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アランセーター

ちょっと前に話題にした「聖☆おにいさん」のペトロとアンデレが最近気になっています。この二人は聖書に登場するイエスの12使徒の代表格ですがもともとは漁師で兄弟ですね。
漫画では「・・・ぱねえっす。」(←「半端ないです。」のこと。)などという最近の若者言葉に慣れてないと読みにくいところもあるかもしれませんが、なかなかかっこいい二人です。
最新号の7巻を読んでいたら、二人が着ているニットが気になってきました。ワイシャツにネクタイ姿の上に着ているボタン付きニット(アンデレのほうはフード付き、ペトロはハイネック)は”アランセーター”ですね。
”アランセーター”というのは縄編み模様が特徴的なセーターで、アイルランドの漁師の防寒着だったそうです。
”フィッシャーマンズ・セーター”の一種に分類されるようです。
「聖☆おにいさん」ではさりげなく描かれていますが、作者はきっと二人が漁師だからこのセーターを着せているのだと思います。場面も「同じ港出身漁師同窓会」の飲み会の場面ですし、飲み屋の名前は”魚族”(”魚民”を思わせる名前ですね。笑)ですし。
”アランセーター”が漁師のセーターだということは編み物をしたことがある女性(編み物は女性だけのものとは限りませんね。)やある程度のファッション知識がある人なら知っている常識だとは思いますが、この漫画を読んでいる人で気が付く人はどれくらいいるのかなあ、と気になってしまいました。一人で自分だけがわかったつもりになって優越感に浸っています。(笑)


聖☆おにいさん(7) (モーニングKC)

聖☆おにいさん(7) (モーニングKC)

  • 作者: 中村 光
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/10/21
  • メディア: コミック



最近とても寒いのでアランセーターも欲しいです。でもこういう分厚いセーターって洗濯が面倒ですよね。また、既製品だと高いものが多いです。安物はやっぱり安物です。昔安物を買ったら型崩れがひどかったし、網目の隙間から入ってくる風が冷たくて防寒着になりませんでした。(苦笑)
それこそ高くても丁寧に扱えば一生物の価値があるセーターだと思いますが、今はさすがにこれを着て漁をする人はいないでしょうね。
それはともかく縄編み模様に限らず、表編み裏編みの組み合わせでできる立体的な菱形模様や波模様などは、もともとそれぞれの家に代々伝わるものだったようで、海で遭難してもセーターの模様でどこの人間かわかったのだとか。

縄編み模様のマフラー、中学生時代に同級生の男子にプレゼントしようとしてアクリルではなく純毛で編んでいたら母に「(中学生のくせに)そんな高い純毛で編むなんて・・・!」と睨まれていました。結局プレゼントする行為は実現せずその後自分のマフラーになりました。
縄編み模様のアランセーターに挑戦したのは娘たちが小さかった時でしたが、完成する前に体のサイズが変わってしまい着せることができませんでした。私、編むには編んでもはぎ合わせるところでどうも上手にできないのですよね。

余裕があったらまた編んでみたいと思うのですが中途半端になるのが怖いのでなかなかできません。

アランセーターの模様の一つ一つには意味があり以下のようになっています。(模様の画像などは検索などをしてお確かめください。)

☆ハニカム(蜂の巣)・・・勤勉にはたらく蜂への賛辞、蜂が貴重な蜜を集めるように骨の折れる仕事に対する報酬。漁に使う網を広げた情景という意味もある。

☆ダイヤモンド・・・海や陸から得られる宝物や成功。富や財宝の象徴であり、結婚生活や人生の浮き沈みをもあらわしている。

☆ケーブル・・・漁師の使う命綱、農夫の収穫物を束ねる綱の意味がある。

☆バスケット・・・魚でいっぱいになった漁師のカゴを表現。大漁を願う意味がある。

☆ブラックベリー・・・3つのステッチを1つにまとめるこの柄は、アイルランドに古くからつたわる三位一体(父なる神・子なるキリスト・聖霊が一体であるという考え)を示す。

☆ダブルジグザグ・・・いつまでも夫婦一緒に苦楽を共にし素晴らしい人生を築いていこうという決意を表す。

☆生命の木・・・すくすく伸びていく木を命にたとえ、セーターを着る人の長寿と漁の手助けとなる丈夫な子供たちが生まれることを願う。

☆海藻・・・アイルランド特産のカラジン海苔が収穫された様子。この海苔は刈り取られて大地に肥料として埋められたり、羊の餌にもなる。

☆格子・・・小さな石垣の仕切りが続くアランの畑地の風景。

☆絆・・・島を去っていった者たちとの永遠のきずなを意味する。


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伊閣蝶

アランセーター、私も若い頃に憧れて、結構値が張ったのですが、ボーナスを使って購入したことがありました。
安物を買うと型崩れしたり縮んだりする、ということは先輩から聞いて知っていたので、それこそ清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ったものです。
しかし、実際に漁師が防寒具として着ていたことは初めて知りました。
なるほど、あの模様にはそういう意味があったのかと、改めて感心した次第です。
それにしても「聖☆おにいさん」、なかなか凝っていますねえ。
by 伊閣蝶 (2011-11-25 12:26) 

Cecilia

伊閣蝶さん、nice&コメントありがとうございます!
ボーナスで高価なアランセーターを購入されたことがあるのですね?
何年くらい着ておられたのでしょうか?
「聖☆おにいさん」のアランセーターは私が勝手におそらくそうであろうと思って書いているだけですが、居酒屋シーンで他の漁師仲間は着てないのでどうかとは思いますが、かなり確信しています。(つまり単なる偶然はないと思います。)
他に魚ネタとしては鯉のぼりを見てイエスが「あれは初期の私のシンボル。」と言うようなことを言う場面があるのですが、それも作者はこういうことも知っているんだなあと感心させられた場面でした。
アランセーターが漁師の防寒着ということは知っていましたが、模様についてはあらためて意味を知りました。これもキリスト教文化とは切り離せませんね。
by Cecilia (2011-11-25 17:24) 

Cecilia

krauseさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2011-11-29 08:41) 

九子

ceciliaさんの物知りなこと!( ^-^)
それにしてもマンガにもそんな薀蓄があるんですね。
うん十年前、我が家がまだ豊かだった頃、カナダでカウチンというセーターを買いましたが。あれとはまた別物ですね。そうか、網目模様があるやつですね。
カウチンは洗ってはいけないと言われてどうしようかと思いました。結局クリーニングに出しましたが、頻繁には出さないほうがいいのかしらね。
アランセーターから脱線してごめんね。(^^;;
by 九子 (2011-12-08 20:56) 

Cecilia

九子さん、nice&コメントありがとうございます!
そんなに物知りではないですが、どうでも良いことはよく知っています。
知らなくてはいけないことに無知だったりして・・・。(笑)
でもアランセーターの件はどうでも良いことではないですよね。衣類を通して世界の文化を知ると言うことも大切ですよね。
カウチンセーターとは別物です。カウチンセーターにも確か深い意味があったと思います。(検索過程で出て来ました。)
アランセーターも本来はそんなに頻繁に洗濯するものではなかったはずですが、白い毛糸が薄汚れると嫌だなあと思って洗いたくなりますよね。
そういえば私が学生時代(大学2年)の時に初めて購入したアランセーターは質屋で購入したものでした。最初からいかにも中古という感じでしたが、結構愛用していました。
この漫画、本当に面白いですよ。坐禅に関係するネタも結構あると思います。
by Cecilia (2011-12-09 08:40) 

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