SSブログ

コドモであり続けるためのスキル(貴戸理恵) [読書]

一ヶ月ほど前に鈴木邦男さんの「失敗の愛国心」の記事を書きました。

同じ理論社のよりみちパン!セのシリーズの本です。

コドモであり続けるためのスキル (よりみちパン!セ)

コドモであり続けるためのスキル (よりみちパン!セ)

  • 作者: 貴戸 理恵
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本



この著者には冬くらいから関心がありました。

”不登校”に関するいろいろな考え方について検索していた時、私は”東京シューレ”に興味を持ちました。
東京シューレは不登校に対して肯定的です。
かなり有名なフリースクールだと思いますが、シューレ大学というのもあるし、今では中学まであります。

著者の貴戸さんは東京シューレの主催者と対立する意見を持っている元不登校者ということで気になっていました。(不登校に対して否定的というわけではありません。)

例によって面白い内容でした。(ただ鈴木邦男さんのほうがすらすら読めたかな?)

元不登校でも輝かしい道を歩める人もいます。
それは言ってみれば不登校経験者の”エリート”みたいなもので、多くは不登校と言う道を積極的に選んでいるわけではない・・・ということを、フェミニズムとの関わりで書いています。

私は上野千鶴子さんの著書も読んだことがありますし、フェミニズムにも興味があるので(笑)、大変興味深く読みました。

「一人ひとりの生きづらさ」というものを我慢したり納得するのではなく、同じような生きづらさを抱えた人たちと連帯していこう・・・という内容です。

そして教育や経済における、個人の力ではどうしようもない格差・不平等・・・に対してもっと怒らなくてはならない・・・ということを言っています。

興味深かったのは「浦河べてるの家」のことが出てきたことです。(以前新聞で読んだことがあり、興味がありました。)
そこに住む精神障害を持つ人々が、幻覚、幻聴、妄想・・・などの生きづらさを克服するのではなく、ユーモアを持ってそれらと付き合って、同じような生きづらさを抱えている人たちと連帯していることを例に”コドモであり続けるためのスキル”を得るにはどうしたらよいか・・・ということが書かれています。


冒頭にリンドグレーンの「長靴下のピッピ」が長く引用されていました。
この本は特に長女が大好きだった本で小2くらいからかなり長いこと愛読していました。
私も子供のころドラマ版を見て好きでしたが、大人になって再び読んでみてあまりのハチャメチャ振りに、教育上よくないのでは・・・と思うほどでした。(笑)
今再び読んでみると、学校になんか行かなくたって、ずっと子供のままだって、社会に”適応”なんかしなくたっていいや・・・と思えてくるから不思議です。






nice!(7)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 7

コメント 10

Cecilia

Krauseさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2008-06-06 12:35) 

nyankome

>教育や経済における、個人の力ではどうしようもない格差・不平等・・・に対してもっと怒らなくてはならない
そう思います。最近、ものを考えさせない政策がなされているのでは、と心配になります。理不尽なことにもあまりに従順過ぎるひちが多いような気がします。
by nyankome (2008-06-06 22:58) 

袋田の住職

自然とともに暮らす生活で、豊かさを味わって欲しいです。

人生は山あり谷あり、いろいろな人と係わり合い、助けたりられたりして送るのが人生です。
また、人生で失敗したり、立ち止まったり、当事者は大変でしょうが、それが、貴重な体験になるかと思います。

受験勉強だけで青春を過ごす若者が将来どうなるのか心配です。
有名大学や高校に合格しただけで、一流企業や国家公務員に合格しただけで人生の勝者だと勘違いしたり・・・
by 袋田の住職 (2008-06-07 06:50) 

U3

難しいなぁ。
人と関わるという事の本質が問われていると思うけれど・・・

by U3 (2008-06-07 08:47) 

Cecilia

yumaさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2008-06-07 09:31) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!

>ものを考えさせない政策

言えていますね!
為政者にとって都合の良い人間にはなりたくないし、たとえ「負け組」だとしてもそこから考えるべきこと、訴えるべきことはありますよね。
by Cecilia (2008-06-07 09:48) 

Cecilia

xml_xslさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2008-06-07 09:51) 

Cecilia

袋田の住職さん、nice&コメントありがとうございます!

>自然とともに暮らす生活で、豊かさを味わって欲しいです。

うちも田舎ですが、”自然と共に”とは言い難い生活です。

>人生は山あり谷あり、いろいろな人と係わり合い、助けたりられたりして送るのが人生です。

今娘達はまさにその只中にいます。


>また、人生で失敗したり、立ち止まったり、当事者は大変でしょうが、それが、貴重な体験になるかと思います。

今はその日を過ごすのに必死ですが、必ずや”貴重な体験”になることでしょう。
失敗した時の”受け身”の方法や、立ち上がり方も学ばせていただいているのだと思っています。

>受験勉強だけで青春を過ごす若者が将来どうなるのか心配です。

うちは受験勉強すらできませんでした。
受験勉強を何の疑問もなくこなせている子達がうらやましいですが、これにも意味があったと思いたいです。(必ず意味はあると信じています。)

>有名大学や高校に合格しただけで、一流企業や国家公務員に合格しただけで人生の勝者だと勘違いしたり・・・

有名高校に合格するほうがある意味”楽”だったと思っています。
先日も予備校(高卒認定&大学受験)の親の会で講師の先生が「子供たちには『君たちは大変な道を選んだんだよ。』と言っています。」とおっしゃっていました。

by Cecilia (2008-06-07 09:59) 

Cecilia

U3さん、nice&コメントありがとうございます!
長女が通っている予備校の他の子達と接していないので何とも言えませんが、不登校や中退者の多くは人間関係に躓いたりしていて、人と接するのが苦手だったり避けたりしていると思います。
それでも皆心の中では(つながりたい)という思いを持っていることを先日の親の会で確認できました。
by Cecilia (2008-06-07 10:04) 

Cecilia

アートフル ドジャーさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2008-06-10 08:58) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

町内会の清掃奉仕Paulus(Mendelssohn) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。