カルメン [映画]
久しぶりにこの映画化されたカルメンを観ました。
euridiceさんやkeyakiさんのところで拝見し、懐かしく思った作品です。
昔友人と観に行って、観終わった後、闘牛士の歌が歌いたくなって、渋谷の道玄坂あたりを歌いながら駅まで下っていった記憶が残っていますから、ルジェーロ・ライモンディの歌が素敵だったのですね~。(ライモンディに関してはkeyakiさんがたくさん記事を書いていらっしゃいます。)
当時はライモンディのことはあまり意識せず、カルメンとホセにしか目が行かなかったのですが、ホセはドミンゴなのですね。
ドミンゴは私の中ではエネルギー溢れる”男”・・・という感じで、イメージとしてはホセというよりエスカミーリオなのです。
この映画を観た時・・・この時は確かまだ大学3年生で声楽は習いたてで、オペラもあまり観ていませんでした。
たぶん「カルメン」を初めてまともに観た時でした。
カルメンには悪女というイメージしかありませんでしたが、これを観て非常に共感できたような気がしたものです。
男を振り回す女ではなく、「自由」を求める女。
それが当時の自分の心境と一致していたため、「私の中にはカルメンのような部分がある。」と言ったら、一緒に行った友人(男性)に「Ceciliaさんはミカエラですよ。」と言われかなり不満でした。
ミカエラは清純で芯が強い乙女なのですが、「お母様からのキスをあなたに・・・」「僕からのキスをお袋に・・・」の場面がどうも好きになれず、そういうこともあって好きになれないキャラクターでした。
しかも山の中の場面でホセに「お母様は危篤」と言う場面。
何故それを先に言わないの・・・と思います。
しかし・・・久しぶりに見てみたら、この映画のミカエラはなかなか素敵な人でした。
私が持っているグラインドボーン音楽祭のミカエラは歌は抜群に素敵なのですが、ぽっちゃり体型と落ち着いた雰囲気で”イモ娘”に見えてしまって。
たいていの場合、ミカエラはイモ娘です。(あくまでも私が観たものですが。)
久しぶりに観てみて、新たな視点に気がつきました。
まず映画なので舞台とは違った場面から始まること。
舞台ではありえませんが闘牛の場面で始まります。(最後は舞台と同じく闘牛の場面で終わります。)
それからロマ(ジプシー)の人々の野営の場面みたいなのがあちらこちらに出てくること。
こういう描き方をしていると、「カルメン」が単なる恋愛物ではなく、ロマの女としてのカルメンを強く押し出しているように思えます。
闘牛シーンで始まっていることから、この地方の人々の気質を表現しているとも思えるし、ホセもナヴァラ出身を強調しているので、そういう面から見たらおもしろいですね。
私がよく思うのは日本人歌手でカルメンを歌う人は「悪ぶった感じ」が多いこと。
「悪ぶって」いるだけで、歌っている人はいかにも真面目に「声楽のお勉強をしました。」という雰囲気。
でもこの映画にしても、私が持っているDVDにしてもカルメン役の人は全然悪ぶってなくて自然体ですね。
Krauseさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2007-07-23 17:58)
カルメンのイメージは、愛という業に取り付かれて、ものすごく行動を束縛された人、というか、愛に踊らされた人という感じで(しかも踊り続けなければ死んでしまうようで)すごく気の毒な人というイメージを持っています。
by トスカ (2007-07-23 20:27)
オペラはアグネス・バルツァのものを持っていますが、映画はこちらを観ました。(R-18ですが。)
http://www.amazon.co.jp/carmen-%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%80%90%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%84%A1%E4%BF%AE%E6%AD%A3-R-18-%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%80%91-%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%AC/dp/B000EQIQF6/ref=sr_1_5/249-4955173-6552359?ie=UTF8&s=dvd&qid=1185189734&sr=1-5
なぜカルメンやホセがこういう運命をたどったのかを、「カルメンが悪女だったから」という単純な描き方では駄目ですよね。
by nyankome (2007-07-23 20:30)
この映画、大好きで何度見たかわかりません。舞台映像では、こんなにかっこいい闘牛士にはまず出会えませんね^^;
ミカエラのキス。イギリスの絵本でE.H.ミナリック文、センダック絵のシリーズの一冊に「だいじなとどけもの」というのがありますが、この大事な届け物が「キス」でした。カルメンのこの場面を見ると思い出します。
舞台映像ではこんなに素敵なミカエラにもなかなか出会えませんね。ほんとに大概「イモ娘」
>日本人歌手でカルメンを歌う人は「悪ぶった感じ」が多い
私が実際にみた市民オペラのカルメン、山賊の女親分みたいでした・・
by euridice (2007-07-23 21:49)
xml_xslさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2007-07-24 00:30)
トスカさん、nice&コメントありがとうございます!
そのイメージはカルメンというよりもホセのイメージのように思えます。
トスカさんのことですからきっと原作をお読みになっていらっしゃるのでは?
私も以前何度か読みましたが、オペラと違ってとっつきにくかったです。
nyankomeさんがご紹介の映画の公式HPを見ることができましたが、すごく観たくなりました。
by Cecilia (2007-07-24 00:33)
nyankomeさん、コメントありがとうございます!
公式HPを見ることができました。
http://www.crest-in ter.co.jp/carmen/
凄いです!
見たくなりました。
レンタルビデオ店にあるでしょうか?
でもR-18では娘達に隠れて見なければ・・・。
3年前の作品なのですね。
全然知りませんでした。
by Cecilia (2007-07-24 00:38)
euridiceさん、コメントありがとうございます!
本当に格好いいエスカミーリオですね。(keyakiさんのお気持ちがわかるような気がします。)
センダックは大好きでよく子供と読んでいましたが、その作品は知りませんでした。
今度気をつけて見てみます。
自分がソプラノなのでミカエラはやはり気になります。
初めてミカエラのアリアが入ったCDを買ったのがフレーニだったので、どうもフレーニのイメージが抜けません。
フレーニの声、やはりしっくりきます。
グラインドボーン音楽祭のカルメンをオッターが演じているDVDはお気に入りですが、際どい演技と台詞が多いので賛否両論ですね。
そのDVDのミカエラの歌は好きですが、おばさまが三つ編みをつけている・・・という感じがしてしまうのが残念。
歌だけ聴いたら「可憐な娘さん」なのに・・・。
by Cecilia (2007-07-24 00:47)
ホセはカジノで負けが込んで必死なオヤジという感じ。
by トスカ (2007-07-24 20:29)
日本人にはカルメンは"演じ"られないという偏見を持っているPapalinです。
何度観たオペラでしょうか。日本では3回くらい、ヴェローナで2回観ています。飽きないですね。実は「真珠採り」も大好きです。
ホセについては、何と言っても弱々しい軟弱なイメージを出せる歌手でないとダメです。そういう意味では、3大テノールではイメージが強すぎです。中ではカレーラスが一番でしょうか。ホセは新人歌手のデビュー作にもってこいだと思います。
グラインドボーンのLD、持っていますよ。マリア・ユーイングが大好きになってしまった上演でもありました。文句なしでした。ぽちゃぽちゃのイモ姉ちゃんのミカエラもいいじゃないですか。僕は好感を持っていますよ。オペラは、演じている人の実年齢を考えてはいけませんね。いかに十代の小娘になりきれているかを観るべきだと思いました。
by Papalin (2007-07-25 07:55)
トスカさん、再コメントありがとうございます!
確かにそうですね。
カルメンのために人生を棒に振ったのですから、何とかしなきゃ・・・と必死でしょうね。
by Cecilia (2007-07-25 08:38)
みどさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2007-07-25 08:44)
Papalinさん、nice&コメントありがとうございます!
私が持っているのはグラインドボーンでもユーイングではなくオッターが演じているものなのです。
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2005-07-21
あの知的な人が・・・と驚くような演出です。
意味深な台詞(たぶん台本にないです。)が多い際どい演出。
出演者が煙草をスパスパ・・・!
お気に入りです。
ユーイングも大好きです。
以前「サロメ」や「フィガロの結婚」の記事でユーイングに触れました。
カルメンは一度も見たことがないのですが、皆さんが勧めてくださるので一度是非見たいと思っています。
ホセはやっぱり3大テノールではカレーラスですよね!(ファンです。)
その点、私が持っているグラインドボーンのホセ(名前忘れました。)は情けなさが際立っています。
このDVDのミカエラ、イモ娘(おばさん)ですが、歌と所作は可憐な娘さんです。
by Cecilia (2007-07-25 08:54)
ユーイングの「サロメ」の記事です。
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2005-12-29-1
by Cecilia (2007-07-25 08:56)
ユーイングのケルビーノについて触れた記事です。
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2005-12-09
by Cecilia (2007-07-25 09:07)
そういえばユーイングが出ている「ディドーとエネアス」もありました。
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2007-02-07
by Cecilia (2007-07-25 09:10)
だいたいカルメンが好きな人は、彼女の自由を求める心とか情熱とかに憧れたり共感する人が多いように思います。でも私は全然カルメンみたいな女ではないし、どちらかというとそれこそ「イモ娘」のミカエラの気持ちがよくわかるような・・・・。
だからというわけでもありませんが、ミカエラのアリアは大好きです。きれいだし。それに、勇気をふりしぼって恐怖に勝とうとするんだけどでもやっぱり怖い!っていう弱さとかが絶望が現れていて、私はやっぱりミカエラが好きです。私の友達なんかはカルメンの方がやっぱり好きで、ミカエラ嫌いっていう人が圧倒的に多いですけど・・・。
by megmeg (2007-07-30 17:38)
nyankomeさん、はじめまして。
>映画はこちらを観ました。
レンタルできたので、見ました。
ほんとうに「完全××」と騒ぐようなものではないですね。
カルメンに溺れてオペラに比べればもっともっと転落していくホセの気持ちは、男にとっての女とはああなのかなぁというレベルですけど、わかるような気がします。対してカルメンの本心はなぞ。結局、女であることを利用しなければ生きられない、そういう生まれ育ち。自由奔放な部分もないとは思わないけど、幼いときから、支配的な男に従属せざるを得なかった不幸な女という印象。だからこそ、ホセには従属したくなかったのかも。そう簡単に割り切れるような映画ではなかったです。けっこう重い。ミカエラに相当する女性は出てこないんですねぇ・・
by euridice (2007-07-30 18:24)
megmegさん、コメントありがとうございます!
(以前もコメントをいただいていましたでしょうか?HNに記憶があるような・・・。それとも最近でしたでしょうか?)
私もミカエラの気持ちもわかるのですが、カルメンのほうに魅力を感じてしまいます。
ミカエラが1人山の中に入っていくシーンは大好きです。(ホセとのやり取りのシーンはだめですね~。)
アリアも歌いたいのですが。
最近フランス語にも慣れてきましたので。
ミカエラ・・・同性に嫌われやすい女NO1かもしれませんね。
カルメン・・・オペラの中では同性の友達が多いと思いませんか?
カルメンはもてるだけでなくて、きっと同性の間でも気のいい女なのでは・・・と思ったりします。(ミカエラの友達は登場しないだけですが。)
by Cecilia (2007-07-31 00:51)
euridiceさん、nyankomeさんにコメントのことをお伝えしておきます。
euridiceさんのコメントを拝見し、ますます見たくなりました。
by Cecilia (2007-07-31 00:58)
euridiceさん
オペラをたくさん観られているのですね。
「カルメン」、早速レンタルされましたか。
綺麗にスパッと割り切れないのが、人間の心だと思います。
ホセの気持ちは、男としてよく分かります。私は、実際あそこまで落ちていく勇気がありませんけど。(苦笑)
カルメンの本心はどうなのでしょう。殺されて救われたとも思えます。男の勝手な言い分でしょうか。
確かにこの映画は重いです。
by nyankome (2007-07-31 23:04)
Ceciliaさん、 nyankomeさん、こんにちは。
スペイン映画「カルメン」について簡単な記事を書きましたので、リンクさせていただきました。TBもしますので、よろしくお願いします。
by euridice (2007-11-05 08:47)
euridiceさん、再コメント&TBありがとうございます!
それではこれから拝見させていただきます。
ドキドキ・・・
by Cecilia (2007-11-05 11:28)
euridiceさん
記事にして頂いたのですね。拝見します。
by nyankome (2007-11-05 21:34)
カルメンについて調べていました。映画があるのですね。これはいつか見てみたいと思います。
by Klavia (2008-06-26 19:11)
Klaviaさん、nice&コメントありがとうございます!
この映画はレンタルビデオ店などにあるかもしれません。
是非ご覧になってくださいね♪
by Cecilia (2008-06-26 21:11)