「王は踊る」の中のキリスト教
「王は踊る」の中の”キリスト教信仰”が非常に気になっています。
ルイ14世の母であるアンヌ・ドートリッシュとコンティ公を中心とした貴族達が夢中になっているキリスト教・・・映画の中で彼らは”長老派”と呼ばれていましたが・・・モリエールの作品が上演されている間、ひたすらロザリオを繰って祈り続けていました。そして、大きな声で祈り続けて劇を妨害していました。
これらの人々が皆信仰深かったとは思えませんが、アンヌ・ドートリッシュがルイに信仰深くあることを勧めている場面もあり、この時代のフランスのキリスト教信仰・・・というのが気になってきました。
そもそもフランス=カトリック・・・という思い込みしかありませんでしたし、映画を観て「王権神授説」という言葉も久しぶりに思い出しました。(すっかり忘れていました!)
神から王権を与えられたルイ14世は「教会の長子」という訳ですね。
でも「王は踊る」を観る限りではルイ14世は信仰深くないし、彼に従っているリュリやモリエール・・・特にモリエールは”長老派”に逆らっている感じがしました。
映画ではリュリの同性愛も描いていましたが、いかにも”長老派”から嫌われそうですよね。
ルイ14世は”長老派”に対抗するために音楽・バレエ・演劇を利用しているようにも感じました。(理解が間違っているかもしれませんが。)
そもそも映画の中で使われている”長老派”というのはプロテスタント教会の”長老派”とは違いますよね。
又先ほどいろいろ見ていたらアンヌ・ドートリッシュの舅にあたるアンリ4世(ルイ13世の父)はカトリックに改宗した・・・とあるのですが、もともとカトリックではなかったのでしょうか?
このあたりのこと、高校時代世界史を取っていなかったし、知識が薄いのです~!
どなたか教えてください!
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前の記事で映画に使われたリュリの「テ・デウム」について書きましたが、彼の他の宗教曲も聴いてみました。(三枚とも全曲試聴できます。)
そうそう、アンリ4世はプロテスタントだったんですよね。
アンリ3世はカトリック。
その両方とも親しかったのがモンテーニュでした。
(私は彼の価値観、好きなんです)
サンバンテルミの虐殺だとか血なまぐさい時代。
確かにフランス=カトリックのイメージですが
考えてみれば改革派のジャン・カルヴァンはフランス生まれです。
…私もうろ覚えで詳しいことは書けないのですが…。
困った時はウィキペディアを見ると色々とわかるかも。
by のの (2007-02-14 13:16)
アンリⅣはカルヴァン派だったのですね。即位にあたってカトリックに改宗しています。
ルター派、カルヴァン派が新教(プロテスタント)でしたっけ。カルヴァン派はフランスではユグノー、イギリスではピューリタン。
イギリス国教会も教義上はプロテスタント。ヘンリーⅧとその息子エドワードⅥはイギリス国教会、次のブラッディ・メアリーはカトリックですが、エリザベスⅠのもとイギリス国教会が再スタート。
このあたりのことは、映画『エリザベス』で観ました。
以上、世界史が専門の方に確認しました。(便利な職場です。)
by nyankome (2007-02-14 19:52)
ののさん、nice&コメントありがとうございます!
nyankomeさんがおっしゃっているようにアンリ4世はカルヴァン派だったのですね!!
私は高校で世界史を取っていなかったので、知識が断片的で繋がっていません。
モンテーニュについてもあまりわかっていません。
映画や漫画で勉強している・・・という感じですよね。
ところで・・・うちのYは今度神社のお祭りで巫女姿で踊ることになってしまいました!
昨日地区の区長さん&神事担当の方が来られて(菓子折り付き)、頼まれて・・・。
ついに「うちの宗旨が違いますので・・・」と言ったのですが。
他のお子さん(5・6年の女の子)も皆それぞれ出たくない理由があるのに「皆が出るなら・・・」と渋々です。
確かに滅多にないことで(7年に一度の当元らしいのです。)思い出にはなるのでしょうけれど、複雑です・・・。
でも区長さんの苦労もわかるし・・・という感じで・・・。
by Cecilia (2007-02-15 08:22)
nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
いろいろ情報をありがとうございます!
わざわざ聞いていただいて感謝申し上げます。
ユグノーというのは聞いていましたが、よくわかっていませんでした。
カルヴァン派だったとは驚きです。(ピューリタンも!)
ピューリタンといえば、ホーソンの「緋文字」も映画(スカーレット・レター)で観ました。
何度もコメントに書いている「7つの黄金郷」もエリザベス王朝の話で、プロテスタント(この場合ピューリタンと言ってよいのか、イギリス国教会と言ってよいのかわかりませんが。)とカトリックの対立が出てきます。
「エリザベス」も観る必要がありますね~!(ずっと観たかったのです。)
マーク・レスターが出ている「王子とこじき」の映画ではエリザベスも可愛いし、メアリも割と性格が良いですよね。
by Cecilia (2007-02-15 08:32)
モンタナさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2007-02-15 08:33)
今朝、電車の中で世界史の勉強をしている女子高生ふたりの会話。
「イスラムとかロシアとかイヤだよねー」
「○○はカトリック系だから苦手だよね~」
○○には彼女たちが通っているらしい学校名が入るのですが、
なんとS先生が今、教えていらっしゃる学校。
ヲイヲイ、キミたちの学校はカトリックじゃないよー!
ジョン・ウェスレーが聞いたら泣くよー!
ま、長老派だとかメソジストだとかまでわからなくてもいいけど、
カトリックかプロテスタントかぐらいは知ろうよ…と思いました。
Yちゃん、とんだことになりましたね。
ま、日本の文化を知るということで…。
うちの父も仕事を楽しんでいたようなので、Yちゃんも楽しんで欲しいです(笑)
by のの (2007-02-15 13:14)
いつも行くCDショップでNAXOSのCD購入するのですがCecilia さんのご紹介のCDが置いて無い事多数。Cecilia さんは投稿のCDはどちらでお求めになるのでしょう?。
by アートフル ドジャー (2007-02-15 15:13)
すでにののさんがヒントを出されていますが、「ナントの勅令」をWikipediaで調べればことの顛末がわかります。フランス革命の種火がこんなところにあったとはね。
by トスカ (2007-02-15 16:31)
ののさん、再コメントありがとうございます!
牧師を「神父様」と呼ぶ人は結構多いですよね!
某校の生徒さん、頑張ってお勉強してね~という感じですね。
都会ではもっと意識の高い人が多いと思うのですが、少数派が言うことなどピンとこない人が多いようなので、少しずつ声をあげていかなくてはならないと感じています。
個別に聞くと意外とそれぞれ事情があるのですよね。
一人のお子さんはお母様がどこかの教会に行っていることも今回のことでわかりました。(もしかしたら○○○の塔か○ル○ンかも・・・)
by Cecilia (2007-02-15 17:58)
アートフル ドジャーさん、nice&コメントありがとうございます!
サイドバーのカスタムペイン3にNAXOS MUSIC LIBRARYのリンクを載せています。
NAXOSのCDは全て、他のレーベルのものも月額1890円で聴くことができます。(ダウンロードはできません。)
試聴もできますので是非お試しください。
私の記事ではNAXOSで聴いたものが最近多いですが、手元に持っているもの、持っていないけれど試聴できるもの(試聴して確かめたもの)を載せるようにしています。
しかし「これ欲しい~」のレベルのものもたまに載せています。
NAXOSのおかげで助かっています~!
by Cecilia (2007-02-15 18:05)
トスカさん、nice&コメントありがとうございます!
早速見てきました。
結局いろいろな事情が絡み合っているので、「アントワネットが贅沢したから」・・・ではないのですよね。
プロテスタントの勤勉さが産業を活性化させていた・・・という話もよく聞きます。(この世での業に励みなさい・・・という感じで・・・)
それと次の記事でフォーレの「町人貴族」について書きました。
何か解説をご存知ではないでしょうか?
by Cecilia (2007-02-15 18:11)
王権神授説とか長老派とか…なんか、ちょっと懐かしい響き(というのもおかしいですけど)ですね。世界史って、こうして年をとって、授業とか講義というものから遠のいてから少し興味が湧いてくるものなのかも。考えてみたら、教皇が複数存在してしまった時代もあったりしたんでしたっけね。ちょっと歴史の教科書をもう一度読んでみたくなりました。
by (2007-02-17 00:44)
masaさん、コメントありがとうございます!
私は歴史が嫌いではなく好きなほうでしたが、こうして思い出してみると自分の知識がいかに断片的だったかと思わされます。
私も娘の教科書をもっと読んでみたいです。
教皇が複数存在していた時代・・・これは私もよくわかりませんが・・・そうなのですか?
世界史を選択していなかったのがつくづく悔やまれます。
by Cecilia (2007-02-17 09:03)
>教皇が複数存在していた時代
シスマ(教会分裂)は何度かあったようですが,14世紀末から15世紀初頭のものが有名で,確か教皇庁がローマとフランスのアヴィニヨンの2つありましたですね。
音楽史的にはアルス・ズブティリオルの作品が生み出された時期で,
(リンクさせていただきました。)
http://www.amazon.com/Codex-Chantilly-Ballades-Josep-Cabre/dp/B000FDFO1M/sr=1-4/qid=1172056007/ref=sr_1_4/104-1450904-2611121?ie=UTF8&s=music
かなり不思議な響きとリズムを取る曲が多く,リンクいたしましたフランスのシャンティ写本,イタリアのモデナ写本,そして遠く当時のキプロス島で写されたトリノ写本に曲が残されております。
この音楽,当方,結構はまりました。
by fallschirmjager (2007-02-21 20:29)
fallschirmjagerさん、再コメントありがとうございます!
試聴しましたが、この不思議な響きは大好きです。
この時代の作品も秋にIn dulci jubiloを特集した時に聴きましたが、フランスの作品ではなかったので、また聴き比べたら新たな発見があるかもしれませんね。
by Cecilia (2007-02-22 09:24)