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シギスヴァルド・クイケン指揮ラ・プティット・バンドの「マタイ受難曲」 [音楽鑑賞]

最近我が家で家族全員がはまっている漫画があります。
中村光さんの「聖☆おにいさん」という漫画で、イエスとブッダが地上でヴァカンスを楽しんでいるという話なのですが、とても面白いギャグ漫画ですね。最初はまったく期待してなかったし、ふざけた漫画だろうと思っていたのですが、読めば読むほど中村さんが聖書をよく読んでいてキリスト教文化にも詳しいというのがよくわかります。仏教のことはよくわかりませんがそちらもそうなのではないのだろうかと思っています。それに単におもしろおかしく書いているわけでもなく、ブッダやイエスに対する愛情とか親しみが感じられ、それぞれの宗教に対する尊敬の念みたいなものも感じられます。キリスト教関係者(一般の読者でも)の間では評価は分かれるようですが、私はとても面白く読ませていただいています。ギャグ漫画ですが、(私は)結構ほのぼのとした気分になれます。
夫が購入してきたのがきっかけでしたが、長女がすでに何冊か持っていたので娘二人は知っていました。娘たちは中村光さんの「荒川アンダーザブリッジ」を読んでいて、私もそちらの題名だけは知っていたのですが、同じ作者だとは知りませんでした。しかも「聖☆おにいさん」の作者は男性だと思っていましたが、女性だったというのも驚きです。これをきっかけに「荒川アンダーザブリッジ」も読むと思います。
とにかく「聖☆おにいさん」にはまりすぎ、聖書や宗教曲に登場するイエスや弟子たちにもついつい漫画のイメージを重ね合わせてしまうという状況です。(笑)娘たちには「お母さん、洗脳されているよ。」と言われています。
まじめにキリスト教や仏教を信じている方は読まないほうが無難かもしれませんが、こういうのもアリだと思える方にはお勧めです。


聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)

聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)

  • 作者: 中村 光
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/01/23
  • メディア: コミック



さて、昨日の記事ではシギスヴァルド・クイケン指揮の「フィガロの結婚」を取り上げましたが、出演者のマリー・クイケン(ソプラノ)絡みで「マタイ受難曲」も聴いてみました。同じくシギスヴァルド・クイケン指揮ラ・プティットバンドです。


St Matthew Passion

St Matthew Passion

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Challenge Classics
  • 発売日: 2010/04/13
  • メディア: CD



NAXOS MUSIC LIBRARYで試聴できます。→こちら

OVPP(One Voice Per Part)のすっきりした演奏で、冒頭の"Kommt, ihr Tochter, helft mir klagen"などは少年合唱を含む大編成の合唱で慣れ親しんでいるためはっと驚かされますが、思いのほか自然でしっくりきますね。ソプラノ二人が成熟した女性というよりも少女っぽい声だから良いのかもしれません。
NMLで聴いているためソプラノ1のガーリンデ・サマンとソプラノ2のマリー・クイケンのどちらがどこを歌っているのかわかりにくいのですが、例えば"Blute nur, du liebes Herz"(トラック8)と"Aus Liebe will mein Heiland sterben"(ディスク2のトラック20)は明らかに声が違います。前者のほうが幼い感じの声でこちらがマリー・クイケンなのでは、と思いますがどうなのでしょうか?(根拠は昨日の「フィガロの結婚」のバルバリーナのアリア。こちらもマリー・クイケンなのかはっきりしないのですがたぶんそうだろうと思います。)
「OVPPなら良い」とか「小編成なら良い」というわけではないと思いますが、このCDの演奏はおどろおどろしさがなく心なしか明るさを感じますね。耳に心地よく長時間聴いても疲れないです。「マタイは重くないと!」と思われる方にはどうかわかりませんが。
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Cecilia

朝日奈 千歳さん、はじめまして。
niceありがとうございます!
by Cecilia (2011-11-02 13:28) 

シズコ

Ceciliaさん、こんばんは。メールありがとうございました。
今ね、メールのお返事書こうと思い、ブログを拝見したら
これかぁ・・・・。「聖☆おにいさん」(笑)・・・・見ちゃったって感じ・・・(^-^)

>ブッダやイエスに対する愛情とか親しみが感じられ、それぞれの宗教に対する尊敬の念みたいなものも感じられます。

「相手(の宗教、その他etc・・・・)に対する愛情と親しみが感じられる」これだけでも、良い感じ♪ですね☆

>キリスト教関係者(一般の読者でも)の間では評価は分かれるようですが・・・・・

そう言う本、私も数ヶ月前新書で買いました。今お伝えしようと思ってググって見たのですが・・・タイトル忘れちゃった!がるる~(苦笑

>私はとても面白く読ませていただいています。ギャグ漫画ですが、(私は)結構ほのぼのとした気分になれます。

要はこの点ですよね?自分が読後に心地よくなれるか。

「マタイ受難曲」・・・・一度は聞いてみたいなあ・・・・まだ全く未視聴です。
数年前、震災前の仙台市で、「仙台グリーンウッドハーモニー混声合唱団」(この呼称も、HPを見る限りでは正しいのかよくわかりませんが、私たちが大学まではそうだった気がします。全日本でしょっちゅう金賞受賞の一般団体です。と言う、が60周年記念演奏会だかで、全曲ぶっ通しで演奏しました。今は、屋根と壁が落ちてしまったと言う、東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)で、でした。このホールがちょうど「ゴスペルショップオアシス仙台店」と同じ、定禅寺通りにあるので、必ず前を通るのです。
指揮者の今井邦男と言う方の指揮者60周年だったかなあ?・・・・仙台市だったら近いし、マタイ受難曲だったら、聴いておきたかったのですよ。

でもね・・・問い合わせて、その当時で5000~6000円したので、私のお財布では無理だったし、人込みはやはり苦手だったので・・・・辞めました。

今、検索して、これだけ聴いて、見ました。良かったです。
なんだか、真剣に見て、聴いちゃいました。→ http://www.youtube.com/watch?v=hcIoZ4Gu5Mc

小澤征爾さんの顔が出てきたので見やすかった(って言っちゃ悪いかな?)のです。一杯あるんだもん・・・you tube。
でも、小澤征爾さんのお顔見てるだけでも面白かったし(真面目なクラシックファンの方、すみません。)最後の小澤さんの指揮の祈りのような手と表情には心打たれました。また、小さな男の子まで歌っているのにも驚いたし、特に、字幕に出ている歌詞を読んで、厳粛な気持ちにさせられました。

これなら、全曲ぶっ通しで聴いて6000円は確かに安いかも・・・・。
この画像だけで、見て、聴いて良かったなあと思いました。

教会で「ハレルヤ」歌うとき、私、カール・リヒターって言う人の、「メサイア~ハイライツ」と言うのを購入して聞いてたんです。それがとっても好きで「この人のだったら『マタイ受難曲』または『ヨハネ受難曲』のハイライツ聴きたいな~」と思ってました。

今は聴く余裕が無いのですが、この一曲だけでも聴けて良かったです。

取り上げてくださったCeciliaさん、ありがとうございました。
by シズコ (2011-11-02 16:39) 

伊閣蝶

この漫画は面白そうですね。
やはり人気のある漫画は、背景などに関してもかなりきちんと調べてから書いているので、そうした姿勢も評価の対象となるのでしょうか。
機会を見つけて、是非とも読んでみたいものです。
とはいえ、ここのところほとんど漫画を読むことがなくなりましたので、機会を作るところから始めなければなりませんが。

クイケンとラ・プティット・バンドによるマタイ受難曲。
なかなか刺激的な演奏です。
私は、これまでに三回、マタイ受難曲の全曲演奏に参加してきましたが、実はかなり前から密かに思い描く夢があって、各パート2~3名くらいの規模でこの曲を演奏してみたい、というものです。
賛同してくれる仲間も何人かいて、いろいろと構想を練っているときにこのCDが出たので早速聴き、可能性は決してゼロではない!と、想いを新たにしたものでした。
いろいろ事情があって、まだ話は一向に進んでいませんが、このCDを聴きながら、諦めない気持ちを再確認しているところです。
究極のところではOVPPでもやれないことはないのではないか、と不遜ながら考えていたりします。
by 伊閣蝶 (2011-11-02 18:24) 

Cecilia

シズコさん、コメントありがとうございます!

>そう言う本、私も数ヶ月前新書で買いました。

どんな本でしょうか。気になります。(笑)
同じクリスチャンと言ってもいろいろな立場の人がいますからね。万人に受ける本はないでしょうね。

>要はこの点ですよね?自分が読後に心地よくなれるか。

私は心地よくなれますが、誰もがそうではないようですね。
でも牧師で愛読している人も多いようです。

ご紹介のYouTubeは小澤征爾さんの「マタイ受難曲」ですね。
ソリストに森麻季さんですか。今夜中なのでまたゆっくり聴いてみます。
カール・リヒターは上にコメントいただいている伊閣蝶さんもお勧めの指揮者です。リヒターの「マタイ受難曲」は評価が高いですね。これもじっくり聴いてみたいと思っています。


by Cecilia (2011-11-03 02:45) 

Cecilia

伊閣蝶さん、nice&コメントありがとうございます!
この漫画はとても面白いですよ。まあイエスもブッダも今時の若者という設定なので(特にイエスがネットゲームにはまっている)、弟子や天使たちが若者言葉でわかりにくいところもあるかとは思いますが。
「マタイ受難曲」に関連してメインサイトを改めて拝読させていただきましたが、伊閣蝶さんなら元ネタがぴんと来るだろうと思います。
それにしても中村光さんはお若いのに博識です。

伊閣蝶さん、是非小編成の・・・OVPPの「マタイ受難曲」を実現なさってくださいね。私は大編成でもなんでもとにかく歌ってみたいのですが、田舎なのでなかなか実現できません。せめてソロ曲だけでも歌ってみたいです。でも"Aus Liebe"にはやはりフルートが要るかな、などと思って悩んでいます。(吹いてくれる方はいるのですが、練習時間の確保が・・・)
by Cecilia (2011-11-03 03:07) 

Enrique

漫画は数十年ご無沙汰しております(笑)が,音楽は聴かないといけないなと思っています。このごろさっぱりです。
有名なことなんでしょうけども,クイケンご一家って色んな楽器で皆さん古楽にかかわっているのですね。ソプラノさんまで居るとは。
私も「マタイ」は妻が持っていたカールリヒターのしかマトモに聞いた事がありません。一曲聞くのも大変ですし,聞き比べるとなるとこれは一大イベントですね。冒頭の合唱で比較するのは良い手ですね。視聴では合唱に入る前で終わってしまいますが。NML入会も検討したこともあるのですが,結局視聴程度しか聞かないだろうという事で今に至っています。
小編成なこともあり,「すっきり系」なんですね。大昔はメンゲルベルクのものが名盤と言われギターの師匠からも奨められましたが,聞いていません。歴史的な価値はあるのでしょうけども。
by Enrique (2011-11-03 06:57) 

Cecilia

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます!
義務感では難しいと思いますが、聴きたいから聴いているだけです。
でも楽器練習のほうに力を割くとゆっくり聴いている暇などありませんよね。
私は最近余裕があるので聴く暇があるのですが、来月からまた忙しくなります。
「マタイ受難曲」に関してHPやブログを書いている方というのはたいてい名盤と呼ばれるものをいくつか(しかも何度も)聴いていらっしゃるので、その方々に対抗できるようなことは書けません。確かに比較しようと思ったら大仕事ですよね。NMLでたくさんの音源が聴けるのですがすべてきちんと聴くなんて不可能です。
そういえばメンゲルベルクの「マタイ受難曲」を聴いたことがあって以前記事で書いたことがあります。コメント欄が参考になります。
http://santa-cecilia.blog.so-net.ne.jp/2007-05-19
by Cecilia (2011-11-03 08:03) 

Promusica

OVPPの「マタイ」なかなか新鮮ですね。

個々の歌唱力、声質、又その組み合わせに依存すると思われますが、これはバランスがとれていると感じました。

私もメサイアで試みたことはありますが上記の条件をクリアすることは、やはり素人では、ハードルが高いですね。(これバーチャルでなくて実際の合唱ですけど)

その点、一人多重録音では、歌唱力以外は、ほぼ解決しています。
ルネサンス期のポリフォニーでは、1パートは1回で各パートの線を際立たせ、バッハの時代は、1パート3回歌い重厚さを表現するようにしています。成功しているかは別として(^_^;)
(唯一「主よ人の望み・・」だけは1人です)

料理に例えれば、素材が何かわからないほどじっくり煮込んだものと、シンプルな日本料理のように素材の味を生かしたもののような(例えがいいかどうかは?ですが)違いだと思います。



by Promusica (2011-11-03 09:04) 

Cecilia

Promusicaさん、nice&コメントありがとうございます!
OVPPでメサイアを演奏されたことがあるのですね。バランスの取れた演奏は難しいとのことですが、経験できただけでもうらやましいです。
Promusicaさんの多重録音でバッハをいくつか聴かせていただいていますが、1パートを3回歌って重厚さを表現されているなどの工夫は素晴らしいと思います。こういった手間隙の一つ一つが積み重なってあのような素晴らしい多重録音が出来上がるのですね。私も久しぶりにやってみたくなりました。(今はちょっと無理ですが。)

>素材が何かわからないほどじっくり煮込んだものと、シンプルな日本料理のように素材の味を生かしたもの

どちらにも魅力がありますね♪
by Cecilia (2011-11-03 09:22) 

norip

「荒川アンダーザブリッジ」>
米良さんのお友達のなっちがドラマに出ていますね。
まだ放映中かどうか分かりませんが
見てみたいな~と思っています。

by norip (2011-11-04 17:58) 

Cecilia

noripさん、コメントありがとうございます!
ドラマのことはまったく知りませんでした。
まずは漫画を読んでから見てみたいですね。

by Cecilia (2011-11-04 19:30) 

Cecilia

ユーフォさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2011-11-18 08:22) 

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