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道化の性格 [音楽鑑賞]

最近、私の古楽関係の記事にコメントを下さる方が増えました。

最近皆様のおかげで知識が増え、感激しています。

昔から気になっていた曲名がわかるというのはうれしいものです。

ところでまだ曲名がわからないリュリの曲があって、NAXOS MUSIC LIBRARYでいろいろ見ているうちに、彼のオペラやバレエに登場する人物の名前から、ちょうど一年前にフォーレの曲を歌うために調べていた事柄を思い出しました。

それは「マンドリン」という曲の中に登場するティルシス、アマント、クリタンドル、ダミスです。

歌詞はこの記事をご覧下さい。

これらはコメディア・デラルテの道化方とかアルルカンとか解説には書かれていましたが、いまひとつよくわからない存在でした。

わからないままに追求していくうちにフランスのロココ芸術とフランス近代音楽の関係が何となく見えてきたので書いた記事がこちらです。

「マンドリン」はフォーレだけでなくドビュッシー、アーンも歌曲にしています。

フェート・ギャランテ(雅宴画)と呼ばれるヴァトー(ワトー)の絵画から霊感を得てヴェルレーヌが書いた詩による曲です。

これだけ曲にされているということは当時それが流行っていたからなのだろうな・・・ではなぜ流行ったのだろう・・・と非常に気になりました。(参考にした本からの引用はすぐ上の記事のリンクからご覧下さい。)

画集まで借りてきましたが、大岡信さんの文章もなるほど・・・と思い記事に載せました。

結局自分の中では上記のアルルカン(・・・と呼んでよいのでしょうか?)を知るためにコメディア・デラルテを知らなければいけないと感じましたし、検索過程でモリエールが浮かんできましたので、鍵はモリエールだな・・・というところで終わりました。

・・というのも、図書館に行ってもモリエールの戯曲はほとんどなかったし、ヴェルレーヌ詩集もなかったし・・・(岩波文庫くらい全巻揃えて欲しい・・・)、ましてやモリエールと関係の深いリュリのオペラ・バレエを観るチャンスもないからです。

NAXOS MUSIC LIBRARYでもそんなに聴けるわけではないのですが、リュリの音楽の中にスカラムーシュという言葉が出てきました。これも道化方の一人のようですね。

 

Lully: Ballet Music for the Sun King

Lully: Ballet Music for the Sun King

  • アーティスト: Jean-Baptiste Lully, Kevin Mallon, Aradia Baroque Ensemble
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1998/06/12
  • メディア: CD

スカラムーシュといい、上記の道化方(ティルシス・アマント・クリタンドル・ダミス)にはそれぞれ持たされている性格があるようなので、それを知りたい・・・と思っています。

王は踊る

王は踊る

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2001/12/21
  • メディア: DVD

やっぱりこれを観たほうがよいでしょうか?


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コメント 7

プローテュース

「アルルカン」はコメディアデラルテのストックキャラクターの1人「アルレッキーノ」のことです。他のキャラとしてはパンタローネやプルチネッラとかがよく知られていますね。
http://enjoy.pial.jp/~naoki/index.html

しかしティルシス・アマント(アミンタ)は牧歌劇(パストラーレ)から出てきたキャラじゃないでしょうか。クリタンドル、ダミスはよく知りません。
http://www.tcat.ne.jp/~eden/Music/dic/pastorale.html

ティルシとアミンタについては、トルクァート=タッソの『愛神の戯れ』なんかを読まれるといいんじゃないでしょうか。

モリエールは喜劇(病は気から)の幕間劇にパストラルを利用しただけで、鍵にはならないと思いますが・・・

といってもよく知りませんので、どなたかフォローしていただけると助かります。
by プローテュース (2007-01-19 21:37) 

nyankome

私も調べてみました。
この方の記事が一番詳しかったです。
http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegaoka/songs/F/Faure/S140.htm
フォーレの「マンドリン」は唐澤まゆこさんのCDで聴きました。
by nyankome (2007-01-19 21:42) 

プローテュース

どうもティルシス、アマント、クリタンドル、ダミスの4人の中、前二者はパストラーレ(ヴェルギリウス、タッソ、グァリーニなど)からで、後二者はモリエールからといった本来別々のもので、しかも4者ともコメディア・デラルテとは無関係・・・そんな気がしてきました。

クリタンドルはモリエールの『孤客(ミザントロオプ)』に、ダミスは『タルチェフ』に登場しますね。
by プローテュース (2007-01-20 02:01) 

Cecilia

ブローテュースさん、二回もコメントをありがとうございます!
私もパストラル(パストラーレ)が気になっていました。
こちらのサイトでもティルシス・アマントが出てきました。
http://www.threeweb.ad.jp/~nityshr/jindex.htm
モリエールも含め、当時のパストラルなどではお馴染みの存在だったのではないでしょうか?
フォーレの曲の詩はヴェルレーヌで19世紀の人ですし、当時まで(あるいは現代まで)廃れずに続いているコメディー・フランセーズ(モリエールの戯曲を上演していますよね。)でもお馴染みなのでは・・・と感じています。
又ヴァトーはコメディア・デラルテの絵画も残していますが、同様にコメディー・フランセーズの役者達の絵画も残しています。(画集で見ました。)
私には区別はいまひとつよくわかりませんでしたが、両者の登場人物などは共通しているのでしょうか?(道化の呼称が共通しているとか・・・。)
フォーレやドビュッシーなどの解説書には必ず「コメディア・デラルテ」・・が出てくるのですが、ベルガマスクの解説ならともかく、この詩では「パストラル」を考えたほうがよいと私も感じていました。
by Cecilia (2007-01-20 10:38) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
もうご覧になっていらっしゃるかもしれませんがこちらもおもしろかったですよ。
http://www.ne.jp/asahi/wonder-island/wahhahha/art/commedia/index.htm
nyankomeさんのご紹介のサイトも別な時に拝見していましたが、詳しいサイトですよね。
ブローテュースさんへのコメントに載せたサイトでも17~18世紀のフランスのオペラの状況などがわかりました。
私も唐澤さんの「マンドリン」は(試聴ですが)聴きました。
以前も書いたように、なぜか「夢のあとに」は器楽演奏が多く、歌のCDは男声のものが多く、自分が参考にするCDとしては女性の(特にソプラノ)ものがよいのですが、たくさんあるわけでなく唐澤さんのそのCDを後になって知って欲しいと思いました。(「夢のあとに」と同時に「マンドリン」を練習していたので。)唐澤さんのCDにも「夢のあとに」がありましたっけ?とにかく女声でフォーレ・・・というのも意外とないのです。
ジェラール・スゼーとアメリンクの全集(「夢のあとに」はスゼー)、大好きなバーバラ・ヘンドリックスのもの(やっとの思いで一枚なのに6000円近く出して購入。)を持っていますが。
演奏の参考にするにはいろいろ聴き比べたいのですが、それができるものとできないものがありますよね。そうそうたくさんは買えないですし・・・。
by Cecilia (2007-01-20 10:58) 

nyankome

「夢のあとに」は残念ながら入っていませんが、面白い曲が多いCDだと思います。
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/mayuko_karasawa/uccd1097.html
by nyankome (2007-01-20 11:14) 

Cecilia

nyankomeさん、再コメントありがとうございます!
そうそう・・・以前このCDを記事に取り上げた時のアントワネットの曲といい、最近話題にした「エンパイヤ劇場の歌姫」といい、私が聴きたい物ばかり!
「マンドリン」を作曲した人の一人であるアーンの歌曲も入っていますし。(アーンは「フェート・ギャランテ」という題だったかもしれませんがとにかく同じ詩です。)
アーンのその曲が聴きたいのですが。
by Cecilia (2007-01-20 11:22) 

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