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Chopin Waltzes(アリス=紗良・オット) [音楽鑑賞]

アリス=紗良・オットのショパンを聴いています。
このCDに関してはnyankomeさん門前トラビスさんが書いておられます。


ショパン:ワルツ集

ショパン:ワルツ集

  • アーティスト: アリス=紗良・オット,ショパン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2009/10/14
  • メディア: CD



全曲試聴できます。

全体の印象として、力任せではない繊細な表現力だと感じます。
この辺は女性ならではなのでしょうか。
彼女を初めて聴いたのはリストの「ラ・カンパネッラ」。
テレビで偶然見たのですが完璧なテクニックに釘付けになりました。
ショパンでも確かなテクニックを感じますが、華やかな曲も抑制して聞こえるように感じます。
非常に若いピアニストですが、若さに任せて勢いで弾いているようなところは見られません。

私もショパンのピアノ曲に関して論じることができるほど聴いてないのですが、一時期ショパン特集をしてNMLで聴きまくっていた時期もあるのです。
ショパンに関しては時々マイブームがやってきますね。
前のブームの頃は主にエチュードを中心に聴いていました。
巨匠よりも若手中心に聴いているかもしれません。

ワルツに関して、特に比較対象としたいのは自分が持っているCDでもお気に入りの(・・・というかワルツはそれしか持ってないです。他はNMLで聴いていますので。)Dmitri AlexeevのCDです。
「華麗なる大円舞曲」(grande Valse brillante Op.18)限定で聴き比べると、ほとんどノン・レガートで軽妙で瀟洒な印象のAlexeevの演奏に対し、オットのはかなりしっとりした演奏でどこか憂いを感じます。
弾いたことのある方はわかると思うのですが、この曲普通は派手になってしまう曲なのですよね。
乾いた感じでパカパカ弾く曲になりがちです。(それ故に嫌いでした。)
名ピアニストの演奏でもそれほど良いと感じるものに出会ったことがなくて、唯一Alexeevの演奏に新鮮さを感じていたのですが、オットの演奏はまたそれとも違っていて驚きです。
上で憂いと書きましたが、ショパンを弾く人にありがちなわざとらしい感傷性ではないように感じます。

わざとらしい感傷性・・・自分自身ショパンを弾く時にそういう傾向がありました。
ショパンをきちんと勉強している人はきっとそうではないのだろうと思います。
それに私自身ショパンを弾く時にどのような思い入れで弾いたらよいのかわかりませんが。
ルバートの仕方とか揺らし方とか、皆さんどう考えているのでしょうか。


アリス=紗良・オットがどのような性格の人なのかわかりませんが、演奏は非常に内省的な感じがしました。
こういうワルツは初めて聴きますね。
こちらの宣伝動画での語り方からしても、物静かで思慮深い人なのではと感じます。
(最初に流れてくるのはボーナス・トラックのノクターンですね。)








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alo-had

ピアノは生演奏を見たら、感情移入の様子に惑わされる時があります。
演奏者の仕草や表情ですごく豊かに聴こえる時があるんです。
でも音だけで聴いてみると実はすべてが盛り上がってた、みたいな高揚があったりもします。
CDなどの音源で感じる抑揚や制御されたタッチはやはり本物なのかもしれないと感じることもあります。
アリス=紗良・オットさん。
素晴らしいですねー。
僕はとてもとても気に入りましたよー。
購入したいと思います(笑)。
by alo-had (2010-03-22 10:02) 

Cecilia

alo-hadさん、nice&コメントありがとうございます!

>ピアノは生演奏を見たら、感情移入の様子に惑わされる時があります。

わかるような気がします。
コンクールなどではたくさん見かけますよ。
私は非常に疑問を持っているのですが。

>制御されたタッチ

そうそう、このCDはまさにそういう感じです。
それができるということがこの人の実力なのだろうなと思います。
是非購入してください。
by Cecilia (2010-03-22 10:18) 

nyankome

今までの演奏とは違った、アリス=紗良・オットのショパンですね。
ワルツ集というのも彼女の感性に合っているのかも知れません。
彼女が語っているように、ショパンが持っていた異邦人としての感情に彼女も共感しているところがありますね。
by nyankome (2010-03-22 12:36) 

yablinsky

nyankomeさんが取り上げられたときにも、コメントしたのですが、昨年、ショパンのワルツ集を購入して、私としては失敗だったのです。こちらを購入しておけばと残念に思っているところです。

ピアノは楽器としては大きく存在感がありますが、それを造船所に思っていくと、小さく見えます。それが彼女の演奏の繊細さを引き立てているようです。彼女の演奏はすばらしいのですが、PV作成のディレクタにも拍手です。もちろん彼女が語っているような主旨で造船所で撮影されたのでしょうが、違った解釈をしてしまいました。

by yablinsky (2010-03-22 14:24) 

matcha

>ショパンを弾く人にありがちなわざとらしい感傷性ではないように感じます。
この人の演奏は、初めて聞きますが、Cecilia さんのこの言葉に尽きると思います。
素の美人とも言うべきか、・・・・飾らないから、ショパンの内面の部分が、浮き出されるような気持ちになります。
それと、僕の音楽の先生が云っていた言葉を思い出しました。「真の喜劇人は、真剣に演技をして観衆を笑いの渦と化する。音楽人も同様なり」・・・真に曲に入れば、無我に表現できる。この演奏家から、受けた印象です。
by matcha (2010-03-22 20:46) 

センニン

初めてコメントします。
ながぐつ さんのところで良くお名前を拝見します。
この CD は Mostly Classic で宇野功芳氏が大変褒めていらっしゃいます。
聴いてみたいと思います。
by センニン (2010-03-22 20:52) 

Enrique

正月にTV情熱大陸で見たときは,ずいぶん快活で,むしろ豪放磊落な印象を受けていました。チャイコンをすさまじい勢いで弾いていました。日本語は早口で,明るい元気な女の子という感じでしたので,このヴィデオの雰囲気,演奏もまるで別人の様に感じます。見た目も違って感じます。しっとりと大人の雰囲気をプロモートしているのかなとも思ったのですが,これも彼女の一面なのでしょう。状況しだいで違った側面を見せるのは,彼女がコスモポリタンであることと無関係でないように思います。

by Enrique (2010-03-23 00:40) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
お二人のお勧めなので聴いてみたいと思っていました。

>彼女が語っているように、ショパンが持っていた異邦人としての感情に彼女も共感しているところがありますね。

”ワルツ”としての側面よりも、こういう部分を前面に出したアルバムと言う感じがしました。
それとショパンは”ウィンナワルツ”を嫌っていた(?)ようですね。
ショパンのワルツを弾く時に”ウィンナワルツ”くずれみたいにならないようにしなければ・・・と思ってしまいました。

by Cecilia (2010-03-23 06:10) 

Cecilia

yablinskyさん、nice&コメントありがとうございます!
購入されたのはどなたのワルツなのか気になります。
造船所での撮影はどのようにして行ったのか気になります。
それと潮風の影響はないのでしょうか。
ここでの撮影というのは意外でした。
ワルツの雅やかな世界と違うためです。
でもこのCDの演奏の世界がより一層理解できるように感じました。



by Cecilia (2010-03-23 06:15) 

Cecilia

matchaさん、コメントありがとうございます!
この人は作曲家ときちんと対峙できるピアニストなのだと思います。
演奏家でもそれができる人というのはそう多くはないような気がします。

>真に曲に入れば、無我に表現できる。

なるほど、私も同感です。

by Cecilia (2010-03-23 06:19) 

門前トラビス

どーもです。
当方のブログ記事を引用いただき、ありがとうございます~~。
もともと、ショパン「ワルツ」に、どれほど食いつけなかった私・・・というよりショパン自体をそれほど好きでない私でしたが、アリス=紗良・オットさんの演奏はひじょうにツボにはまりました。

アリスさんのコンサートには、これまで2回行きましたが(演奏曲は、どちらもチャイコフスキーのピアノコンチェルトでした)、ずば抜けた豪快なテクニックと、自分なりの主張をもって音楽を作る、ブレない強さが印象的でした。
オケに負けないピアノの大音量がすごく、観客を盛り上げる「カリスマ性」も感じました。

今年3月2日のコンサート(ミューザ川崎)では、アンコールに、「ワルツ集」CDの最後に収録されている、ノクターン嬰ハ短調を弾いてくださってのですが、これまた、スパイスのきいた味わい深い演奏でした。

誤解を恐れずに言えば、彼女は、どんな曲でも「面白く聴かせる」能力がスゴイのです。(ショパンの曲って、つまらない演奏が多すぎますもんね)

良い意味で、「作曲家像」や「この曲は、こう弾くべき(と思われているもの)」という思い込みに固執せず、”自分”をしっかり打ち出しているから。これは素晴らしいことだし、勇気と自信のいることだと思います。
過去に、ポゴレリチ、アルゲリチ、キーシンのように、「自分流」をスタンダードにまでできたビック・ネームもいるにはいますが、そんな例は、ごくまれ、ですし。
アリスさんは弱冠20歳で、すごい挑戦をしている、それだけで応援モードにはいってしまいますね(単純?)。
こうゆう骨も実力もある若手がいないと、ただでさえ、聴衆高齢化のすすむクラシック界はますます閉塞してしまうと思います。

ちなみに、アリスさんの既発CD、リストの「超絶」と、チャイコ&リスト「ピアノ協奏曲」にも、ワルツ集と相通じる、彼女らしさ、と、面白さ、が感じられました。次のCDと、コンサート(次回は、リストの協奏曲に行ってきます!)が、おおいに楽しみであります。
ガンバレ、アリス=紗良・オットさん!

蛇足ですが、アリスさんの妹の、モナ=飛鳥・オットさんも、ピアニスト。一昨年のコンサートを聴いた限りでは、アリスさんとは違った芸風ですが、やはりしっかりした主張がありました。というわけで、モナさんにも注目しているのであります!
by 門前トラビス (2010-03-23 07:11) 

Cecilia

センニンさん、はじめまして。
nice&コメントありがとうございます!
ながぐつさんのところでもすとんさんのところでもお見かけし、ブログも拝見させていただいています。
アリス・紗良・オット、有名演奏家や評論家も絶賛していますが、それよりも説得力があるのはnyankomeさんと門前トラビスさんのブログ記事でした。
是非お聴きください。



by Cecilia (2010-03-23 09:16) 

Cecilia

Enriqueさん、コメントありがとうございます!

>ずいぶん快活で,むしろ豪放磊落な印象

確かにリストを聴いた時とはまた違った印象です。
その時の受け答えはじっくり見てないのですが、弾き方は今回のこのショパンと違っていましたねえ。
このpvも英語なので、日本語&ドイツ語に比べて考えながら話すのでああいう雰囲気になるのでしょうか?
どちらにしても演奏は内省的ですよね。
売り出しにあたってどういう路線で売ろうか、ということがきっとあるとは思いますが、彼女に関しては美しい容姿は確かに武器ですね。
でもそれを強調する必要もないですね。
今後どのように成熟していくのか楽しみです。
ちなみに「ショパン」か何かの特集で彼女が受けたピアノ教育の話題が出ていました。(インタビュー)
彼女の先生は幼い頃からバッハを与えていたそうです。
指番号は無視して良かったそうですが、そこからたくさんのことを学んだようです。
確かにバッハを上手に使えば下手な教材は不要なのかもしれません。
by Cecilia (2010-03-23 09:29) 

Cecilia

門前トラビスさん、nice&コメントありがとうございます!
有名演奏家や有名評論家よりも門前トラビスさんやnyankomeさんのブログのほうが説得力があると思っている私です。
ショパンのワルツ、私は「赤い激流」を見てop.64-2にはまりました。
大人になってレッスンを再開し、最初にお願いしたものの中にしっかりありましたし。
でもあまりいろいろ聴いてないのに「こう弾くべき」という思いがなぜか強くて大変でした。(しかもテクニックが伴ってないし)
ショパンはやはりエチュードが好きで、その次にワルツ、その他いろいろが続きます。
(なぜか短めの曲のほうが好きです。ピアノの皆さんが大好きなスケルツォとかバラードは長さに耐えられないのか滅多に聴きません。)

アリス=紗良・オットは直に作曲家に向かっていると感じます。
確か子供の頃から両親はピアニストにさせるつもりはなくてピアノを隠していたほどだったようです。
それでもやりたくて仕方がなかったし、すごい練習量だったようですね。
容姿に恵まれ、環境に恵まれ、テクニックが優れているだけでなく、作曲家の精神性に向かっていくことができるピアニストなのだと思います。
だからこそどんな曲でも「面白く聴かせる」能力がスゴイのでしょうね。
それと作曲家ときちんと対峙できているので”自分”を出そうという努力も特にしていないのだと思います。
”自分らしさ”にこだわるあまり、作曲家から離れていくケースも多いですよね。
作曲家に向かっていくからこそ、”自分”が出せるのだと思います。

他の録音も楽しみです。
モナ=飛鳥・オットもどんな演奏か気になります。


by Cecilia (2010-03-23 09:59) 

ながぐつ

こんにちは。
アリス=紗良・オットさん、ながぐつもテレビでみたことがありましたが、そのときはあまり真面目には聴きませんでした。
ピアノについては専門でないので、正直、どんな演奏が素晴らしいのか、よくわかりませんが、PRビデオを見ていると、引き込まれる演奏ですね。

もちろん音楽性が一番だというのですが、ながぐつなどはミーハーなので、美人であったり、弾いている表情が魅力的だったりすると、+アルファの評価をしてしまいます。菊池洋子さんもそうですが、名前が売れて行くにはそういう要素もある程度必要な世の中なのでしょうね。

by ながぐつ (2010-03-24 07:41) 

門前トラビス

どーもです~。たびたびのコメント、失礼します~。

ワルツの、op64-2は、良い曲ですよね。「赤い激流」に使われていた記憶は残っていませんが・・・ちょっと明るめでアップテンポに入りながら、ふっと曲想が変わるときの陰影が素晴らしいし、ショパンのワルツの中でも私も好きな曲です。アリスさんのCDでの演奏も見事ですよね~。一音一音、手抜きなし!流しなし!次の曲、op64-3(これは長調ですね)への流れも絶品ですし・・・。

妹さんの、モナ=飛鳥・オットさんですが、日本でのリサイタルやコンサートを活発に行っておられます。お顔は、アリスさんと似て、美人です。
今年6月に、南西ドイツフィルと共演で、京都と、札幌でコンサートがあるのですが(モーツアルトの協奏曲26番を演奏されます)、どちからには行きたいな~と思っています。
札幌のコンサートホールKITARAはロケーションといいい、内装といい、素晴らしいホール(アリーナ型)なので、久しぶりに行ってみたい・・・

と、とりとめない話でスイマセン~~。
by 門前トラビス (2010-03-25 01:16) 

Cecilia

ながぐつさん、nice&コメントありがとうございます!

>正直、どんな演奏が素晴らしいのか、よくわかりませんが

自分が良いと思えば良い演奏なのだと思いますが、有名な人の言葉に影響されるところと言うのはありますよね。
特にショパンに関してはいろいろな演奏がありますのでどこから手をつけたらよいのかわからないです。
でも自分の耳を信用してよいのだなあ、と感じることが多いです。

>美人であったり、弾いている表情が魅力的だったりすると、+アルファの評価をしてしまいます。
>名前が売れて行くにはそういう要素もある程度必要な世の中なのでしょうね。

そうなのでしょうね。
ただ、もっと注目されてほしい実力のある人も多いですよね。
by Cecilia (2010-03-25 08:44) 

Cecilia

門前トラビスさん、再コメントありがとうございます!
「赤い激流」ではこのop64-2と共に、「ラ・カンパネッラ」「英雄ポロネーズ」「テンペスト」が思い出深いです。(同じように思い出がある方が多いはずです。)
同じワルツ全集でもアリス=紗良・オットと私が持っているDmitri Alexeevでは曲順が違いますね。
他の人もそうなのだと思いますが、ちなみに二人とも作品番号順ではないし、「華麗なる大円舞曲」が1番に来ています。

モナ=飛鳥・オット、お姉さんに似て美人ですね。
KITARAは良いホールらしいと聞いています。(ブログで)
帰省を兼ねて行かれるのでしょうか。
普段から全国を駆け回っておられるので大した距離ではないのでしょうか。
私にはふらっと行けない距離ですけれど。

by Cecilia (2010-03-25 09:12) 

Cecilia

アマデウスさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2010-03-26 08:58) 

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