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青少年ネガティブキャンペーン

不登校やひきこもり、ニートには暗くて不気味なイメージがあります。

そうではない・・・というわけではないのですが、たいていの場合実態を知らないで作り上げられたイメージだけでそう思われているところがあります。

これが内藤朝雄さんがおっしゃるところの”青少年ネガティブキャンペーン”なのでしょう。

内藤さんの「いじめ学の時代」について以前興味があるという記事を書きましたが、ちょっと前に購入して熟読しました。

「大衆が思う存分不安を投影できるよう、時には恐ろしい怪物として、別の場合は情けないデクノボウとして、都合良く輪郭付けされているのです。」・・・というのが内藤さんによる”青少年ネガティブキャンペーン”の定義です。


長女が不登校になった時、実家の母や姉にはすぐに相談できませんでした。
心配させたくない、というのと、下手に電話をしたら子供に聞かれる心配があったためです。
もちろん自分たちだけで抱え込む気はなかったので、いろいろ手は打っていました。

初期の頃は確かにいろいろ心配にならざるを得ない状況がありました。
そのような話をほぼ私の母にしたことで、予想通り心配はされましたが、基本的に孫である長女が可愛いので、世間体よりも何よりも長女が元気でいることを望んでくれたことは、昔の母の姿からは想像もできない変化でした。(私の母は常に”一番”を望むような母でした。)

しかし・・・それでも、「自殺をするのではないか?」とか「他人に何か危害を加えるのではないか?」、「親である私を殺すのではないか?」と不安だったようで、そういうことを言ってくることが多かったです。

このような不安は私もないわけではありませんでした。

見ていると、こういう攻撃性が私を含め”他”に向かうよりも自分自身に向けられるのでは・・・という感じでした。

それほど危うい状況というのがあったわけです。

こういう不安は実際に不登校になるよりもかなり前からあったことで、マイペースな(悪く言えばだらだらした)生活をするようになってからかなりよくなり元気になりました。

・・・ということで実際に不登校・ひきこもり・ニートをしている人よりも、辛いのに無理して登校したりしている人のほうがいろいろな意味で心配な状況であるはずだ・・・という確信があります。


あとこれらの人々の多くはゲーム・漫画・アニメ・ホラー・・・などにはまる傾向があり、それらにはまると怖い・・・と思われているところがありますよね!

実際、私は漫画・アニメーション部の顧問を二年ほどしましたが、実は二年目は他の部の顧問もしなければならなくなり、二つの掛け持ちはしたくなかったのですが、私が顧問をしなければ他になり手がいない・・・ということでしたし、廃部にする方向だということでした。
それはなぜかというとオタクが危険だと思われていたからです。
生徒がかわいそうなので、名ばかりの顧問は続けましたが・・・。

これらは娘達もはまっているので、複雑な気持ちになることがしばしばです。

まずゲームですが、今はもう野放し状態ですが、一年半前までは、まったくさせません・・・という家庭でした。
ゲーム機はその数年前からありましたが、たまにしかさせないし、それで充分でした。
もちろんほのぼのとした内容のゲームしかありませんでした。
よく言われているように現実と仮想空間の区別がつかなくなるのでは・・・という心配、暴力的な性格になるのでは・・・という心配があったのです。
これだけゲームにはまっていてもそういうことはないですね。
認めるわけではないですが、一種の癒しになっていることは事実です。

漫画・・・これは自分も好きなので禁止はできませんでした。(笑)
はまり始めた最初の頃は「娘物語」(モー娘の漫画)とか「金色のガッシュベル」のような学校で流行っているものでした。
引っ越した頃よく読んでいたのが「満月(フルムーン)を探して」で”死神”が出てきました。(何度も「読んでみて!」って言われました。共感して欲しかったのでしょうね。)
「フルーツ・バスケット」・・・これは私もほとんど読んでないのですが、娘達が読むきっかけは私の姉が「”フルバ”って知っている?」と聞いてきたことです。これにゴスロリの人が出てくるので、ここら辺から趣味が定まっていった気がします。
その後はジャンプに連載されているものが多く、長いこと少年漫画中心に読んでいますね。
少女漫画はほとんど読んでないと思います。
新古書店で安く買えてしまうということもあって、すごい勢いで漫画が増えました。
読まなくなって売りに行って、又買う・・・というパターンも続いています。(悔しいことに私が読むような真面目な本はただ同然なのに、あの子達の漫画は高く買い取られるのですね!)
新古書店にさえ行かなければこういうこともなかったのかもしれませんが、これも引越しがきっかけです。
・・・で最近読んだものにはかなり話題になったホラー漫画「ひぐらしの鳴くころ」というのがあって、ある事件がこの漫画の影響であるとか言われていましたね。
まあ心配はあったのですが、読んでみたらそれほどでもないと思いました。(「洗礼」のほうがよっぽどすごい!)
一時「絶望」という言葉をよく使っていたのでとても心配していたら「絶望先生」という漫画にはまっていたせいでした。(笑)
そうそう・・・「ローゼン・メイデン」という漫画、私はちょっといやらしい漫画を想像していたのですが、全く違っていましたね。(ひきこもり不登校の男の子が出てきますね。)

アニメも漫画と同じような感じですね。
ただ次女はホラーが嫌いなので、二人で見るものは「ケロロ軍曹」とか「トムとジェリー」みたいなものですね。

ホラーといえば、「ホラー小説が読みたい。」と言われて躊躇したことがあります。
結局買わなかったのですが、「着信アリ」を読みたいと言われたのですね。(今ならその手のものに興味を示しません。)
私自身もホラーなんか読むと人格形成上よくないのではないのだろうかと思っていたのです。
ただ同じ時期に私は柳美里の「8月の果て」を読んでいて、これにもかなり残酷な場面、なまなましい場面が出てくるので、(この作家に批判的な人も多いだろう・・・というのは置いておいて・・・)、純文学でもホラー的な作品はたくさんあるし、純文学ならよくてそうでなければよくない・・・というのも変な話しだし・・・と考えたのでした。
実際中1の時に長女は「8月の果て」を学校に持って行って、朝読書で(!)読んでいましたが、クラスメイトからは「変な人」と思われたようですし、あまりにも残酷で生々しい表現にショックを受けたそうです。
ただ、長女は文学を見る目があると私は思っているのですが、作家が単に言葉を弄んで作っているのか、血を吐くような思いで作っているのか・・・そういうことを見分ける目がちゃんと育っているのですね。
文学の話をすると本当に面白いですよ。
ちなみに中学生に人気があるケータイ小説には批判的です。
良い作品を見分ける目は大人が制限したりするのではなく、実際にいろいろ読んでこそ育つものなのですね。

そうそう、心配だったのは「バトル・ロワイヤル」です。
我が家で15Rを敢えて見せることはなかったのですが、そうでなくても性的な場面が出てくるものはたくさん見ていましたね~。(お母さんはこんなものばかり見て・・・と言われました。)
「バト・ロワ」・・・私は映画も本も読んでいません。
本当はきちんと作品に触れて批判をしたかったのですが、どうも気が向かなくて・・・。
これはブログで交流ある方でも、お子さんには見せません、とおっしゃっていたと思います。
ただ、参ったのは映画を見るのを禁止しても(ビデオを借りなくても)、本を買ってしまったらおしまいだ・・・ということです。
家に本があるのはわかりましたが、実際に買う前に、中1の時の担任に借りて読んでいたようですし(!)、何と中学の図書室にもあるのだそうです!
長女は「中学校の図書室は大した本がなくてつまらない。」と言っていますし、「あそこにある本は本当に選ばれているのか疑問だ。」と言っています。
要するに不用になった本が置かれている空間・・・みたいな感じらしいですね。
それはそれでよいのかもしれませんが・・・。
そういえば図書室で安野光雅さんの「きつねのざんげ」に感動して手書きで写してきて「読んで!」と言ってきたこともありましたね~。

ホラー映画に関しては、長女は古典的なものが好きらしいです。(「エクソシスト」とか「チャッキー」とか)
一度「親指さがし」を一緒に見ましたが、「救いがない」という意見で一致しました。
そうそう・・・米良さんが歌っているので「死国」は一緒に見ました。(笑)


長女も「私が事件でも起こしたら、(ああ、やっぱりね~!)って思われるんだろうね!」と言っています。
それに対して私は「そうだね~、お母さんも元教師だし・・・。」と言いました。
騒がれる材料は揃いすぎていると思います。(笑)



















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euridice

>青少年ネガティブキャンペーン
似たような主張を別の本で読みました。年長者の既得権保持という目的が根底にある・・というような意見です。今までは若い時に苦労しても(あるいは、すれば)年を重ねるうちに良くなる、楽になる可能性に期待できる社会だったから、若者バッシングも弊害は小さかったかもしれないけど、これからは違う。世代格差として固定されかねないのだから、若者の権利を守る政策が必要だというような主張でした。

それにしても、多くの人々が、知らず知らずのうちに各種
>ネガティブキャンペーン
に影響されていると思います。
by euridice (2008-03-25 10:39) 

Cecilia

euridiceさん、コメントありがとうございます!
年金に象徴されるような社会保障制度の破綻(この言い方が正しいのかどうかよくわかりませんが)がすべての原因のようにも思えます。
euridiceさんのコメントの”年長者の既得権保持”と関連しますよね?
少子高齢化問題で子供を産まない・産めない人が肩身が狭い思いをしなければならないのも、”3号”に当たる私たち会社員の妻である専業主婦が肩身の狭い思いをしなければならないのも・・・すべては年金問題が、言ってみれば国民の老後の不安があるからですよね。
不登校・フリーター・ニートが増えて困るのは国なので、何とかして阻止したいのかもしれません。
確かに自分自身も老後の不安はあるので、わからないでもないですが・・・。

by Cecilia (2008-03-25 12:33) 

Cecilia

yumaさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2008-03-25 12:34) 

トスカ

はるか昔は純文学を愛する学生が、同じように思われていたのですよ。
文学なんかにうつつをぬかしていないで、ちゃんと勉強をしろと。
そういう目で、梶井基次郎の「檸檬」を読むと面白いですよ。主人公の設定とかが今の若者に通じるところがあります。
by トスカ (2008-03-25 20:38) 

nyankome

>青少年ネガティブキャンペーン
コメントは差し控えさせて頂きますが、「なるほどね。」と読ませて頂きました。

>良い作品を見分ける目は大人が制限したりするのではなく、実際にいろいろ読んでこそ育つものなのですね。
ご心配な点はよくわかりますが、我々の経験からすると、その通りですね。
by nyankome (2008-03-25 23:48) 

るか

またまた私的な長文になってしまったので、
コメントを消してしまいました。
ネガティブキャンペーンのことは知りませんでしたが
世間が、情報・マスコミに操作されてるなぁ~とは思います。

何でも「物が悪い」「社会が悪い」と決め付ける風潮が嫌です。
それを受け取る「人」の成熟度に問題があることなのに。
興味を持つ、読んだり見たりして自分で判断する。
ある年になったら、それが出来ると思うんですけど・・。
長男が、駅での殺傷事件をテレビでみて
「ああ~また“ゲームが”って言われちゃうよー」とボヤいてました。
長男は将来“ゲーム脳”で精神状態がおかしくなるだろうと
小さい頃から心配しましたが、全然フツーの青年になりましたよ。


by るか (2008-03-26 07:47) 

Cecilia

トスカさん、コメントありがとうございます!

>はるか昔は純文学を愛する学生が、同じように思われていたのですよ。

それはご自分のことでしょうか?(笑)
まあ、私の昔の担任も「チャタレイ夫人の恋人」を読んで不良扱いされていたようですが・・・。
今では純文学を読む人は勉強家で真面目だと思われますからね~。
梶井基次郎の「檸檬」は読みたいと思いながら読んでいません。

by Cecilia (2008-03-26 11:06) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
私は名作文学と呼ばれるものばかり読んでいたほうですが、危ない話はたくさんありましたね~。
でもそれらを読んだからといって実際に行動に及ぶわけではないですからね。
でもさすがに長女が自殺関連の本などに興味を持っていたときは心配になりました。(自分も読んだことがあったにも関わらず。)
by Cecilia (2008-03-26 11:11) 

Cecilia

Krauseさん、niceありがとうございます!

by Cecilia (2008-03-26 11:12) 

Cecilia

るかさん、コメントありがとうございます!

>コメントを消してしまいました。

私が何度か見ている間に上のコメントをいただいていましたが、その前のコメントは見ていません。
どんなコメントだったかわかりませんが、消さなくてもよかったのに~。

私もこのブログでいかにも堂々と明るく不登校児の母をしているように書いていますが、これで大丈夫といつも安心しているわけではなく、本当はどうなんだろう、大丈夫かな・・・いや大丈夫・・・この繰り返しです。(苦笑)
やっぱり何かしらの悪影響はあると思っています。(苦笑)
ただ、いくら遠ざけてもどんな手段ででも触れてしまうだろうから、理性を持ってそれらに触れ、何事も健全な批判精神を持って読んだり見たりしてほしい、と思っています。

娘達の”成熟度”は結構信用しています。
文学・アニメ・映画・・・に関してですが、長女はかなり大人な見方ができています。
お笑いに関しても、他人の欠陥をネタに笑うようなものをひどく嫌っていますね。


by Cecilia (2008-03-26 11:22) 

Cecilia

アートフル ドジャーさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2008-03-28 14:40) 

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