「フィガロの結婚」の人間関係 [声楽]
「フィガロの結婚」は人間関係が複雑です。
バルトロ(医者)は伯爵夫人(=ロジーナ)の元後見人で結婚(持参金狙い)をたくらんでいましたが、フィガロに邪魔をされています。(「セビリアの理髪師」の中の話。)
マルチェリーナ(女中頭)はフィガロにお金を貸していて、それを返せないことを口実に結婚を迫ります。
そんなバルトロ・マルチェリーナのコンビがフィガロとスザンナの恋路を邪魔するのですが、後になってこの二人は実はフィガロの実の親ということがわかります!!(母親が息子に惚れていた・・・ということになりますね。)
それがわかってからの展開が早すぎる!!
今までの反目がうそのように、お互いに抱擁し合い、バルトロ・マルチェリーナとフィガロ・スザンナの二組のカップルは同時に結婚式を挙げるのです。
夫の浮気に悩んでいる伯爵夫人ですが、自分に恋心を持っているケルビーノに愛情を抱いていて、ボーマルシェの三部作の最後の作品では彼との間に不義の子を産んでしまうのです!
そして、侍女であるスザンナも又、結婚間近の身でありながら、ケルビーノに愛情を抱いています。
ケルビーノはスザンナの従妹のバルバリーナと恋仲・・・という設定ですが、バルバリーナの出番は少ないですね。
そして伯爵ですが、何とかしてスザンナと関係を持とうと必死です。(初夜権を廃止したはずが復活させようとします。)それでいて、妻の行動に目を光らせ、大変な嫉妬深さを見せます。
この中で一番単純なのはフィガロではないでしょうか?
フィガロも大変な嫉妬(スザンナと伯爵、あるいはスザンナとケルビーノの仲に対し)を見せます。
男性は嫉妬深く、女性は結構したたかに生きている、そんなことを感じさせるオペラです。
女性はしたたかに世を渡り、不器用な男たちはミューズの愛を授かるのでしょうな。って、ホフマン物語に戻ってしまった・・
by トスカ (2006-01-07 20:29)
トスカさん、nice&コメントありがとうございます!
私はホフマン物語は観たことがないのですが(アリアなど、有名な曲しか知りません。)、トスカさんはよくご存知なのですね。
どうかトスカさんもミューズの愛を授かりますように。・・・もう授かってますね!?
原作者のホフマンはモーツァルトが好きで、自分のミドルネームを「アマデウス」に改名したようです。
by Cecilia (2006-01-07 22:57)