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初心者用課題曲&有名曲の初心者用編曲 [ピアノ]

先日記事にしたヘンデルの「アリア」はfallschirmjagerさんからHWV471のアリア(エアー)と教えていただきました。
こちらで試聴できます。(Stücke der Aylesford-Sammlung Band IIの16曲目)
エイルズフォードコレクションの中の曲ということです。(そのコレクション、初めて知りました。)
初めてチェンバロ演奏で聴けました。(感激!)
・・・ということで”編曲もの”ではありませんでした。(一安心・・・)

Associated Board Piano Examinationでもグレード3の課題曲になっているようです。
NAXOS MUSIC LIBRARYの試聴リンク(17曲目です。)



初心者の小さな子供や大人向けの楽譜(ピアノなどの楽器の)ではそのレヴェルの人にとって弾き易くアレンジされたものを使うことが多いです。
原曲主義・原調主義の私からすれば、そういう楽譜の曲は自分でも演奏したくないし、教師だとしたら生徒には絶対に与えないと思います。
否定しているわけではないのですが(・・・って否定してます?)、そういうものを与えるくらいならそのレヴェルのために作曲された曲を与えたいです。
そのほうが絶対に素敵な曲が多いです。
弾き易いアレンジで満足できるのでしょうか?
たいていは音符も少ないし、弾き易い調(調号が少ないなど)に変えられています。
その結果原曲の魅力はまったく伝わらない曲になり下がっています。
そしてそのような楽譜で弾く場合、大人なら「本当は原曲が弾きたいけれど自分には無理だから簡単なアレンジで我慢する。」という自覚があるかもしれませんが、子供の場合は「どうしても弾きたい。」と先生にお願いするわけではないですよね?
たいていは発表会にも使える「”曲”の本」(エチュードでないものをそう呼ぶことが多いです。)から先生が「これ弾こうか?」と与えますよね?
こういう曲集に載っている”初心者用になり下がってしまった曲”の数々を思いつくまま書いてみます。
もとはピアノ曲とは限りません。

「人魚の歌」(ウェーバー)、「天国と地獄」(オッフェンバック)、「歓喜の歌」(ベートーヴェン)、「トルコ行進曲」(ベートーヴェン)、「エンターテイナー」(ジョプリン)、「熊蜂の飛行」(リムスキー=コルサコフ)・・・など

同じ「トルコ行進曲」でもモーツァルトのそれは原曲のまま演奏されるのが普通なのにベートーヴェンのそれは簡単に編曲されたものばかり聴くような気がします。
YouTubeには海外の人の演奏で原曲のオーケストラ版の雰囲気をかなり残した編曲がアップされていました。(Anton Rubinstein編曲)
・・・でこのオーケストラ版ですが、今はどうか知りませんが私が小2の時の音楽鑑賞の教材でした。
でも私は休んでいた時だったので聴いていません。
皆の感想文は「ベートーヴェンは耳が聴こえないのにこんな曲を作曲してすごい。」というのが多かったように記憶しています。

今朝NHK-FMの「クラシック・カフェ」を聴いていたらトルコ絡みでモーツァルトの「ピアノソナタK.331~トルコ行進曲付き」とベートーヴェンの劇付随音楽「アテネの廃墟」を流していました。
ベートーヴェンの「トルコ行進曲」は「アテネの廃墟」の中の曲だったのですね。
オスマントルコの軍楽隊みたいなイメージでしたが(作曲された時代のイメージではそうかもしれませんが)、モーツァルトの「トルコ行進曲」はそうでもベートーヴェンのそれは古代ギリシャの話だったのですね~。
初めて知りました。


Symphony 9 & The Ruins of Athens

Symphony 9 & The Ruins of Athens

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Lyrichord Discs Inc.
  • 発売日: 2008/08/19
  • メディア: CD



NAXOS MUSIC LIBRARYの試聴リンク

ピアノ編曲版の簡単なものは次女が小1の時に演奏会で弾きましたが、長女はレッスンでも弾いたことがなく、ずっと「ベートーヴェンのトルコ行進曲が弾きたい。」と言っていました。
学校の音楽鑑賞か何かで聴いていてかっこいいと思っていたようです。
妹のことを「ずるい」とまで言っていました。
一応ピアノの先生にもお願いしていましたが、その頃は高学年で簡単ヴァージョンを弾く段階でもなかったということで敢えて与えられることはありませんでした。

この前から話題にしている前述のヘンデルの「アリア」はもともと”初心者用”ではないことがはっきりました。
(当然最初からそう思っていましたが。)
弾いたことのある人たちにとって初心者用の取るに足らない曲として忘れられないように願っています。
大曲ではないのかもしれませんが。


そうそう!!
初心者用の曲と言えば・・・
厳密には初心者ではなくある程度進んだレヴェル向けかもしれませんが、最近話題にすることが多い鈴木メソードのヴァイオリン曲の中にシューマンの「二人の擲(てき)弾兵」があります。
鈴木メソードの方には非常にポピュラーですが、最近それが歌曲だったと知りました。
確か歌曲として聴いていたはずなのですが、まったく意識していませんでした。
私の頭の中には友人やYouTubeで聴くアマチュア演奏家のピッチが合わないヴァイオリン演奏でインプットされています。
楽譜を手に入れて弾いてみたいですが(笑)、やっぱり「二人の擲弾兵」はヴァイオリン初級の曲で、ドイツ語の原曲名"Die beiden Grenadiere"は声楽上級の曲というイメージです。
この話はまたいずれ・・・。






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すとん

 いやあ、原理主義者ですねえ(笑)。実は私もそうです(私)。

 ときおり吹奏楽関係の人が「今度のステージではクラシック曲をやるんだよねえ…」など、吹奏楽用にアレンジされた曲を指して言いますが、それを耳にしながら「クラシック曲? クラシック曲のメロディーを吹奏楽用にアレンジした、編曲ものだろ!」と心の中で毒づいている私です。

 ちなみに、私の中では、吹奏楽用にアレンジされたクラシック曲は、たとえ元がクラシック曲であっても、アレンジされた段階で、それはすでにクラシック曲でなく、ポピュラー音楽だと思ってます。

 と言うのも、クラシックの音楽は、楽器編成だって、和音構成だって、調性だって「これしかない」という組み合わせで、作曲家たちが書いているわけで、そこがポピュラー音楽とは違うと思います。

 ポピュラー音楽は逆に、そんな堅苦しい事は抜きで、今いるメンバーの人数と楽器編成と力量に合わせて、その中でより良い音楽を演奏していくものだと思ってます。つまり、「作品至上主義」と「現場主義」の違いですかね。

 なので、私も「やさしくアレンジされた曲をクラシック曲と思うなよ」と言いたいです。

 それにしても、編曲ものは苦手です。

 実はこの前、「おとたび」というテレビ番組(BSの番組です)を見ていたのですが、その中で、シューベルトの「セレナーデ」を弦楽四重奏で演奏したんです。それを聞いていたら、すごく“気持ち悪く”なりました。というのも「セレナーデ」なのに、歌がないんですよ。誰も歌わないんです。ヴァイオリンでメロディーを演奏するだけ…、なんかめまいがして、本当に気持ち悪くなりました。

 端と思い当たった私は、急いで頭の中で「セレナーデ」を歌いました。いやあ、そうやって歌を脳内補完して難を逃れたわけですが…編曲ものは、本当に困りものです。


by すとん (2010-07-09 16:27) 

Cecilia

すとんさん、コメントありがとうございます!
原理主義者なんですよ~。
だから声楽でも移調したほうが歌いやすくても原調でないといけないと思う人なんです。

ところで弦楽四重奏の「セレナーデ」ですが、詳しくはわかりませんが実はシューベルト自身による弦楽四重奏ということはありませんか?
「死と乙女」や「鱒」はシューベルト自身によって弦楽四重奏曲が作曲されていますが、「セレナーデ」もそうだったりして・・・。
ただ、たとえシューベルト自身のものだったとしても私は弦楽四重奏版はあまり好きではありません。
やっぱり歌がないと気持ち悪いです。
歌を脳内補完しないと気がすまないお気持ち、よくわかります。
シューベルト歌曲の編曲ではリストのピアノトランスプリクションが実にいいと思っています。
それを聴いてリストを見直しました。
編曲ものを演奏するためにはできる限り原曲の良さを再現してほしいです。
原曲から離れていたらどんなにかっこよい編曲だったとしても満足できないです。
吹奏楽やリコーダーだと出せる音と出せない音というのがあるため移調もやむを得ないことが多く、悩ましいですよね。




by Cecilia (2010-07-09 16:48) 

REIKO

私はそれほど「原理主義」(笑)ではありませんが・・・。
子供の頃、バイエル程度に編曲された「狩人の合唱」(ウェーバー)や「楽興の時第3番」(シューベルト)とか、耳馴染んでいる曲を自分の手で奏でるのは面白かったですね。
これはこれで、練習の励みになるので、良い面もあると思います。

ただ時々気になるのは、(特に元々ピアノ曲のものを)「易しく編曲した」ということを、楽譜にちゃんと書いてないものがあるってことです。
ネット上の質問サイトで、バイエル終了程度の初心者なのに、「今まで弾いた曲」にショパンのノクターンなんて書いてあって、オカシイなあ・・・と思ってたら、易しく編曲した楽譜が出てるんですよね。
原曲を知っている人は、すぐに編曲ものって気づいても、そうじゃない人(ピアノ習ってても、家にピアノのCDがほとんどないとか、クラシック音楽を普通に聴いてる家庭でない場合も多い)は全然わからないと思います。
ちゃんと編曲ものだと書くべきですよね。
by REIKO (2010-07-09 18:14) 

Enrique

ヘンデルのアリア分かってよかったですね。すばらしいです!発見者の方に拍手です。組曲を探したので見つからないわけですね。♭シーソファ♭ミレドーと調も原調どおりのようです(チェンバロはバロックピッチでピアノより少し低いですが)。初歩者向けの曲は編曲というイメージが付きまとってしまいますが,偏見はよくないですね。

確かにやさしくした編曲というと,大事なところ取り去った感じがします。逆に,音を足して弾いても,余計なもの付け足した感じはします。「レヴェルに応じた曲がいくらでもあるのだから,有名曲の編曲用いなくても。」Ceciliaさんの主張ごもっともです。

ただ鍵盤はオリジナル曲が無尽蔵のようにあるからいいのですが,ハープやギターのような楽器はオリジナル曲が多くありませんので,作曲家に書いてもらうなどの対策をとる必要があります。マンドリンオケや吹奏楽もそうですね。そうすると年代や難易度が偏ってしまいますので,コンサートプログラムやCDはどうしても少しは編曲作品で埋めないといけません。ポピュラー曲は完全にだれかの編曲ですね。

注意しなければいけないのは,ご承知のように編曲にはアレンジメントとトランスクリプションがありますが,オリジナルでないからと,両方一緒だとらえがちです。さらに編曲には「変曲」のイメージも付きまとい,よろしくないイメージになります(Ceciliaさんはイメージとかではなく,編曲の「変さ」を直観的に感じておられるのだと思いますが)。バッハはある楽器で作った曲を盛んに別の楽器にトランスクリプションして,それぞれの楽器の特徴をひきだしました。これらはいわばオリジナル・トランスクリプション・バイ・コンポーザですね。鍵盤楽器とひとくくりにすればバロック曲をピアノで弾くのもOKなのですが,厳密に言えば,現代のピアノ用のバロックオリジナル曲は1曲も無いということになります。ヴァイオリンでも指板や弓が当時とは異なります。

原典尊重主義は現在の主流の考え方でもあり,全く正しい考え方と思います。しかしバッハの有名な無伴奏のシャコンヌに,メンデルスゾーンがピアノ伴奏を足したり,シューマンも何かやってましたか。今となってはお笑い草ですが,大作曲家をして編曲に走った時代もあったのですね。ラフマニノフもヴァイオリンパルティータを編曲しています。変奏曲はオリジナルの楽曲ですが,人のメロディを借用したものに傑作が多いですが,広い意味では編曲に近い楽曲形式かも知れません。もっと言えば,作品の解釈も演奏家によってずいぶん違っていて広い意味では編曲(変曲?)に近いですね。近代ではパロディ作品もあります。原典至上主義が強くなりすぎると,面白いもの(変なものと紙一重)や自由な創作活動が下火になる危険性もあると思います。

ということで,私の意見としては,原典尊重主義さんせーい。でもマイナー楽器のメジャー楽器からのトランスクリプションは寛大な心で認めてね。チェンバロ曲を現代のピアノで弾くのだから,リュートの曲をギターで弾くのも認めてねということになります。

編曲演奏は,その目的がしっかりしていて,かつ効果的でないと,かえって難しい演奏行為だということになりますね。ちょっと課題を広げすぎてしまいましたでしょうか。
by Enrique (2010-07-09 18:32) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんばんは。
原曲を、初級者が演奏しやすいように編曲する、ということは、教育の現場でも結構見受けられるようですが、これは音楽だけに限った話ではないようです。
文学などにおいても、樋口一葉は言うに及ばず、森鴎外、夏目漱石なども原典では読めないから、などといって粗悪な現代口語になおしてしまったりとか。
宮沢賢治や新美南吉でも、そんなふうに改作されてしまっているという話を聞いて、かなり愕然としました。
もしもそうした作品を原典のまま読ませるのはちょっとハードルが高いと考えるのであれば、そうした子供たちのレベルにあった作品をきちんと探してくれば良いだけのことです。
そうした労を教える側の人たちが惜しんでいるのではないか、などと素朴に感じてしまいました。
by 伊閣蝶 (2010-07-10 00:11) 

Cecilia

REIKOさん、コメントありがとうございます!

>これはこれで、練習の励みになるので、良い面もあると思います。

確かにそうかもしれません。
編曲にもよるかもしれませんね。
うちに”子供のショパン”という楽譜があります。
長女がショパンを弾くのに買ったものですが、手の小さい子供用に指使いを工夫したもので、音符の数も減ってないし、簡単になっているわけでもありません。
曲はやはり限定されていますが、「小犬のワルツ」や有名なマズルカなどが入っていて弾けると達成感があります。


>ただ時々気になるのは、(特に元々ピアノ曲のものを)「易しく編曲した」ということを、楽譜にちゃんと書いてないものがあるってことです。

うちにある全音の名曲集で「月の光」(ドビュッシー)のアルペジオが簡単になっているのが気になると何度か書いていますが、もう何十年も使われている楽譜なのに易しく編曲されていることはまったく書かれていません。
それから最近出版されているような名曲集ではそういう場合に編曲者をちゃんと書いているようですが、古いもの(何年も使われているもの)では誰の編曲かさっぱりわからないことが多いですよね。

by Cecilia (2010-07-10 04:44) 

Cecilia

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます!

>発見者の方に拍手です。

教えてくださったfallschirmjagerさんは古楽通です。
今までも知らない曲名を教えてくださったことが何度かありました。
今回のようにYouTubeや自分の演奏をお聞かせできなくて文章で「こんな感じ」と書いていた時期が長かったですが、それでわかったのもすごいと思います。

確かにハープやギターは編曲モノを使わないといけない事情がありますよね。
ヴァイオリンでもそうかもしれません。
声楽の場合は編曲ものは多くないですが、ピアノ以外の器楽曲のソロは編曲ものが多いのですね。

>アレンジメントとトランスクリプションがありますが,オリジナルでないからと,両方一緒だとらえがちです。さらに編曲には「変曲」のイメージも付きまとい,よろしくないイメージになります

トランスプリクション、大体のことはわかりますが、口で説明できるほど理解していないのでよく調べようと思います。

>鍵盤楽器とひとくくりにすればバロック曲をピアノで弾くのもOKなのですが,厳密に言えば,現代のピアノ用のバロックオリジナル曲は1曲も無いということになります。ヴァイオリンでも指板や弓が当時とは異なります。

あまり厳密なことを言い過ぎると、バロック曲を演奏できなくなってしまいますね。(苦笑)

>大作曲家をして編曲に走った時代

ご紹介のものは聴いたことがないのでNMLなどで聴いてみたいです。

>原典至上主義が強くなりすぎると,面白いもの(変なものと紙一重)や自由な創作活動が下火になる危険性もあると思います。

自由な創作活動ができるというのは重要ですよね。

>マイナー楽器のメジャー楽器からのトランスクリプションは寛大な心で認めてね。

そうですね。
それができないとモンテヴェルディの曲をピアノ伴奏で歌えなくなり、古楽器をやっている人が身近にいないので困ってしまいます。

編曲モノのすべてを否定はしません。
必要がある場合とか原曲が素朴すぎる場合、原曲よりもかえってよくなる場合もあるでしょうし・・・。
by Cecilia (2010-07-10 05:02) 

Cecilia

伊閣蝶さん、nice&コメントありがとうございます!
樋口一葉、結構難しいですよね。
国語教師でしたが、「たけくらべ」など現代語訳がないと理解が難しいです。
森鴎外の「舞姫」も教材で使いましたが、わざわざ現代語訳を教師が用意しました。

宮沢賢治や新美南吉もですか!

わざわざ現代語訳にするのではなく、原文をわからないなりに味わうのも大切だと思っています。
現代語にはないニュアンスもありますしね。
低学力の子が多いところではそうも言ってられない現実もあるのですが。

by Cecilia (2010-07-10 05:48) 

センニン

Cecilia さん、国語の先生でいらっしゃいましたか。
話が逸れますが意味が分からなくてもそのまま読む事も大事かなと思います。「草枕」を初めて読んだのは小学生のときでしたが、冒頭の文章は今でも暗誦できます。出版された二種類の「破戒」も冒頭の違いを憶えています。

ところでフルート吹きとオーボエ吹きにとっての大問題はモーツァルトのそれぞれの協奏曲がどちらがオリジナルかという事です。
仮にオリジナル手稿譜が見つかったら、一方はダメと言われるのでしょうか?

すとん さんのおっしゃる「これしかない」はまことにごもっともですが、Enrique さんのおっしゃるように作曲家自身のトランスクリプションも少なからず存在しますし、そちらの方がよく知られるようになる事もあります。原典主義は賛成ですが、最初に作られたもの以外はダメ、とは言い切りたくありません。
もちろん「変曲」はダメですが。

演奏者が装飾して演奏するのが当然だった時代などは作曲家は装飾音符のみならずアーティキュレーションや強弱も書かない事は珍しい事ではありません。
演奏行為(表現)と切り離せませんが、カデンツァも作曲家自身に書いてもらわなくてはならないでしょうか?
by センニン (2010-07-10 09:00) 

Cecilia

センニンさん、nice&コメントありがとうございます!
作曲家自身によるトランスプリクションは当然許容の範囲です。
私自身編曲モノが絶対に許せないと言う思いで記事を書いたわけではなく、原曲から大きく離れた編曲物や教材として易しくされたものには魅力に欠けるものが多いということで書きました。
原曲の魅力を更に引き立てる編曲や原曲よりも良いのではないのだろうかという編曲も滅多にないですがあります。
また、趣味で古楽アンサンブルを良く聴きますが、これこそ編曲ばかりですよね。
作曲当時の演奏習慣を厳格に守っている演奏もあるのでしょうけれど、私が聴いていて素晴らしいと思うのは、古楽をしっかり研究した上で新鮮な魅力を引き出すことに成功している古楽アンサンブルです。
例えばバッハならバッハのスタイルから大きく離れているわけではないけれど、当時の演奏スタイルというよりも現代人にフィットするバロック音楽のスタイルかな・・・という演奏も多いです。
でも重要なのは作曲家の心とか命がある演奏かどうかだと思っています。
(作曲家に直接聞くわけにはいかないので難しいところですが。)

>ところでフルート吹きとオーボエ吹きにとっての大問題はモーツァルトのそれぞれの協奏曲がどちらがオリジナルかという事です。
仮にオリジナル手稿譜が見つかったら、一方はダメと言われるのでしょうか?

どの曲かよくわかりませんが、どちらのオリジナルであっても良いと思います。
ただ、そうでないほうはオリジナルでの演奏を研究すべきだと思います。
私からすれば声楽曲の楽器演奏よりは害(と言うと語弊がありますが)が少ないと思います。
アマチュアにそこまで要求するのは酷ですが、少なくともプロの楽器演奏家が声楽曲を楽器で演奏する場合、声楽演奏をじっくり研究して臨むべきだと思っています。(声楽ではメロディーに言葉がつくためです。)


by Cecilia (2010-07-10 12:06) 

nyankome

その曲を弾いてみたいけど技術が伴わない場合には、初心者用の編曲というのもありかな、と思います。
音楽の教科書に名曲の鑑賞のページがあって簡単な譜例が載っていました。中学生のときですが、ギターで弾いて遊んでいたのですが、ギター用の編曲があればと思ったことを思い出しました。
by nyankome (2010-07-10 14:15) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
ピアノの初歩の時に「茶色の小瓶」を弾きました。
もう30歳も過ぎてからジャズの曲と知って驚きました。
ずっと初歩の曲だと思い込んでいましたが、大人になって事実を発見すると言うのもまたおもしろいです。

by Cecilia (2010-07-10 15:40) 

センニン

Cecilia さんの記事に異を唱えているわけではありませんので、誤解のないようにお願い致します。皆さんのコメントなどを読ませていただく中でどうもそちらの方に流れて行きそうだという印象を受けたので一言述べさせていただきました。

「のだめ〜」でも取り上げられたモーツァルトのオーボエ協奏曲(ハ長調)とフルート協奏曲第2番 (ニ長調)は殆ど同じ曲です。
元々フルート協奏曲が知られていてオーボエ協奏曲は 1920年に発見されました。どちらも完全な自筆譜が発見されていないので決定的な事は言えませんが、オーボエ協奏曲の方がオリジナルであろうという説が優勢です。しかし和声の扱いなどモーツァルトらしくないと言われる箇所もありますので、モーツァルト以外の人による編曲であろうという説も有力です。
フルート協奏曲第二番は編曲であったために約束の報酬の半分しかもらえなかった、という話も信じられていますが、正確なところは分かりません。
ことによると
 オーボエ協奏曲のオリジナル(モーツァルト)
     ⇩
 フルート協奏曲第二番に編曲(モーツァルト)
     ⇩
 オーボエ協奏曲の現在知られている版に編曲(不明)
という事なのかもしれませんが、想像の域を出ません。
フルートを吹くものとしてはフルート協奏曲がオリジナルであって欲しいわけですが。
by センニン (2010-07-10 20:57) 

Cecilia

センニンさん、再コメントありがとうございます!
異を唱えていただいても大丈夫です。
お気遣いありがとうございます。
皆様から足りないところを補っていただいているようでありがたいです。

>「のだめ〜」でも取り上げられたモーツァルトのオーボエ協奏曲(ハ長調)とフルート協奏曲第2番 (ニ長調)は殆ど同じ曲です。

もう一度聴いて確認しないといけませんが、あの”ピンクのモーツァルト”でしたよね?
フルート吹きの方にとってはフルート協奏曲がオリジナルであってほしいですよね。
by Cecilia (2010-07-11 09:47) 

Wちゃん

オリジナルの曲が判明したのですか。すごいですねー
僕もすっきりした感じで、有り難うございます。
今は先日購入したカルメル会修道女云々のDVDをiPod touchでも見る事ができるように細工中(^^; でして、そちらにCPUの力を注いでおりますので後ほど拝見します。

カルメルのはYouTubeでいろんなのを見ることができて面白いですね。英語のは何しゃべってるか多少想像がつくのですが、フランス語はさっぱりです。でも聞いていて面白く感じるので、勉強したら案外いけるかも (笑
by Wちゃん (2010-07-13 22:17) 

Cecilia

Wちゃんさん、コメントありがとうございます!
まさかこんなに早くわかるとは思いませんでした。
fallschirmjagerさん、さすがです。
Patricia Petiobnはfallschirmjagerさんはじめ、古楽好きの皆様が評価されていますね。
私は今ヘンデルの「ジュリアス・シーザー」に凝っています。

by Cecilia (2010-07-14 08:22) 

Cecilia

エルティアさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2010-07-19 09:30) 

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