ちそうなところもあれば超貧乏そうなところもある（笑）。全部、私にぴったりなんですよ。私もどちらかというとマイノリティで、でもみんなから高いお金いただいていいところを歌わせてもらって、そういう境遇で育ってきた感性ですから。武満さんの自由な、風船のようなところが非常に好きです。
武満ソングは大好きです。
どれも好きですが、「小さな空」は可愛くて、懐かしくてお気に入りです。
ショット社からソングブック（ピアノ伴奏）が出ています。
米良さんの『アリアンナの嘆き』を手に入れました。
by nyankome (2006-08-18 08:48)
友人のリサイタルで武満SONGSを聴いてからすぐ楽譜を購入して～自分の心にぐ～っと入ってくるものを感じました。nyankomeさまと同じで「小さな空」が大好きで高校3年生の声楽の時間、卒業前の1月に必ず歌わせます。｢翼」も｢死んだ男の～」もいいですね！
米良さんの透き通る声、それに発語の良さが好感持てます。
by かあか (2006-08-18 10:06)
nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます！
以前は武満徹というと「前衛的な音楽」というイメージがあったのですが、歌を聴いて意識が変わりました。特に「死んだ男が残したものは」・・・ポピュラーソングのような感じなので、武満さんの作品と知り意外に思いました。
カワイではダウランドの楽譜や「アンナ・マグダレナの音楽帳」を見ました。
欲しかったのですが、今回は見るだけにとどめました。
ダウランドのはリュート伴奏つきのものもありましたね。
「アンナ・マグダレナ～」は"Bist du bei mir"以外の歌が知りたかったので見たのですが、ほとんどがピアノ曲だけで、私が見た中で歌つきは一つだけでした。PETERSから出ていましたが横長の小さな小冊子、という感じで、歌はそんなにありませんでしたがありました。数曲しかないのなら、ピアノ曲集の中にも入れて欲しいですよね！
「アリアンナの嘆き」・・・是非とも感想を伺いたいです。
by Cecilia (2006-08-18 10:52)
かあかさん、nice&コメントありがとうございます！
「小さな空」・・・絶対誰かのコンサートで聴いているはずなのですが、それが思い出せません。ぐ～っときたことは覚えているのです。
米良さんの発語のよさ・・・かあかさんもそのように思われますか！
ファンとしてうれしいです。
何語で聴いてもまるで母語のように聞こえるところ、微妙なニュアンスがあるところも本当に素晴らしいと思います。言葉を大切になさっている、という点は、声が美しい事以上に大切なことではないだろうかと感じています。
ほとんどのCDを持っていますが、選曲も気に入っています。
by Cecilia (2006-08-18 11:09)
取り敢えず一度だけ聴いた感想ですが、
『アリアンナの嘆き』の米良さんの声は、とても澄んでいて清らかな感じがしました。確かに言葉も聞き取りやすいですね。これはとても大切だと思います。（言語の問題ではなく、何を歌っているのか分からない歌手の方もいらっしゃいますから。歌曲が嫌いだったときがありましたが、これが原因だったのです。）
武満さんは映画音楽も多く手掛けており、親しみやすい音楽もたくさん残しています。「小さな空」は作詞も武満さんなんですね。「翼」も好きです。武満さんはシャンソンがお好きだったらしいのですがうなずけます。
by nyankome (2006-08-18 11:34)
nyankomeさん、再訪ありがとうございます！
「アリアンナの嘆き」は米良さんのデビューアルバムで、お若い時の、しかも「もののけ姫」で大ブレイクする前ですから、なおさら澄んでいて清らかな感じなのでしょうね。
この後に日本歌曲の「母の唄」「うぐひす」なども出されていますが、「うぐひす」では妖しさも出ていて凄みがあります。
自分で歌ってみて、聞き取れる様に歌うことの難しさは日々感じていますが、米良さんのすごさは聞き取れるように歌うことにとどまらず、語感から感情を読み取ることができる点にあると思います。
武満ソングが入ったこのアルバム・・・長いスランプを経て出されたものだけに私も思うことが多い一枚です。
by Cecilia (2006-08-18 12:07)
初めまして。
武満さんの事が書いてあったので、来てみました。
私は武満さんの事は、まるで知りません。 失礼ではありますが、今でもTVなどで名前ぐらいを知るだけです。
ある時、ビートルズをクラシック・ギターでカバーしたCDに出会いました。プレーヤーはイェラン・セルシェルさんという、確か、フィンランドの人だと思います。
リストを見ると武満さんの編曲が半分ほどあって、「えっ、日本人が．．．？」と思いました。
ビートルズのプロデュサーだったジョージ・マーティンも、このCDを絶賛するコメントを残しています。
それを支えていたのは、武満スコアだったとは．．．。
ビートルズのアレンジは、オーケストレーションにしてもジャズにしても、無理が出てしまうそうで、どうしても耳障りになるそうです。
（確かにそうかも...。）
でも、この演奏は心地好く感じます。 安心します。
武満さんに興味が湧いたのは、その時からです。
このCDは、その日以来、お気に入りの１枚となりました。
ハクジュホールにも行ってみたいですね。そんな気になりました。
ごめんなさい、声楽とは無関係なことを長々と。
by Ezカンパニー101 (2006-08-18 23:24)
Ezカンパニー１０１さん、はじめまして。コメントありがとうございます！
私も武満さんとビートルズが関係あるなんて知らなかったのですが、上に挙げた福田進一さんのお弟子さんである村治佳織さんが演奏しているものを去年i Tunesミュージックストアでダウンロードしてから初めて知りました。上のリンクをご覧になればわかると思いますが、確かHAKUJU HALLの演奏会にもビートルズが入っていましたね。
武満さんのアレンジはジョージ・マーティンに絶賛されていたのですね。（彼の名前は聞いたことがあるくらいですが。夫がビートルズファンなので家にはビートルズのCDはたくさんあります。）
長々と（！）書いてくださってうれしかったです。
又何かありましたらコメントをいただけるとうれしいです。
by Cecilia (2006-08-19 09:14)
初めまして。昨日、米良美一さんのコンサートに初めて行きました。会場は、大山の奥懐にある「大神山神社奥宮」。米良さんの澄み切った言霊が、神殿の窓から吹き通る爽涼風に乗って、大山が一層神々しくなったじかんを堪能しました。
コンサート前からCeliciaさんの記事を拝見させて戴きました。
by (2006-09-10 08:01)
木鶏さん、はじめまして。
nice&コメントありがとうございます！
そのコンサートのことをインターネットで知り、非常に行きたかったのですが、とてもいける距離ではなく残念でした。行かれたなんてうらやましいです。
米良さんは神主さんになりたい、とおっしゃるほどですから、そのコンサートはどんなにか神々しいものだっただろうと想像します。
米良さんの歌には「言霊」を感じます。おそらく、そういうことをかなり意識して音楽作りをされていることでしょうね。
コメントを寄せていただいて、本当にうれしいです。
by Cecilia (2006-09-10 11:47)