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『花の詩史』から・・・「椿姫」と「ラ・ボエーム」に関連して [読書]

『花の詩史』の続きです。

もう本当にいろいろなことが載っている本なのですが、オペラに登場する花・・・といえば「椿姫」の椿(カメリア)ですよね。
アレクサンドル・デュマ・フィスがこの小説を発表したのが1848年。初演が1852年。ヴェルディのオペラの初演は1853年です。
17世紀末にイエズス会宣教師ゲオルグ・カメル(学名の由来)が中国からヨーロッパに種を送らせて栽培したのが、19世紀に椿の温室栽培が流行したはじまりなのだそうです。
「椿姫」の頃は、ちょうど椿の栽培ブームが最高潮に達していたようですね。
以前も「椿姫」の思い出をブログに書いたことがあるのですが(9月頃だったでしょうか?)、椿の花束など見かけることがないので、この花を身につけて舞踏会や観劇に行く、というのが子供の頃から不思議でたまりませんでした。
女主人公マルグリットは香りのある花だと咳が出る過敏症の女性で、そのためいつも椿を身に飾っていた。椿には香りがないからである。
(以下青字は引用文です。)
このような記述が原作にあったか全く記憶がありません。オペラでは椿がどうこうとか言う場面は全く出てきませんね。
一月のうち25日は白椿、残りの5日は紅椿(「椿姫」としてではなく、一人の女性として暮らす日)というのは覚えています。

又この時代は造花が流行した時代だったそうで、ピエール・ジラーレによれば、第二帝政期にお針子や女子工員の数が急激にふえ、特に造花ブームによって6000人の女子従業員がこの製造に従事したということである。

この本には書かれてないのですが、「お針子」「造花」…と言えば、「ラ・ボエーム」のお針子ミミ!!
「私の名前はミミ」というアリアの中で、ミミが花の刺繍をしたり(造花も作っている?)して生計を立てていることがわかります。
日の差さない貧しいアパートの寒い屋根裏部屋で、薔薇や百合の刺繍をしながら心の中に「詩」を感じているミミ。確か彼女も椿姫マルグリットと同じく肺病でしたよね?貧乏詩人ロドルフォと同棲するものの、病気は悪化する一方。彼女を思うロドルフォは別れようとして(金持ちの愛人になるほうが彼女のため・・・と。)、友人のマルチェルロに話している場面で確か「彼女は温室の花だ。」と言っていたと思います。
造花ブームとの関係は知りませんが、「ラ・ボエーム」の時代設定は1830年頃のパリらしいので、
ミミも当時急激に増えたお針子の一人だったのかもしれません。





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コメント 3

Cecilia

みどさん、niceありがとうございます!
椿姫は歌えそうにないですが、ミミのアリアはもっと極めたいです。
by Cecilia (2006-04-13 08:47) 

Cecilia

krauseさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2013-01-01 07:39) 

Cecilia

伊閣蝶さん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2013-03-14 18:13) 

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