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二つの「シンデレラ」 [読書]

今日は私が挿絵&訳にこだわって選んだ「お姫様モノ」絵本の第二弾として「シンデレラ」です。

私はどうもディズニーのお姫様モノが苦手です。(ファンの方すみません。オールドミッキーとかは好きなのですが・・・。)

「シンデレラ」も昔、おばが買ってくれたディズニーのレコードで覚えるほど聴いていたのですが。(シンデレラの声は倍賞千恵子だったと思います。)

福音館書店からマーシャ・ブラウンの挿絵で出ていることは前から知っていたのですが、これも「おやゆびちーちゃん」同様絶版になっていて、代わりにミキハウスから出ていたものを購入したのです。

ミキハウスのものは東逸子さんの幻想的で美しい挿絵でした。

東さんのことは昔、「詩とメルヘン」という雑誌を愛読していた頃に知りました。

はまっていた頃、ちょうどサンリオ制作の映画「妖精フローレンス」が公開され、観に行きましたが、この原画は東さんのです。アニメだったので、幻想的な雰囲気はイマイチでしたけれど。

何年かたって、マーシャ・ブラウンの挿絵のほうも限定復刊されましたので、こちらも購入できた・・・というわけです。

マーシャ・ブラウン・・・といえば「さんびきのやぎのがらがらどん」(福音館書店)の挿絵で有名です。

絵自体が好み・・・というわけではないのですが、挿絵の持つ力を感じるのはマーシャ・ブラウンのほうです。

シンデレラ―小さなガラスの靴

シンデレラ―小さなガラスの靴

  • 作者: シャルル ペロー, 東 逸子, 天沢 退二郎, Charles Perrault
  • 出版社/メーカー: 三起商行
  • 発売日: 2000
  • メディア: -

シンデレラ―ちいさいガラスのくつのはなし

シンデレラ―ちいさいガラスのくつのはなし

  • 作者: マーシャ・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1969/06
  • メディア: 単行本

両者を比較してみます。

表紙です。(左が東逸子さん、右がマーシャ・ブラウン)

 

同じ場面ではありませんが、惨めな暮らしをしているシンデレラの姿です。

 

「代母様」の魔法の力で舞踏会へ行くところです。

 

 ガラスの靴を落とすところです。(東さんのほうは、だんだん魔法が解けていくところを描いていますが、子供にわかるのでしょうか?)

 

 シンデレラの足に靴がぴったり合いました。

 

 代母さまが現れ、シンデレラは美しく装わされます。

 

結婚式の場面です。

 

 

絵本に造詣が深い方々が押すのはきっとマーシャ・ブラウンのほうでしょうし、私も挿絵としてはそちらのほうがいいかな・・・と思います。

でも東さんのほうも好きです。

これがありました!

    ↓

Cinderella or the Little Glass Slipper

Cinderella or the Little Glass Slipper

  • 作者: Charles Perrault
  • 出版社/メーカー: Aladdin Paperbacks
  • 発売日: 1997/04/01
  • メディア: ペーパーバック

 

 

 

 

ところで、これは両方ともペローの「シンデレラ」なのですよね。

グリムの「シンデレラ」はかなり結末が違います。

 

 


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コメント 8

nyankome

東さんの絵、綺麗ですね。
マーシャ・ブラウンのは乙女チックです。
東さんのは大人向け、マーシャ・ブラウンのは子ども向けのような感じを受けるのですが、両方ともCeciliaさんがご自身のために買われた本なのですよね。
by nyankome (2006-11-13 19:52) 

トスカ

さらりと優雅にグリムのことを書かれていますが、
グリムのシンデレラの絵本ってご存知ありませんか?
楳図かずお(漂流教室などの作者)あたりに書いてもらいたい。
by トスカ (2006-11-13 21:06) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
マーシャ・ブラウン・・・この絵は乙女チックですが、「さんびきのやぎのがらがらどん」は力強いタッチの絵です。(この絵本は幼稚園などでよく読まれる定番の絵本です。)おっしゃるとおり、東さんの絵は美しいのですが、「大人向きの挿絵」と感じます。(結構挿絵を描かれているようなので、挿絵画家としても有名みたいです。)二冊とも、自分のために買ったようなものですが、娘達に読ませたくて買いました。(すべての絵本は自分と子供のためです。)
大人も満足できる絵本を子供に読ませたい・・・と考えて与えてきました。
マーシャ・ブラウンはこの絵本でコールデコット(カルデコット)賞を受賞しているようです。
by Cecilia (2006-11-14 08:24) 

Cecilia

トスカさん、nice&コメントありがとうございます!
グリムの「シンデレラ」の絵本・・・ちょっとわかりません。
やはり子供向きの絵本ではペローが主流みたいですね。
うちにある本では白水社の「初版・グリム童話」というのがありますが。
楳図かずお・・・怖いですよ~!
でも子供達が屠殺ごっこをする話など、怖いですよね~。
by Cecilia (2006-11-14 08:32) 

みど

シンデレラ。。。。さんざんいろいろ調べましたよ。。。。
これ、でもほんと怖ーーーーいお話なんですよねーーーーーー。。。。。。
by みど (2006-11-14 21:03) 

Cecilia

みどさん、nice&コメントありがとうございます!
そうですよね~!みどさんはシンデレラやっていらっしゃるのですものね!
みどさんがお得意なマスネの「サンドリヨン」は妖精が何人か出てくるようですが、内容的にはどうなのでしょうか?
ロッシーニの「チェネレントラ」・・・全く別物!という感じがしますよね。

ペローのは怖くないですが、グリムのは怖~いですよね!!
by Cecilia (2006-11-15 09:38) 

violin2006

こぼれ話をひとつ。
ベルギーにいたとき、フランス語の先生に、シンデレラの話をしたときの話。
彼女はディズニーのシンデレラは知りませんでした。
そのかわり、原作らしき話をおしえてくれました。シンデレラが舞踏会に履いていったのは、硝子の靴ではなく、銀ネズミの靴だとか。銀ネズミというフランス語の単語はヴェールと発音し、硝子と同音異義語なのです。
でも、銀ネズミなんてイメージも良くないし、そもそもそんなネズミの存在すらもう誰も知る人がいない。
美しき誤解、すり替えによってシンデレラは世界的な童話に、、、、。
という、話です。
by violin2006 (2006-11-17 01:23) 

Cecilia

violin2006さん、nice&コメントありがとうございます!
そのお話ははじめて知りました。
グリムでは金の靴なのですが、銀ねずみ・・・それも可愛らしい感じがしますね。
ディズニーのシンデレラはグリムの世界ともペローの世界とも全く違いますね。
個人的にあのアメリカンなシンデレラが好きではないのです。
以前ブログを書き始めたばかりの頃、ディズニーの白雪姫のことを書きましたが、グリムではきちんと暮らしているはずの小人達が、アニメではだらしのない小人達に変えられていて、白雪姫も非常におせっかいな人に変わっています。
全く別物ですね。しかも魔女は雷に打たれて死ぬし!グリムでは白雪姫と王子のパーティーで焼けた鉄の靴をはかされて死ぬまで踊らされるのですよね。

violin2006さんはフランス語がおできになるのですね!
私もフランス歌曲を楽しむためにもマスターしたいのですが・・・。
by Cecilia (2006-11-17 08:30) 

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