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教師と親の指導~本人の自覚(Mちゃん) [ピアノ]

「飛翔」で書いたことに関連しますが、以前住んでいたところで最も身近なところにいたピアノが滅茶苦茶うまいMちゃんという子がいました。

Mちゃんは「飛翔」のAちゃんとは同門です。
Aちゃんがピアノをやめた頃に頭角を現してきて、T先生の一番弟子になりました。
うちの長女の2歳上で今は某県立高校音楽科の3年生。
私は時々PTNAコンペのサイトをチェックしていますが、某所の予選で見事F級に通ったようです。(PTNAというのは住んでいる地域でなくても予選に参加することができ、その地区に応じて地区本選に参加することになります。)
やっぱり頑張っているんだなあ・・・と思うとうれしいですね。

もう今となってはT先生門下と言うより音高の先生の門下・・・と言うほうが良いでしょうね。
もしかしたら他の先生にもついているかもしれないし・・・。
ああ、どこの音大に行くのでしょうか??

Mちゃんの演奏を初めて聴いたのは長女も参加したある演奏会(市内の子供向け。最初はピアノの子しか参加できませんでした。)でした。
その時、長女は小1、Mちゃんは小3、例のAちゃんは小6でした。
Mちゃんは小3でモーツァルトの「キラキラ星変奏曲」を弾きました。
そう言えば前日には当時Mちゃんが習いに行っていた音楽教室での発表会があり、別な曲(ショパンの「小犬のワルツ」だった!)を弾いていたことを思い出しました。
その時は(え~、「小犬のワルツ」か~!)と思って驚きましたが、二年後に長女も同じ小3で弾いたのでした。)
とにかく二日連続なのに別の曲・・・というだけでも大変なことです。
こういう経験は長女にもありましたが、これに比べれば小曲でした。(ただPTNA地区本選の後に発表会・・・だったのできつかったです。)

この時点でMちゃんはまだT門下ではなく、確かにすごかったけれど荒っぽい弾き方でした。
まだまだちょっと「弾ける子」・・・という域だったと思います。

その後Mちゃんをいろいろなピアノ発表会やうちも初めて参加する前年に見に行ったPTNAの予選などで見かけるようになりました。
明らかに別な教室を探している・・・という雰囲気でした。
うちも似たようなものでしたが、もちろん親付きです。

その後小学校のコーラス部の年度末のコンサート(わざわざ地元の小ホールを借り切ってやる大掛かりなコンサートです。学校の体育館ではないのです!)で伴奏ではなくソロでピアノを披露するMちゃんを見かけました。
その時、ピアノの音色が以前とはかなり変わっていることに驚き、お母様と話したところ「先生を変えた。」とのことでした。(以前より音の質が良くなっていました。)
お母様の話では「以前の(音楽教室の)先生はコンクールに難色を示すのでやめた。」とのことでした。

ピアノの先生によっては積極的にピアノコンクールに出すこともありますが、難色を示す先生もいらっしゃいます。
それとコンクールの種類によっては・・・という先生もいらっしゃいます。
うまい子だけに挑戦させる先生もいらっしゃるし、”お勉強”として全員に声をかける先生もいらっしゃいますね。

たぶんこういう感じだと、お母様がコンクールに出したかったのだと思います。

ちょっと話がそれますが、Mちゃんはいろいろなことで力のある子で、それまでも水泳で頑張っていて、記録がよかったのでした。
しばらくは水泳と並行していましたが、ある時期からピアノに絞ったと思います。
そうそう書道もよくできる子でした。
ついでに言うと年の離れた弟さん(現在小4くらいだったかな??)もやはりいろいろなところで名前が出る子で、PTNAも予選で何度か賞を取っています。
噂によると地区の水泳の記録会でお父様がもう一度記録の取り直しを要求したとか・・・??
Mちゃん一家で影が薄かったお父様ですが、やっぱりお父様も気が強いんだな~とあらためて思ったのでした。
お母様はとてもきれいな方で、「ピアノのことは何も知らない。」とおっしゃっていますが、それなりに知識があるようには思いました。
お母様も気が強い(一見そうは見えない。)のだと思います。
まあ、それ以上に本人の自覚(コンクールで賞を取る・・・という)が強いのでしょうね。

そんなわけで小4からT先生門下になったMちゃん、発表会でも地元の子供の演奏会でもコーラス部の伴奏でも・・・とにかく大活躍でした!
うちの長女も小3から同じコーラス部に入ったこともあって、Mちゃんの華麗なる進化を誰よりもよく見てきたと思っています。
小5の地元の演奏会ではショパンの「幻想即興曲」、小6の発表会では「テンペスト」(全楽章)を聴いたと思います。
コーラス部の演奏会では常に十数曲の伴奏をこなし(難しい伴奏が多かった!)、それ以外にソロを弾いていました。
上で書いた小4のときは伴奏を引き受けることはまだしていなくて、その代わりにソロを弾いたらどうかと言われたとかでしたが弾いたのはベートーヴェンの「ト調のメヌエット」だったかな?(ト調の・・・と言うと本格的な感じがしませんね・・・。あまり大掛かりな曲ではなかったのですね。)
次の年からすごい曲を弾いていました。(小5でファリャの「火祭りの踊り」、小6でショパンのいろいろな曲を20分くらい弾いたと思います。他にもピアノで頑張っている子が連弾で弾いたりしましたが、Mちゃんがダントツにうまかったです。
何しろMちゃんが弾いた後はその迫力で会場からため息が聞こえるのですから!うちの長女は「弾いたら?」と言われても絶対にそういうことはしませんでした。←伴奏しかしない子でした。)

そうそう・・・そのコーラス部の演奏会ですが・・・
皆普段の格好なので靴も普通の運動靴なのですね。
一応コーラス部の制服はあるのですが、そのコンサートではほとんどの子がトレーナーなどにパンツ・・・という服装なのです。
ソロを弾く子もそのままの服装でさらっと弾いていましたが、Mちゃんはスカートに着替えて、靴も革のワンストラップシューズに履き替えていました。
その履き替えの時に会場でお母様とやり取りをしているのを見ましたが、やはりお母様が逐一気を配っている様子が見受けられました。
そうして着替えた後にショパンを弾くMちゃん・・・!
もはやMちゃんの小リサイタル・・・と化していたと思います。
コーラス部の先生はT先生ともつながりがあり(T先生のお嬢さんがコーラス部の先生が主宰している別の児童合唱団に入っていた。)、T先生の指導も大きかったと思います。
ついでに言うと前回書いたAちゃんもその児童合唱団に入っていたのでT先生の指導&コーラス部の先生の指導で育っています。(そうそうAちゃんが小6だった頃はそのコーラス部の先生はAちゃんの学校の先生でしたし!もちろんコンクールで伴奏しています!)

そういう子たちが地元で活躍していましたが、うちの長女もあのまま地元にいればそのような路線で頑張っていたかもしれません・・・が、うちのピアノの先生は、あまりピアノで目立たせることを快く思わないタイプだった(もちろん他の先生との関係もあるので)こともあるし、何より”目立とう精神”が乏しい子だったのでダメでしたね~。

”目立とう精神”がないだけでなく、Mちゃんとの決定的な違いがコーラスのコンクールを控えた練習であらわになりました。

Mちゃんは一人で伴奏をしていたわけではなく、コンクールでは課題曲と自由曲は別な子が大抵伴奏をしました。
Mちゃんは常に難しいほうを引き受けていて、メインのピアニストだったと言えます。
Mちゃんが卒業した後、その役回りは下級生に引き継がれ、小5のときは長女に回ってきたとも言えますが、残念ながら転校した上、下の学年にピアノがうまい子があまりいなかったので中学生のMちゃんが伴奏をしたのでした。
コンクール前のMちゃんの伴奏の様子を見たことがあります。
実は先生の練習は声作りが主なので伴奏合わせは本当に直前になってしまうのですね。(うちはそれで苦労しました!)
直前練習も伴奏合わせの時間はあまりなくて、伴奏なしで細かいところを繰り返し繰り返しやるのですが、そんな時、Mちゃんは先生の指示がなくても出だしの音や途中の音を気を利かせて出してくれるのです!
これは歌をやる立場から言うととてもいいです!
Mちゃんはいつも伴奏ばかりなので、歌を歌う立場のことがわからないはずなのにこういうことができる・・・というのは本当にBigな子なのか、それともT先生の指示なのか・・・よくわかりませんが、こういうことは大人でもできないことがありますからね。
暑い体育館で、自分の伴奏の出番がなくても漫然としているのではなく、こういうことができる・・・というのは並大抵ではありません!
うちの長女など、本番直前に「伴奏がちゃんとできてない」・・・といきなり言われて何度か練習に足を運びましたが、伴奏がない時はぼ~っとしていました!(この伴奏の時のことは以前も書きました。)

MちゃんはAちゃんと違ってたぶんリサイタルは開いてないと思いますが、たぶんこのままピアノを続けて大成していくことでしょう。
地元の先生はT先生を嫌っているのでMちゃんにも冷ややかな先生が多いけれど・・・。


関連記事です。

最近ピアノコンクールに関連して大竹道哉さん(サイドバーにリンクさせていただいています。)が興味深いことを書いていらっしゃいます。(この記事以降をご覧ください。)

私もいろいろ思うことがあり、このMちゃんの記事に続けて書くつもりです。
まあMちゃんは回りの盛り上げ方もすごかったけれど、本人のしっかりした自覚があるのでうまくいっているほうではないでしょうか?
練習に関してのご近所の冷ややかな評判も耳にしていますが。
(「気違いじみた練習だ・・・」と。評判を気にしていたら大成はできないでしょうけれど・・・。)











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ことなりままっち

コンクールについては賛否両論ですね。
実は私はしばらく、コンクールに関するトラウマがあって、生徒をコンクールに出したくなかった時期があるんですよ。まぁ、趣味といってまったりと習ってる生徒が多かったので、とてもコンクールに出してもいいかなと思える子はなかなかいないのですが。

コンクールは先生自身も評価される部分があります。私はPTNAを知ったのは仕事を始めてずいぶん経ってからですが、コンペは特にそういう傾向があるんじゃないかなという気がします。
そういうところに巻き込まれたくないなぁという気持ちもちょっと、あります。(なので、うちの生徒はステップには出すけど、コンペはよっぽどのことがないと出さない)

Mちゃんみたいな子はなかなかいないんじゃないかと思いますね。周りがそういう子を叩くような環境だと、だんだんそういう子は水面下にもぐっていっちゃうのではないかと・・・。あと、キャラの問題もあるかも?私も結構実は、子どもの頃叩かれたりしたんですが、なぜか私立受験も、音大受験も、反対はされなかった。不思議ですが、小学校の担任の先生にお会いしたとき、私が音大を出たと言う話をしたら、「ああ、○さん(私の旧姓)はやっぱりそういう進路だったか」とおっしゃってました。「○さんは人と違うから」とも。
あれはなんだったのでしょうか。

by ことなりままっち (2008-07-18 17:48) 

nyankome

凄いコなのですね。
>練習に関してのご近所の冷ややかな評判
「目立つと叩く」という人間の嫌な面を見た思いがします。
真っ直ぐ成長していって欲しいですね。
by nyankome (2008-07-18 21:19) 

Cecilia

ことなりままっちさん、コメントありがとうございます!
私はコンクールに縁がなかったせいか抵抗感は全くありませんでした。
ピアノといい、声楽といい、合唱といい、オーケストラといい・・・。
参加したのは吹奏楽くらい・・・しかも参加することに意義あり・・・みたいな感じでした。
トラウマになる要素が全くなかった・・・というのが私にはよかったかも・・・?
娘達にはトラウマが残ってしまうかもしれませんが・・・。
どちらにしてもMちゃん、Aちゃん、K.Mちゃんのようにお尻を叩いていないのでトラウマになるのかどうかも疑問ですが・・・。
引越し前はお勉強として毎年参加するレヴェルだったと思うのですが(一応「うまい子」と思われるレヴェルではありました。)、こちらでも引き続き参加させてもいいかな・・・という感じで先生探しをしたのです。
PTNA指導者賞を毎年お取りになっている先生のレッスンも見学しましたが、結局ついた先生はPTNAにはあまり前向きではなくピアノ連盟のほうを勧めていらっしゃる様子でした。
よくわかりませんがちょっと地味ですよね。
それとうちのほうではPTNAに出る子が少なく、YPFに出る子が多いと思います。
最初は何のことやらわかりませんでした。

やっぱりPTNAって本来は名前の通り、先生の研鑽のため・・・という考えが大きいと思います。
良い意味で活用できるといいのですけれどね・・・、なかなかそうはいかないのでしょう。
賞なんていいや・・・と思っても、やっぱり欲が出てきますからね。

Mちゃんは叩かれても潰れるような子じゃないと思っています。
そこらへんがすごいですよ。
どこか飄々としたところがあるので、別に偉そうにもしているようにも思えないし、私はMちゃんみたいな子は好きです。
以前何かで夢を語っていましたが「人の心を癒せるピアニストになりたい」という夢を是非ともかなえてほしいです。

うちの子達はステップに出たことがないので、私はちょっと興味があります。
これからコンペというのも無理でしょうけれど、私もステップに参加してみたいかも・・・。

by Cecilia (2008-07-18 22:23) 

Cecilia

nyankomeさん、コメントありがとうございます!
実は近所の評判は親しい知人から聞きました。(その知人と親しい人がMちゃんの近所。)
その人は以前私と同じ社宅だった人で、Mちゃんのお母様とは表面的には仲がよかったと思います。
その方も息子さん達にヴァイオリンを習わせたり、音楽がお好きな方なのですが・・・。
息子さんたちの中学受験にかけた熱意は、Mちゃんのお母様と大差ないはずですが・・・。

いやはや噂は怖いですね!
私も何て言われていることやら・・・。

by Cecilia (2008-07-18 22:35) 

降龍十八掌

音楽も武道も、当然競馬も!男塾のように
狂気を極めなければならんのですね。

女塾があるとしたら、まずピアノが主要科目?でしょうか・・・
by 降龍十八掌 (2008-07-19 16:51) 

Cecilia

降龍十八掌さん、nice&コメントありがとうございます!
男塾・・・読まなければ・・・。(笑)
中途半端よりは狂気を極めるのがよいのかもしれませんね。(笑)
人からどう思われるか気にしていたら何もできない気が・・・。

女塾の主要科目はピアノやバレエ?

by Cecilia (2008-07-20 05:49) 

Cecilia

nyankomeさん、niceを追加してくださってありがとうございます!
by Cecilia (2008-07-20 06:12) 

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