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岡本知高のリサイタル [声楽]

岡本知高のリサイタルに行ってきました。

            ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

                    ♪プログラム♪

勝利だ、私の心よ!(G.G.カリッシミ)
オペラ『ロミオとジュリエット』より「私は夢に生きたい」(Ch.グノー)
日本の叙情歌メドレー
  (早春賦~朧月夜~里の秋~紅葉)
映画『天空の城ラピュタ』より「君をのせて」(作詞:宮崎駿/作曲:久石譲)
空へ(作詞:ハシケン/作曲:松本俊明/編曲:野見佑ニ)
ミュージカル「CATS」より『メモリー』(A.L.ウェッバー)

                       ~休憩~

(プログラムには書いてありませんでしたが、伴奏者がピアノソロで「幻想曲さくら」(?)という曲を
聴かせてくれました。)

さくら(作詞:森山直太郎・御徒町凧/作曲:森山直太郎/編曲:岡島礼)
さびしいカシの木(作詞:やなせたかし/作曲:木下牧子)
ロマンチストの豚(作詞:やなせたかし/作曲:木下牧子)
愛燦燦(作詞・作曲:小椋桂/編曲:信長貴富)
オペラ『ファウスト』より「宝石の歌」(Ch.グノー)
オペラ『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」(G.プッチーニ)
オペラ『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」(G.プッチーニ)

♪アンコール♪
Ave Maria(カッチーニ)
         ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
どうも米良様と比較していたため、それほど積極的に行きたいとは思っていませんでした。
最近、CDショップのカウンターテナーコーナーはソプラニスタのこの岡本さんのCDばかり。
米良様がもてはやされていた時期もあったのに・・・!
世の中、情が薄すぎますよ!!
・・・というわけで、少し嫉妬心もあったのです。
i tunesに岡本さんの「Lascia ch'io pianga(私を泣かせてください)」(←『薔薇と牡丹』のテーマソングだったそうです。)を入れていましたが、米良様の繊細な歌と違って、上手だけど音がぶれているように思っていましたし、「高けりゃいいというわけではないわよ!」(米良様より、ずっと高い声が出るのです。)と思っていました。

本当に、一般人は珍しいものにすぐに飛びつきます。
米良様がデビューしたばかりの頃も「女のように高い声」という部分だけで皆がもてはやしていたと思います。
そしてちょっと不調が続くと、「もうおしまい」と見捨てるのです!!
使い捨て文化ですね!!
私は米良様を見捨てたりしません。
調子が良い時も悪い時もあなた様のファンです!!
高いお声も素敵ですが、「詩」の世界に浸らせてくれるその音楽性、癒されるような声の響きに惹かれます!!

・・・岡本さんのことに戻ります。
米良様とは全く異質の存在です!!
一言で言うと「体育会系」!!
米良様は大変小さい方なのですが、岡本さんは大きい!
体力が漲っているらしく、全身を使わなくても強靭でドラマチックな高音を出すことが出来ます。
女性のソプラノも真っ青な高さです。
しかし、「おかまっぽさ」は感じさせません。
むしろ「マッチョな男性」と感じました。
この方は、やはりオペラのドラマチックなアリアで本領を発揮できると思いました。
ですから、日本歌曲などは私のまわりの人々には不評でした。
私も感じました。
彼の出す輝かしい高音に気をとられ、「詩」の世界に浸ることができないのです。
これは他のソプラノ歌手の演奏でも感じます。
「高い音が出せる」「マイクなしでも大きい声で歌える」・・・そういうことを第一義に考える人はまだ多いようです。
岡本さんがそうだとはいいませんが、そういうことで歌手の値打ちは決まりません。
私も声楽を始めたばかりの頃はそう思っていました。
それが出来る、というのは大変素晴らしいことなのですが、「詩」があっての歌ではないでしょうか?

しかし、期待していなかったのですが岡本さんの演奏は楽しかったです!
存分に楽しませていただき、新年を明るい気持ちにさせていただきました。
「歌」が心底お好きなのだと感じました。
「その日の自分のコンディション、お客様の雰囲気などで演奏が変わる・・・その時しかない演奏を楽しんでください。」というようなことをおっしゃっていました。

三着のゴージャスな衣装も楽しめました。(大きい体がより大きく見える!!)

パリに留学していただけあってグノーは素敵でした。
それに、やはりしっかり勉強されている方、と感じることが出来たのは収穫でした。

旅立ちの日に(初回)

旅立ちの日に(初回)

  • アーティスト: 岡本知高, 坂本浩美, 岡島礼, 松井孝夫, 久石譲, 村松崇継, 普久原恒勇, 早川史郎, 木下牧子, ゆりがおか児童合唱団, たなかひろかず
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2005/11/16
  • メディア: CD


ソプラニスタ

ソプラニスタ

  • アーティスト: 岡本知高, 河原忠之, ヘンデル, モーツァルト, ロッシーニ, フランク, グノー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2003/11/26
  • メディア: CD


このCDの衣装でしたね!!

※ピアノ伴奏(榎本潤さん)の演奏が素晴らしかったです!!


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みど

体の大きい人ってほんとすごいですよね。
みども前についていた先生が大きい人でぜんぜん体の使い方がちがくて大変でした。
その先生の時代は声がよければいいって時代だったのですが。。。。
今は声が良くてもダメですよね。 岡本さんの声、聴いてみたくなりました。
by みど (2006-01-10 15:29) 

nonkumi

初めまして。ブログ初心者マークです。
いろいろたどって、こちらにたどり着きました。
岡本さんの声、私の好みではありません。珍しさはわかります。でも何故か聴いているとイライラしてくるのです。おっしゃっているように日本歌曲だからかもしれませんが・・・。イタリア歌曲もあまり・・・。オペラの舞台でも生で拝見すれば魅力がわかるのかもしれませんね。米良さんの方が断然繊細です。でも、カウンターテナーとソプラニータを比較してはいけないのかもしれない・・・と思ったりもしています。
ソプラノでなかなかこれ!と思う声に出会いません。それほど聴いているわけではないから一概には言えませんけど・・。
キャスリーンバトルもいいけど、最近良いと思ったのは森麻季さんです。
ヴォーカル・アンサンブル・カペラの花井尚美さんのヴィブラートを極力抑えた歌い方も好きです。
ceciliaさんのブログを拝見したおかげで、久々に以前買ってしばらく聴いてなかったCDを引っ張り出して聴きました。声楽もいいですね。
私自身は合唱をずっとやってきている人間なので、一人で歌うのは苦手です。
オペラ座の怪人は映画を観てはまりました。ミュージカルもいつか観たいと思っています。
またお邪魔させていただきますね。
by nonkumi (2006-01-10 15:54) 

Cecilia

みどさん、コメントありがとうございます!
私もバスの先生についていたころは「大きい声」を要求されました。
メゾの先生(どちらかというとリート専門)はその逆でしたね。
いろいろあるのでしょうけれど、「詩」に向かわせる「音楽」であり、そのためにテクニックがあるのだと考えています。
by Cecilia (2006-01-10 17:13) 

Cecilia

nomusanさん、nice&コメントありがとうございます!
はじめまして。
さきほど、少しそちらのブログを拝見しました。
お箏もされているのですね。
私は高校で教えていた頃、筝曲部の顧問もしたことがあり、生徒と一緒に合奏もしました。
森麻季さん、ニューイヤーコンサートで初めて聴きましたが、良かったです。
CDをそのうち買おうかと思っています。
米良様も、調子が悪かった時期が長く、心配でしたが、復活されて安心しました。彼の日本人としてのアイデンティティーを大切にした歌へのかかわり方に共感しています。
これからもよろしくお願いいたします。
by Cecilia (2006-01-10 17:19) 

トスカ

いわゆる教会用に特別にあつらえた歌手やカウンターテナーしか知りませんでした。普通に男なのにソプラノの音が出せる人がいたんですね。もしあの音域で大音量が出せれば、金管楽器のような感じでしょうね。勉強になりました。ありがとうございます。
by トスカ (2006-01-10 19:58) 

Cecilia

トスカさん、nice&コメントありがとうございます!
岡本さんはファルセットでなく出せるそうなのですが・・・。(信じられないです!)
会話の声も高かったですが、あとで、姉夫婦が駅前で遭遇。
その時は男性の声だった、と言っていましたが・・・。
姉がサインをいただいたそうです。(岡本さんを「伊藤さん」と呼びかけ、失礼したくせに・・・。)
by Cecilia (2006-01-10 21:52) 

nonkumi

高校で教えておられたんですね。私は中学校です。昨年秋、県の中学校文化連盟総合文化祭があり、選択音楽のメンバー全員で箏曲合奏いたしました。元々洋楽畑の人間ですので、私のやる邦楽は和洋折衷です。私の中ではピアノも箏も同じ楽器なんです。ピアノの活動は主にコーラスの伴奏を引き受けてやっています。大学時代以来、ずっと伴奏やってる気がします。伴奏大好き!
これからもどうぞよろしく!
by nonkumi (2006-01-10 23:00) 

Cecilia

nomusanさん、何度もありがとうございます!
現役で教えていらっしゃるのですか?
私が弾いた筝はドレミで弾くことが出来る改良筝でした。
もはや邦楽も洋楽もないのでは・・・という気がします。
米良さんももともと邦楽(詩吟、民謡)でしたし、東儀秀樹さんも素敵ですよね。
伴奏は奥が深いと思います。
by Cecilia (2006-01-11 00:09) 

prelude

マッチョ系の岡本高知さん、迫力ありそうですね~。
オペラや岡本さんについてはあまり知らないのですが、
アコースティックの唄をよく聴きに行っています。
高音の迫力も、聴いていて爽快感がありますが、
言葉を一つ一つ紡いでいくような唄(唄い方)の方が好きです。
ジャンルは関係なく、そこに思いが乗っかっているかどうか、
その思いがこちらが側に伝わってきた時の感動は同じなのかな~と
思いました。
by prelude (2006-01-11 00:49) 

Cecilia

elleさんnice&コメントありがとうございます!
本当に岡本さん楽しかったんですよ~!!
期待していませんでしたが、見直しました。
「言葉を紡いでいくような唄い方」・・・素敵な表現ですね。
なかなかそれを感じさせてくれる歌い手に出会うことができません。(私にとって、それが出来る人の代表が米良様なのです。)
思いを伝えるという当たり前のこと、実は大変難しいことなのでしょうね。
by Cecilia (2006-01-11 01:04) 

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