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教師と親の指導~本人の自覚(Tちゃん&Sちゃん姉妹) [ピアノ]

昨日の記事の続きです。

考えてみたらまだまだすごい子(たち)が身近にいました。

まだまだいることはいるのですが、最も身近で特別Big(あくまでも以前住んでいた地元での)な子たちに絞るつもりです。

こちらに来てからの地元には残念ながらピアノに関してそれほどBigな子達はいません。


今日のBigな子は姉妹で姉がTちゃん、妹がSちゃんです。
本当は弟もいますが、彼はピアノをやっていません。

Tちゃんはうちの長女よりひとつ上で今高2、Sちゃんは次女と同じ年(学年)です。

学校は違っていたのに身近だったのはこの子達のお母様が私と一緒にリコーダーサークルをやっていたからです。

実はここの姉弟たちも地元ではいろいろな分野での優秀児・・・で通っています。
それぞれがそろばんや書道、夏休みの絵画、工作、作文・・・・などで常に表彰されています。
(実は彼らの従弟もそうでした。)

お母様は実際にはハッパをかけているのかもしれませんが、割とのびのびとお子さん達を育てていらっしゃるように見受けられます。

実はTちゃんの先生とうちの娘達の先生が親しい関係なので一時期あずかって見た事があるそうです。(Tちゃんたちの先生が産休だったので。)

ピアノレッスン前に当時小2だったTちゃん・・・、ザリガニ取りに夢中になって臭い手でやって来たので洗わせた・・・というお話をうちのK先生から聞きました。

PTNAという大事な時に先生が産休だった・・・というので、うちの先生も相当気を遣ったようですが、本選に行けることになり、お母様は随分いろいろアドヴァイスされたそうです。(K先生からです。)
・・・でその話は私も随分聞かされました。

まず先生から、Tちゃんはとてもぼ~っとした子で、本番直前も壁をなぞりながらふら~っと歩いているような子だった・・・と聞きました。
その様子がとても田舎臭くて恥ずかしかった・・・ということです。
お母様のほうからは、「K先生から本選の時にはいつも使っているキルティングのレッスンバッグではなくファミリアのレッスンバッグを持って行くように・・・と言われた。」という話を聞いています。
私が見てもそのキルティングのバッグは手が込んでいて素敵なものでしたが、なぜファミリアでなければいけないのだろうか・・・と話し合ったものです。
大体、本選会場に行っても皆がファミリアだったわけではありません。
先生の感覚ではキルティング=ダサい、ファミリア=お受験用&コンクール用・・・だったのでしょう。

K先生はともかく彼女達の先生(T屋先生)はそういうことを指示しない先生でした。
前に書いたT先生やT田先生と違い、ワンマンさが全くないおとなしくて地道な先生でした。
きっと本当に実力のある先生だったのでしょう。
今はその先生のお嬢様のお名前を地区本選で見かけるようになりました。(ちゃんとHPでチェックしている私・・・)

実はT屋先生は地元の音楽家協会では中心的存在で、うちの娘達も音大受験前の高校生達の弾き合い会に参加させていただいたりで(音楽家協会の先生方の生徒さんたちのこじんまりした演奏会)お世話になったのです。
前の記事などで書いたT先生、T田先生はこの協会の先生方から嫌われていましたが、T屋先生はそのような悪口をあからさまにおっしゃるような方ではないと思います。(おそらく)
T屋先生はいつも優しい笑顔で「がんばってね。」と声かけしてくださるような・・・そんなタイプです。

さてTちゃんですが・・・彼女はとてもおっとりしたタイプで、人から声をかけられてもどぎまぎしているような子です。
(今はどうか知りませんが、当時うちの長女は馬鹿みたいに声をかけまくっているのにTちゃんは「えっ・・・」という感じでした。)
こういうところがAちゃん、Mちゃん、K.Mちゃんとは大違いですね。
全く戦闘的なところがなかったです。
だからレッスンでもT屋先生が「今年はPTNAはどうする~?」とおっとりとお聞きになって、Tちゃんが「う・・・・ん??」という感じだったみたいです。
妹のSちゃんは結構活発な雰囲気だったと思います。

でも二人ともPTNA本選に行くことが多かったです。
多かった・・・というのはある時期から行けなくなったからです。
どちらかといえばK新聞主宰のコンクールのほうが合っていたようでそちらでは常に受賞していました。(ある時期からPTNAはやめてそちらに絞ったのだと思います。)
Tちゃんは大体金賞ですし、Sちゃんも銀賞、銅賞をとっています。
(例のMちゃん、Aちゃん・・・はPTNAもこちらもすごかった・・・。)

あとTちゃんとSちゃんたちの教室の発表会はコンクールの季節にやっているので、大抵同じ曲を弾いていたと思います。
・・・ということは一年に弾く曲がそんなに多くなく、少ない曲で絞って頑張っていたのでは・・・と思います。
(うちの長女ほど伴奏もこなしていなかったし・・・)

毎年当然のように受賞する・・・というのもかなり大変なことなのでは・・・と思うのですが、二人ともそれをこなしているのですごい・・・と思いました。

彼女達は何が何でもピアノ・・・・ということもなく、検定のひとつみたいな感じで頑張っているような雰囲気が感じられましたね~。(そろばん検定とか・・・)

お母様もご自分が薬剤師なので、娘さん達を理系に進ませたい・・・という雰囲気でしたし。

グランドも何度勧められてもなかなか買わなかったと思います。
長年使っていたアップライトがボロくなったのでやっと買った・・・という感じです。
グランドを買ってしまうことで将来の選択肢が音楽に絞られてしまいそうだ・・・とおっしゃっていたことがあります。

そうそう・・・ここのご家庭は貧乏ではなかったのですが、本当に堅実なんです。

大体発表会やPTNAというとドレスが多い(田舎の発表会ではドレスが少ないですが・・・)のですが、わざわざ買ったり作ったり・・・はなくて、お手持ちのきちんとした服・・・がほとんどでした。(けしてブランドではない!地元のショッピングセンターで買えそうな服でした。)

Tちゃんは私立高校の理系に進まれたようですがきっと地道に続けるのでしょうね。
コンクールはいつまで参加するのでしょうか??


そうそう・・・肝心の音楽性ですが、二人にそういうことを感じたことはないかも・・・。
曲が始まる時の集中度、出だしの雰囲気、華麗な指さばきは素晴らしいのですが・・・。(弾き方はとても似ています!)
よくも悪くも”スポーツ感覚”みたいな雰囲気を感じます。
でもあれから数年経っているので成長している可能性は高いです。










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すとん

 ここ、三つばかり連続した記事を読んで感じたこと。

 こんな事を書いては冷や水かもしれないけれど、そんなに娘に熱心に芸を仕込んで、その親たちは娘を何にしたいのでしょうねえ? プロのピアニストですか? でもプロのピアニストになれる子だったら、親がそれほど熱心でなくとも、神様がうまく導いておのずとピアニストになれるように道を備えてくださると、私は思う。逆に神様がそのつもりでないなら、何をどう熱心に仕込んだところで、単に「ピアノがお上手なお嬢さん」で終わるでしょう。肝心なのは、親の熱心さではなく、神のご意志だと思うんだけどなあ…。

 ううむ、冷やかすぎる意見かな。

 でもネ、結局、人生たった一回の子ども時代を音楽にやたらと熱心に費やすという事は、音楽以外の生活を切り捨てるわけでしょ。切り捨てたものに神様の招命があったら、どーするんだろって、単純に考えます。

 それも余計なお世話か。

 音楽家になる子は、親の気持ちとは関係なしに、たぶん、ほっといても音楽家になっちゃうと思う。
by すとん (2008-07-19 19:46) 

nyankome

私はこういう世界のことを全く知りませんので、感心して読ませて頂きました。こういう子たちがわんさかいて、その中で一握りの人が名を成す音楽家になるのでしょうね。
by nyankome (2008-07-20 00:17) 

Cecilia

すとんさん、コメントありがとうございます!
管理画面ではコメントの一部しか見えず「・・・こんな事を書いては冷」までだったので、私に対する冷たいご意見かと思い、ドキドキしながらコメント欄を開きました。(笑)

実はこれらのお子さんの親御さんのことは他人事ではないのです。
うちの場合は不登校絡みでこういう世界からも降りてしまった娘達です。(実際には不登校になるより前から始まっていましたが、私もだんだん疲れてきた・・・というのもあったし・・・)
親や先生がガンガンやってもこういう子たちが不登校になったりするわけでもなく、いろいろと思いをめぐらせます。
中途半端な関わりではなく、人からどう思われようと、子供の才能のために必死になるのもけして批判できないことだと思うのですよ。

ただすとんさんがおっしゃること、本当にそう思います!
どこに神様の招命があるかわかりませんよね!
それに音楽家になるためにいろいろなものを切り捨てたからといって素晴らしい音楽家になれるわけでもないでしょうし。
音楽家になれても親は更に大変そうですよね。
リサイタルのチケットを捌いたりとか。
う~ん、やっぱ財力がないと大変そう・・・。
私は技術的なこと以外に本人の「好き」という気持ちが大切だと思うし、思想とか哲学みたいなものを持っていることも大切だと思うのです。




by Cecilia (2008-07-20 06:11) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
昔はこれほどではなかったはずですが、PTNAが子供のピアノの世界を変えた・・・と言っても過言ではないと思います。
どんな田舎にいても都会の子と変わらないレッスンを受けられるようになってきているのは評価できることだと思います。
実際にはまだまだですが・・・。
やはり教師側の研鑽のためのコンクール・・・と考えるほうが良いと思ったりもします。
審査員の高評も子供のため・・・というより教える教師に対してのもの・・・と感じましたので。
PTNAは指導者賞・・・というのもあるので教師にとっても励みになるかもしれませんが、見ていると毎年同じような教師が指導者賞を取って、その教師が違うところで審査員もしていますので、いろいろ思いをめぐらせたこともありました。
by Cecilia (2008-07-20 06:29) 

marie_therese77

周囲に該当する人がいないのでPTNAという団体があることを今まで知らなかったのですが、Ceciliaさんのブログを読んで驚きました。演奏だけでなく、当日の服装も大切なのですか!小中学生のお子さんがドレスを着てピアノを弾くのですね。うーん、未知の世界を垣間見たようで興味深いです。PTNAという組織(社団法人なのですね)も、ビジネスモデルとしてよくできてますね。税金の優遇措置もあるのかな?

全国で何万人ものお子さんたちがピアノのレッスンに励み、その中にはプロのピアニストを目指す子も少なくないと思いますが、最終的にプロとして大成するのはほんのわずか。才能と運がなければ生き残れない、厳しい世界ですね。

でも、プロになれなくても子供の頃から学んだ楽器演奏の腕前は、その後の人生を豊かにしてくれると思います。本人が、プロにならなかったことを「挫折」と捉えるのでなく、人生の一つの選択肢として前向きに捉えられればの話ですが。そのあたり、親御さんのフォローが大切でしょうね。

夫のPh.D. advisorだった先生はチェンバロを弾く人で、進路を決める時に音楽をやるか、数学をやるか悩んだそうです。で、結局数学者になり、チェンバロは趣味として続け、今は退官してイタリアン・アルプスにほど近い自宅で音楽三昧の生活です。奥様もプロのヴァイオリニストなので、気がつけばいつも音楽がそばにあったという人生ですね。この人のケースなんかは、音楽が人生を豊かにしてくれた典型だと思います。
by marie_therese77 (2008-07-23 11:19) 

Cecilia

marie_therese77さん、コメントありがとうございます!
旦那様はPh.Dを取っていらっしゃるのですね。
数学の方なのでしょうか?

ピアノを学ぶ子の多くは後々趣味になる子が多いはずですから、たとえばロックバンドをやったり、オーケストラや吹奏楽をやったりするときに必要なことを教えてあげるほうが良いと思うのですが、そういうことを意識した指導をしてくださる先生は少ないように思います。
個人的には指遣いを正しくすることと同じくらい、コード譜を見て弾いたり・・・などを教えてくれるとあとあとの音楽人生に役立つ・・・と思うのですが。(教えている先生もいらっしゃるのでしょうね。)
コンクールに参加していると、だんだん親も子も予選通過できないことで自信を失っていくようになりがちですが、実際には本選に行ける子と行けない子にそう大きな違いがあるわけではなかったりするので、自信を失う必要もないのですよね。

コンクールの服装・・・華美すぎるのもどうかなあ・・・という気もします。
むしろシンプルなほうが好感が持てますからね。
髪型も重要だったりするんですよ。
うちの長女はずっと前髪もサイドをかっちりあげたシニヨンでしたが、中2のときは自分でする・・・というので任せていたら前髪とサイドをおろしたシニヨンにしてしまって、案の定審査員に「お顔が見えませんよ。」と書かれました。
それがどれだけ審査に響いたかわかりませんが、どちらにしてもすでに賞狙いではなかったので、私も本人も堪えていませんでした。
難しい年齢だったので、自分で考えてそうしたのならいいか・・・と思うことにしました。
ちなみにドレスはずっと私の手作りでしたが、中学生になってからは作るのも億劫になってネット通販で買ったものにしました。
安くても素敵なドレスが多く、あれもこれも欲しくなりました。(笑)

どんなジャンルでも子供の時に入れ込んだものに挫折した時、親のフォローなどは大切ですね!


by Cecilia (2008-07-24 07:32) 

marie_therese77

Ceciliaさん

>>数学の方なのでしょうか?

はい、大学で教えてます。
今の時代にアカポスを目指すのはプロのミュージシャンや画家を目指すのと同じくらい「人生を誤る危険性のある」行為で、夫の大学院の同級生たちも、研究者としていまだに活動しているのは夫くらいで、他の人たちは早々に見切りをつけて別の道に進んでしまったそうです。貧乏な研究者の道を進むよりは、銀行員にでもなって沢山稼ぐほうが生活は安定しますからね。私は「売れないミュージシャン系」にシンパシーを感じちゃうほうですが。

>>たとえばロックバンドをやったり、オーケストラや吹奏楽をやったりするときに必要なことを教えてあげるほうが良いと思うのですが、そういうことを意識した指導をしてくださる先生は少ないように思います。

残念ですね。広い視野をもって、一生音楽と仲良く付き合うためのコツみたいのを指導してくださるといいですよね。

>>ちなみにドレスはずっと私の手作りでしたが、中学生になってからは作るのも億劫になってネット通販で買ったものにしました。

小学生時代はお母様手作りのドレスでコンクールに出場していたなんて、素敵ですね。お嬢様の一生の思い出になると思います。もちろん、通販であれこれ選んで買ったドレスも楽しい思い出になることでしょう。こうしてみると、PTNAのコンクールというのは親子で熱中する一大イベントなのですね。
by marie_therese77 (2008-07-24 23:45) 

Cecilia

marie_therese77さん、再コメントありがとうございます!
実は私の姉夫妻も研究者です。(姉はPh.Dを取っています。)
二人とも今非常に収入があると思うのですが(どれくらいか知らないし、出費も多いのだと思いますが・・・。)、姉もPh.Dを取るまで大変そうだったので、よくわかります。
確かに「人生を誤る危険性のある」行為・・・だと思います。
仕事は趣味を楽しむため・・・と割り切ってしまえばよい・・・と私は思いますが、どうやらうちの娘達も私や夫のような人生を歩みそうです・・・。(苦笑)
やっぱりいろいろな方のブログを見ていても、適度に収入があって趣味を楽しめているほうが、下手に演奏家などの道を目指すより楽しそうですし、余裕がありますものね。
でもそれなりに普通に生きていく・・・というのも今の時代大変なことなのだと思います。
娘達には自分にとって楽で幸福感のある人生を歩んでもらえら・・・と思います。

ドレスはPTNAのためだけでなく、発表会や弟の結婚式も兼ねて作ったりしました。
http://santa-cecilia.blog.so-net.ne.jp/2005-10-12

こちらは通販の話題。
http://santa-cecilia.blog.so-net.ne.jp/2006-03-26

海外通販にずっと興味がありましたが、やったことがありませんでした。
今なら作らずに買ってしまうような気が・・・。(要するに買いたくても高いものしか手に入らなかったので作っていたのです。)


by Cecilia (2008-07-25 07:14) 

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