SSブログ

スケーターズ・ワルツ(ワルトトイフェル) [音楽鑑賞]

実家にあった叔父叔母のレコードの話題からずっと「スケーターズ・ワルツ」が気になっています。
あれをよく聴いた頃は札幌オリンピックでジャネット・リンが活躍していた頃だったようです。
何せ幼い頃のことでいろいろなことが曖昧ですが、ジャネット・リンだけはよく覚えています。
「スケーターズ・ワルツ」はドーナツ盤レコードでB面は「女学生」だったと思いますが、A面ばかり聴いていましたのでいまだに「女学生」はよくわかっていません。
私は曲に合わせてジャネット・リンになりきっていたと思います。
このレコードのことは先日の記事まですっかり忘れていました。
ジャケットの絵というか写真は赤い衣装(もちろんミニスカート)の金髪の女性が白いスケート靴で滑っているもので、プロのフィギュア・スケーターだったと思います。
そのせいもあって、「スケーターズ・ワルツ」はフィギュア・スケートのための曲みたいなイメージで考えていました。
しかし、プロのスケーターがこの曲で滑っているところはあまり見たことがないというか、記憶もないです。
先日気になって検索して伊藤みどりがこの曲で滑っているのを見ましたが、他の人はどんな風に滑るでしょうか。

作曲したワルトトイフェル、レコードA面B面の曲の作曲家ということしか知りませんでした。
ウィキぺディアを見るとフランスで活躍した人(・・・というかフランス人。ドイツ人だと思っていました。)でウジェニー皇后の宮廷ピアニストだったのですね~。
実はウジェニー皇后のことは最近知りました。(汗)
世界史を取ってなかったので・・・と言い訳しておきます。(世界史の授業を取れば出てきますか?)
ウジェニー皇后のことは知らなかったのですが絵を見てどこかで見た記憶があると思いました。
それは実家にあったトランプで叔父のフランス土産でした。
よくあるキング・クイーン・ジャックの代わりにナポレオンとか皇后などの絵なのですが、よくわからないなりにナポレオンの時代の絵なのだろうと思っていました。
皇后のドレスが美しいと思っていました。
このドレスは下にクリノリンというスカートを膨らませるための骨組みがあるのですが、それが大きくなったのにもウジェニーが絡んでいるようです。

「スケーターズ・ワルツ」が気になっている間にみどりのこびとちゃんが記事を書いてくださいましたが、コメント欄でこの曲が作曲された頃のスケートの様子を書いてくださいました。


「クリノリン・スカートに毛布のオーバーを羽織り、
両手を毛皮のマフに入れて氷の上を滑る。
スケートは上流社会の人達の楽しみ。」

ワルトトイフェルはプロのスケーターの様子を曲にしたというよりも、この上流階級の人々が滑る様子を曲にしたのでしょうね。
「スケーターズ・ワルツ」で親しまれていますが原題はワルツ「スケートをする人々(Les Pâtineurs op.183)」で
1882年の作品です。

何か絵や写真がないかなあと思って探したら面白いサイトがありました。
このサイトのサイドバーのgalleryをクリックして更にPrintsやAlbum imagesをクリックするとスケートをする人々のいろいろな面白い絵を見ることができます。
この曲が作曲された頃のパリの人々の様子を選んでみます。

kn-fr-1885-st_mande-800.jpg

prt-fr-1880c-krullen-500.jpg

chr-benedictins1-h350.jpg

chr-benedictins2-h350.jpg

chr-benedictins3-h350.jpg

chr-benedictins4-h350.jpg



私が発見したもっとも古そうなフィギュア・スケートの記録映像です。






この頃はフィギュア・スケートももうかなり進歩していたようですね。

1800年代後半の頃の紳士淑女のスケート、実際に滑っているところが見てみたいです。
クリノリンが入ったスカートと言っても滑る時のものはさすがにそれほど膨らんでないようですね。

トスカニーニ指揮のNBCシンフォニーオーケストラの演奏です。


これってまともに聴くと6分以上かかるのですね。
最近小さい子供用の短いヴァージョンばかり聴いていました。
ピアノ発表会で聴く以外はほとんど聴きませんが。
アレンジもあまりおもしろくないですよね。
下の動画の演奏はなかなか面白いです。



こういう曲に合わせて滑る人は減っているのだと思いますが(たぶん見せ場も作りにくいでしょうし・・・。)、上流階級の人々のスケートの様子を思い浮かべることができる優雅な曲ですね。

曲とは関係ないのですが、子供の頃に学校の図書室で借りた本に載っていた「銀のスケート靴」、もう一度読みたいです。(絶版?)


銀のスケート―ハンス・ブリンカーの物語 (岩波少年文庫)

銀のスケート―ハンス・ブリンカーの物語 (岩波少年文庫)

  • 作者: メアリー・メイプス ドッジ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/11
  • メディア: 単行本



銀のスケートぐつ (世界の名作文庫)

銀のスケートぐつ (世界の名作文庫)

  • 作者: メアリー・メイプス ドッジ
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本



銀のスケート靴 (少女名作シリーズ 27)

銀のスケート靴 (少女名作シリーズ 27)

  • 作者: ドッジ
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1973/06
  • メディア: 単行本



オランダの貧乏な兄妹の話で、木のスケート靴しかない・・・賞品で銀のスケート靴を手に入れるという話だったのですが細かいところを忘れてしまいました。
特に岩波版で読んでみたいです。



nice!(10)  コメント(20)  トラックバック(0) 

nice! 10

コメント 20

U3

ヨーロッパではむかしから冬の風物詩だったのですね。
by U3 (2010-03-03 18:52) 

glennmie

動画の一番最後の方・・・・かなり個性的。
きっと個性的な人柄の方ですね。
こういう人、けっこう好きです!
by glennmie (2010-03-03 19:45) 

江州石亭

女学生(Estudiantina, Op.191)はエスパーニャ・ワルツとともに結構口ずさんでしまうほど好きな曲ですね。
昔ピアノの発表会などでよく耳にしました。
流行り廃りがあるでしょうが、今ではあまり弾かれないのでしょうか?
(状況は分からないので・・・)

by 江州石亭 (2010-03-03 22:26) 

HINAKA

HINAKAです。

Cecilia様

いやはや、歴史とスケート鑑賞好きの血が騒ぐ、映像です。
堪能しました。
始めの、1908年史上初めてのオリンピック・ロンドン大会で行われた、フィギュアスケート・ペア競技の映像だと思います。その後の映像は、たぶん……間違っているかも知れませんが、史上初めてオリンピックのフィギュア・スケート女子で、ジャンプした人の映像だと思います。この歴史に残る快挙は、当時「失格」を持って報われました。
審判曰く「レディたるもの、スカートで飛び跳ねるとは何事か!?」えっと、間違いなく今のフィギュア・スケートを、当時の人が見たら衣装だけで。泡を吹いて倒れるのだろうと思います。
なお音楽は早くから、生演奏で競技会はもちろん、遊びのスケート場でも流していたそうです。ワルツなどのダンス音楽が、主流だったそうです。

2番目は、アメリカの女子フィギュア・スケート界をリードした、テレサ・ウェルドの映像だと言う事はタイトルからも分かります。
1914年(第1次世界大戦勃発年)の全米選手権に初出場初優勝以来、全米選手権で女子シングル5連覇を始め、ペアでは何と9連勝という快挙を成し遂げた、アメリカ・女子フィギュア史上最強の選手?です。
1920年アントワープ・オリンピックで、アメリカに史上初のフィギュア・スケートの銅メダルをもたらした人……だと思います。なお当時は、ペアと掛け持ちをする女子選手が、殆どだったそうです(圧倒的に女子選手が少なかった!為です)。

この頃は、2回転ジャンプが主流です。
初めてのアクセル・ジャンプ(1回転半)が、1882年に成功とされています。3回転が登場するのは、何と1960年代に入ってからです。3回転半が初めて公式戦で成功するのは、1978年です。
基本的に、フィギュア・スケートは本来「氷上のダンス」というイメージが強く、飛び跳ね回転する事が重視されるようになったのは、それまで不可能とされていた3回転が次々と成功してからだと、言われています。

この為、原点に返る意味で、ジャンプやスピンを押さえた「アイス・ダンス」が競技として、独立しました。
なお、基本6種類のジャンプの内、個人的に1番好きなのが、アクセル・ジャンプです。6種類の中で、唯一前を向いて跳ぶジャンプ!
4回転を跳べる選手に、どうして3回転半は飛ばないのか?と聞いた、リポーターに男子選手が真面目な顔で「その恐ろしい事が出来るか!」と答えたという、逸話は有名です。
しかも1回転半は、現在認められていませんので、アクセル・ジャンプは2回転半と3回転半しか、回転技としては認められていません。1回転半及び半回転は、ただのアクセル・ジャンプです。

「ただの」としましたが、これが出来なければ、フィギュア・スケートのジャンプは始まらないとされる、重要な要素です。

どうも、また脱線が激しくなりました!今回はこの辺で、失礼致します。


by HINAKA (2010-03-03 22:49) 

nyankome

スケートかどうか分かりませんが、ヴィヴァルディの《冬》でも氷の上で転ぶ人が描写されていますね。
トスカニーニがこの曲を演奏していたとは驚きです。
興味深い映像です。
ピアノ演奏、独特な弾き方ですね。
by nyankome (2010-03-03 22:58) 

Cecilia

U3さん、nice&コメントありがとうございます!
生活に密着したものだったようですね。
フィギュア・スケートは豊かな階層の優雅な遊びから、スピードスケートは少しでも早く運ぶ必要性のある農民などの階層から発展したようです。
by Cecilia (2010-03-04 08:46) 

Cecilia

glennmieさん、nice&コメントありがとうございます!
下の動画の方、性格まではわかりませんでしたが弾き方が個性的だと思いました。
指がとても長い方だと思います。
by Cecilia (2010-03-04 08:49) 

Cecilia

matchaさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2010-03-04 08:51) 

Cecilia

江州石亭さん、nice&コメントありがとうございます!
「女学生」、聴いてみると(ああ、これか~!)と思えます。
「エスパーニャ・ワルツ」はまだ聴いたことがないと思います。
ワルトトイフェル、最近のピアノ発表会では「スケーターズ・ワルツ」くらいしか聴かないですね~。
はやり廃れはあるのだと思います。
最近はクラシック曲ばかりではなくアニメソングやポップスなどを弾くことも多いですし。





by Cecilia (2010-03-04 08:57) 

Cecilia

HINAKAさん、nice&コメントありがとうございます!
私はスケートを見て楽しむくらいですが、いろいろな技についてよくご存知ですね!
動画のスケーターについてはまったく知りませんでしたが、教えていただきありがとうございます。
これより古い動画はたぶんないですよね。
1900年前後の人々が(もちろんそれより前の人々も)今のフィギュア・スケートを見たら卒倒すること間違いなしですよね!
スカートが短いのにも驚くでしょうけれど、肌を露出しているように見えるのにも!(実は肌色ジャージを使っているけれど・・・。)
何よりも今のフィギュア・スケートの技に!
私が生まれてからも相当進歩していますが、これからどんな技が増えていくのかそれも楽しみですよね。
これ以上回転できるなんて思えませんが・・・。

こちらにも興味深いことが書いてありますよ。
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/2970/fe/sub02.html







by Cecilia (2010-03-04 09:13) 

Cecilia

nyankomeさん、nice&コメントありがとうございます!
私も「四季」の冬のところを思い出しました。
スケートっぽい感じがしますよね。
トスカニーニはあまり聴いていなかったので、特別意外に感じませんでした。
貴重な演奏なのですね。
動画のピアノの方、確かに個性的な弾き方ですよね。






by Cecilia (2010-03-04 09:21) 

Cecilia

アヨアン・イゴカーさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2010-03-04 09:22) 

Cecilia

ユーフォさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2010-03-04 09:23) 

Cecilia

Krauseさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2010-03-04 09:23) 

HINAKA

HINAKAの、追記です。

Cecilia様

大変面白い考察記事の御紹介を、ありがとうございました。
ただ、この中には触れられていませんが、2006年のシーズン以降、公式競技での女子のスカート(の様な腰の布巻き)着用義務は、無くなりました。
今回のバンクーバー冬季オリンピックでも、オリジナル・プログラムで、映画「007のテーマ」を用いボンド・ガールのイメージで演じた、キム・ヨナ選手は黒いレオタードに近い服装で、スカートはしていなかったと思います。

女子は女らしさを強調する為と、スピン(回転)などの見栄えの為に、フリーではスカート風の布を付ける事が多いのですが、現在は義務ではありません。
現在の高速高回転演技で、ヒラヒラした布は邪魔で有るばかりでなく、危険だと判断されています。その為、原点回帰した「アイス・ダンス」逆に装飾過剰なほど、ロング・スカートが主流で女子選手は演技後半熱くて蒸れ死にそうになる!程だそうです(最近は素材研究が進み、専門家も存在しますので、オリンピック級の大会の衣装は、上手く熱抜きが出来るように工夫されています)が、その衣装を見るのもまた、「アイス・ダンス」の要素であり、楽しみの1つです。

回転数ですが、現在4回転半(クアドラブル・アクセル)までは、現実味を帯びています。
理論的には、今4回転を跳べる選手は、5回転も可能だという事なので、恐い?アクセル・ジャンプよりも、5回転の方が先かも知れません。6回転から先は、理論的に未知の領域だそうです。

何しろ1950年代までは、「3回転など、人間には不可能だ!」とされていたのです。
初めてアクセル・ジャンプを成功させた、アクセル・パウンゼン選手はスピード・スケート用の靴を履いて、助走スピードを増してから、前向きに跳ぶ練習を繰り返した為、周囲から「自爆スケーター」と嘲笑されたそうです。何が言いたいかというと、現時点を持って「人間に~は、不可能だ」という事だけは、スポーツ選手に当てはまらない!と言う事です。

少なくとも、ペアでのフライング・スピン(男性が女性を放り投げて、投げられた女性が空中で回転する)では、非公式ながら6回転も可能だとされています。
どんなに建前と言われても、オリンピックの理念とされる、「より速く・より高く・より強く!(フィギュアなどは、より美しく!)」人間の能力に、限界を置かないと言う、本当に崇高で先見性のある、理念だと思います。
無理だ!不可能だ!!と言う前に、挑戦し続けてこそ、何事もその先の未来が、あるのだと思っています。

蛇足の上の長文、御容赦下さい。




by HINAKA (2010-03-05 06:41) 

ながぐつ

こんにちは。
スケーターズワルツ、女学生、少年時代、どちらも良く聴きました。
女学生はリコーダーで見よう見まねで吹きましたね。この曲で、ワルツの構造が理解できました。
ジャネットリンは良く覚えていますが、伴奏には何を使ったのか? さっぱり思い出しません。
by ながぐつ (2010-03-05 07:55) 

REIKO

このところの記事の流れで、絶対この曲が来ると思ってました!(笑)
私は管弦楽版しか知らないので、(トスカニーニのを全部聴きましたが)、このバージョンで親しんでいたと思います。
いろいろな旋律が出てきますが、どこも聴き覚えがあって、懐かしいです。
特にトライアングルがチャカチャカなるあたりで、「ああ、これこれ!」でしたね。

しかしこの曲をトスカニーニが録音してたとは!
彼、「大真面目」に振ってますね~!
さすがに引き締まっていて、通俗(笑)描写ワルツ?も、ワンランク上の格調高い音楽に聴こえます。
こんな演奏を使えば、この曲で「トリプルアクセル&ダブルトーループの連続ジャンプ!」でもおかしくないのでは?と思いました。

★ 次は、ワルツ「波濤を越えて」かな・・・?
by REIKO (2010-03-05 19:20) 

Cecilia

HINAKAさん、再コメントありがとうございます!
HINAKAさんの書き込みも大変興味深い内容です。
スカートの着用義務はなくなっていたのですね。
(・・・というか着用義務があったとは知りませんでした。単に男性はズボン、女性はスカートという世間の感覚がそのまま適用されていると思っていました。)

>今回のバンクーバー冬季オリンピックでも、オリジナル・プログラムで、映画「007のテーマ」を用いボンド・ガールのイメージで演じた、キム・ヨナ選手は黒いレオタードに近い服装で、スカートはしていなかったと思います。

そういえばそうでしたね!
個人的には見ていて美しいと感じるので女子のスカート付き衣装は大好きですが。
男子フィギュアも好きですが、私はついつい女子のほうに夢中になります。
自分自身スカート派ですし。(笑)

>無理だ!不可能だ!!と言う前に、挑戦し続けてこそ、何事もその先の未来が、あるのだと思っています。

”浅田真央よりキム・ヨナ”派でしたが、今回の浅田真央からは挑戦者のエネルギーを感じました。
多くの音楽関係者からも音楽と一体になった演技を評価されているようです。
スケートにしても他のスポーツや芸術にしてもその先の未来が楽しみですね。



by Cecilia (2010-03-06 10:40) 

Cecilia

ながぐつさん、nice&コメントありがとうございます!
オーボエの前はリコーダー少年でいらっしゃったのですね!
ジャネット・リンや過去の懐かしいフィギュアスケートの演技をYouTubeで楽しんでいます。
日本の選手もずいぶんテクニック面で進歩したなあと思います。
フィギュアスケートで使われた曲の歴史に興味があります。






by Cecilia (2010-03-06 10:48) 

Cecilia

REIKOさん、コメントありがとうございます!
記事を予想してくださっていましたか!
このシリーズ、どこまで続くかわかりません。
昨日買ったCDの話題が近いうちに出てくると思いますし・・・。(笑)

この曲、長いこと原曲から遠ざかっていてすっかり忘れていましたが、久しぶりにまともに聴いて懐かしく思いました。
発表会で子供が弾くのはかなり短縮されています。
トスカニーニには詳しくなかったのですが、引き締まった極上の音楽ですね。
私も「トリプルアクセル&ダブルトーループの連続ジャンプ!」を想像してしまいました。(笑)

ワルツ「波濤を越えて」・・・どんな曲だっけ??
聴いてみます。
by Cecilia (2010-03-06 11:11) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。