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「すべての人の心に花を」(米良美一) [音楽鑑賞]

前の記事でハワイの音楽が出てきたところで、ネタを考えていたのですが、急に米良さんのCDに「アロハオエ」があることを思い出しました。

すべての人の心に花を

すべての人の心に花を

  • アーティスト: 米良美一
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2002/11/06
  • メディア: CD

BISなどの輸入盤では出ていないようですし、当然NAXOSでは聴けないので、この前のシリーズでは取り上げていませんでしたが、世界の国々で愛されている名歌を集めたアルバムです。

このCD、発売は2002年だったにも関わらず、私は迂闊にも出されていたことすら知りませんでした。(ファンクラブに入っていないため。)

実際に購入したのは2004年の春で、ちょうど引越しの頃でした。

不調が長引いていて、復活した頃に出されたCDで、評価は分かれるようです。

「高い声」を期待する人には不満が残るCDかもしれませんし、私の中でも地味な存在ではあるのですが、よくよく聴いてみると実は凄い、ということがわかります。

ナント、米良さんはこれらを全て原語で歌っているのです!!

こんなことが出来る歌手はあまりいないと思います。

日本語、インドネシア語、英語、スペイン語、中国語、イタリア語、ハワイ語、ハングル語、ロシア語・・・の歌が収められています。

しかも米良さんの発音は多くの人が評価するように、素晴らしいものです。

それぞれの言語の命が感じられます。

又歌い方もそれぞれ異なっている点に米良さんのこだわりを感じます。

時には民謡の歌いまわしだったり、カウンターテナーで歌ったり、テナー(・・・というかナチュラルヴォイス)で歌ったり・・・。

「サリー・ガーデン」はカウンターテナーで歌ってほしかったような気もしますが・・・。でもこの演奏も素敵です。

「アリラン」は金子浩さんが編曲し、リュート伴奏をつけています。

先日ご紹介した『かれん』で素晴らしい編曲をしている大島ミチルさんがこのアルバムでも編曲・指揮をしています。

他の演奏メンバーも一流のメンバーのように思います。

さくらさくら:(米良さんは無伴奏で歌っています。)

ブンガワンソロ:見砂和照(ドラム)三畑貞二(ギター)永田一郎(ピアノ)小池弘之グループ(ストリングス)田中伸司(ベース)土屋玲子(胡弓)若草恵(指揮)

サリーガーデン:井野邊大輔(ヴィオラ)黒田亜樹(ピアノ)斉藤葉(ハープ)大島ミチル(指揮)

アマポーラ:佐分利恭子(第1ヴァイオリン)山田百子(第2ヴァイオリン)井野邊大輔(ヴィオラ)桑田歩(チェロ)大島ミチル(指揮)

コンドルは飛んで行く:田代耕一郎(ギター)篠崎正嗣(ソロ・ヴァイオリン)神谷百子(マリンバ)梯郁夫(パーカッション)和田薫(オルガン・指揮)

何日君再来(ホーリーツィンツァイライ)見砂和照(ドラム)三畑貞二(ギター)永田一郎(ピアノ)小池弘之グループ(ストリングス)田中伸司(ベース)若草恵(指揮)

アメイジンググレイス~世界のすべては神の御手の中に:神谷百子(マリンバ)和田薫(オルガン・指揮)斉藤仁(鐘)梯郁夫(パーカッション)篠崎正嗣グループ(ストリングス)北原葉子(ピアノ)

僕は良く知っている、いいことを:田崎瑞博(チェロ)川原千真(ヴァイオリン)蓮池仁(コントラバス)田中潤一(リコーダー)加久間朋子(チェンバロ)

アロハオエ:佐分利恭子(第1ヴァイオリン)山田百子(第2ヴァイオリン)井野邊大輔(ヴィオラ)桑田歩(チェロ)草刈とも子(マリンバ)大島ミチル(指揮)

アリラン:金子浩(リュート)

ポーリュシカ・ポーレ:篠崎正嗣グループ(ストリングス)松岡裕雅(オーボエ)三宅一徳(指揮)

花(すべての人の心に花を):篠崎正嗣グループ(ストリングス)朝川朋之(ハープ)三宅一徳(指揮)


「アロハオエ」について、CDの横堀朱美さんの解説から・・・

ハワイ王朝最後の女王、リリウオカラ二が1907年に作詞・作曲した名歌です。現在では、別れの歌として全世界で広く親しまれていますが、もともとは、リリウオカラニが、知人の少佐とその恋人のために作ったラブ・ソングだったようです。

 

「サリーガーデン」については以前nyankomeさんが記事を書いていらっしゃいます。

私はこのCDの中では「僕は良く知っている、いいことを」(So ben mi c'ha bon tempo)というヴェッキのカンツォネッタが一番のお気に入りです。非常にエキサイティングな演奏になっています。

追記:上で評価が分かれている、と書きましたが、あらためて聴いてみて、なかなか良いアルバムだと感じています。上でも書いたように一流の演奏家たちと楽しく作っているアルバムではないでしょうか?何よりもそれぞれの曲に対する愛情が溢れていますし、米良さんの声も聴いてみると不調を感じさせないどころか、それぞれの曲の世界を素晴らしく表現しています。クラシックを聴かない人にもお勧めできる素敵なアルバムです!!

 

 


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コメント 11

サンラブ

こんにちは
米良さんってかなりの枚数のCDお出しになってるんですね。
そして全て原語で歌われるなんて凄いです。
かなりのお勉強家なのでしょうね。しっかりと語学を勉強されないと歌を解釈して歌えないと思いますもの。
勉強になりました。
by サンラブ (2006-09-12 14:00) 

Cecilia

サンラブさん、nice&コメントありがとうございます!
本当に米良さんは勉強家だと思いますが、それ以上に本当に音楽がお好きなのでしょうね。
子供のピアノレッスン(主に音楽的環境)について考える時、米良さんのことを良く考えます。
米良さんはクラシックには縁のないおうちで育って、高校生の頃までアイドルになりたいと考えていらっしゃったそうです。(松田聖子のファンだったというのは有名な話。)
そういう人がいきなり古楽とかの方向には行かないと思うのですが、珍しいケースですよね。
普通はせいぜいイタリア語・ドイツ語止まりだと思うのですが。
このCDには出てきませんが、フランス語も本当に素敵なんですよ~!
サティの「ジュ・トゥ・ブ(お前が欲しい)」なんてぐっときますよ~!
by Cecilia (2006-09-12 14:39) 

nyankome

「アリラン」のリュート伴奏ですか、ビックリです。
金子浩さんのCD持っています。確か『ハートランド』というタイトルで、ビートルズなどリュートのオリジナルでない曲が多く入っていたように思います。
黒田亜樹さんのピアソラを演奏したCDも持っています。
by nyankome (2006-09-12 19:53) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
リュート伴奏、アリランに非常に合っています。nyankomeさんと交流させていただくようになり、リュートがますます気になる楽器になりましたが、このCDを購入した頃は特に気にかけていなかったので(古楽なら気にするのですが・・・)、ずっと韓国の民族楽器だと思い込んでいました。静かなアリラン・・・という感じでしみじみと聴くことができます。
又、「僕は良く知っている、いいことを」・・・ですが、イタリア後期ルネサンスの作曲家O.ヴェッキ(1550~1605)のカンツォネッタで、nyankomeさんにもお聞かせしたい素敵な曲です。
この中でチェンバロを担当なさっている加久間さんがブログ(so-net)をはじめられ、昨日コメントさせていただきました。はじめは全く知らない奏者の方かな?と思ったのですが、この記事を書いていて気がつきました。お師匠様が関わっていらっしゃるAVAVTIの会員の方でこのアンサンブルの方々は確か皆さん会員でしょう。
by Cecilia (2006-09-13 08:14) 

Cecilia

みどさん、niceありがとうございます!
みどさんは「すべての人の心に花を」を歌われますか?
「僕は良く知っている、いいことを」・・・とても素敵ですよ。(古楽アンサンブルで歌いたいものですが。)
by Cecilia (2006-09-13 08:20) 

かあか

それぞれの言語の命!それですっ!それが一番大切!
米良さんは復活されてからもそうですけど、その前から言葉、詩を大切に歌っておられる素敵な歌い手であります。
Ceciliaさん,この紹介文は米良さんに読んでもらいたいぐらいの素晴らしい解説です!
by かあか (2006-09-13 09:41) 

ピアノフォルテ

ほんとにいくつもの種類の歌を歌われる方ですね。
昨年の秋だったかしら、目の前で拝見させていただいた米良さんの歌うお姿を思い出しました。
すごいオーラが出ていたのを覚えています。
by ピアノフォルテ (2006-09-13 19:33) 

Cecilia

かあかさん、nice&コメントありがとうございます!
昨日はもっとリキを入れて書いたのに、全部一瞬のうちに消えてしまい、ガ~~~ン!!でした。
米良さんの良さをもっと多くの人に知ってもらいたいのですが、適切な言葉が浮かびません。
メールありがとうございます!
又時々メールさせてくださいね。
by Cecilia (2006-09-14 08:10) 

Cecilia

ピアノフォルテさん、nice&コメントありがとうございます!
米良さんにも好調の時と不調の時がありますが、「歌の心」があること(発音も含め)、ツボを心得た歌いまわし・・・などで、何を聴いても心に響くのですね。
12月に近くでコンサートがあるので楽しみです~♪
by Cecilia (2006-09-14 08:25) 

imari♪

すみません。
米良さんと聞くとどうしても、「もののけ姫」のイメージが大きくて。
以前、NKHのお昼の番組で三輪さんの「ヨイトマケの歌」を歌っていたのを聞いたことがあります。
米良さんはいろんなことに挑戦されるのですね。
リリウオカラニの話とアロハオエの歌の由来は、TBSの「世界不思議発見」でやっていました。(こうやって書いているとつくづく自分はテレビっ子だなと思ってしまう)
by imari♪ (2006-09-15 00:48) 

Cecilia

伊万里さん、nice&コメントありがとうございます!
ほとんどの方には「もののけ姫」のイメージですよね。
良くも悪くも「もののけ姫」の影響が大きかったと思います。
最近では「ヨイトマケの唄」がかなり評価され、今度はそちらのイメージになると思いますが、他にも地道にいろいろなことをされていて、そういうところも知っていただきたいなあ・・・という思いなのです。
これから又記事を書きますが、J-ポップ風のCDも出しているのです。
これもはじめは「え~?」という感じでしたが、聴けば聴くほど好きになります。
ファンだからかもしれませんが、これは娘達にもお気に入りです。
「世界不思議発見」好きな番組です。
by Cecilia (2006-09-15 11:09) 

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