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7年ぶりのレッスン [声楽]

前回から2ヶ月以上も経ってしまいました。
リアルな生活が忙しすぎて更新・コメントする物理的・心理的余裕がありませんでした。
(家族にPCを占領されるという問題もあったりして・・・。)
ここに書けるような大きな出来事としては、東京で声楽レッスンを受けたことが第一に挙げられるでしょう。

次女が東京に行く用があって、本当は一人で高速バスで行くはずだったのが、うちの近くで停まる便がなくなり、たまたま何の予定もなかった私は車で送って行ってもいいな、と思ったのでした。当初の予定では夜中に出発して日帰りのつもり。私はただ東京をぶらぶらするつもりだったのですが、せっかく行くのならついでにレッスンを受けられないかなと思ってしまいました。先生にメールをすると次の日なら都合がよいとのこと。「せっかく来られるのですからお会いしたいですねえ。」と添えられていました。その一言もあって、一泊してレッスンを受けることになってしまいました。
この時は45分のレッスン一回の予定(午前)で予約していたのですが、結局滞在時間が延びるということになってレッスン当日の朝お願いして更に午後5時にもいれていただくことができました。そのようなわけで1日2回のレッスンとなりました。

レッスンに行くといっても本番が近いわけでもなく特に何も練習していませんでした。自分としてはバロックオペラのアリアがよかったのですが、先生は古楽専門ではないし、ヘンデルの有名なアリアとか「マタイ受難曲」などはいけるでしょうけれど、ここは普通にドイツリートとかが良いかなあ・・・と悩みに悩んで選曲したのが次の曲。

中田喜直の「さくら横ちょう」、シューベルトの「花だいこん」、R.シュトラウスの「万霊節」。
一曲くらいオペラアリアを入れたかったのですが、単発レッスンですし欲張らずにこれらにしました。「さくら横ちょう」以外はレッスンを受けた経験のある曲ばかりです。
思えば日本歌曲のレッスンって受けたことないです。「曼殊沙華(ひがんばな)」とか「初恋」も良いなあと思ったのですが、悩んで「さくら横ちょう」にしました。
「花だいこん」(Nachtviolen)はシューベルトの歌曲ではちょっと趣が異なる曲だと思っていますが、最初のほうから2点Aが何度か出てきて、全体的に高めの音で構成されているため、出せるはずの音だけれど歌うのがきつい、という曲でした。しかもこの高音は力任せに出すのではなく繊細に出さなければなりません。
「万霊節」は先生のリサイタルで聴いていたこともあり、お得意の曲だろうからという思いもあって選曲しました。
もちろん私も大好きな曲なのですが。

午前レッスンでは主に「さくら横ちょう」と「花だいこん」、午後レッスンでは「万霊節」を加えた3曲で発声中心のレッスンをしていただきました。

主に息の通り道を作るという内容です。
ポイントは以下のとおり。(加筆訂正する可能性があります。)

①仙骨に力を入れる(でっちりにする)
②丹田を意識
③胸郭の引き上げ(鳩胸)→仙骨から胸郭に向かって矢を射抜くような感じ
④軟口蓋を挙げる
⑤舌を上げる
⑥下顎を上の顎より前にスライドさせる(受け口)
⑦足の親指を上に上げる→踵と親指の引っ張り合い

午前レッスンでは主に④についてのレッスンでした。
今まで軟口蓋を意識して挙げるということがなく、高音は勢いで出していたのですね。家の中では思い切り声出しでいないこともあって高音練習が常に不十分。たまに歌うときも勢いで何とかしようとする傾向があって、もっと出せるはずの高音が出せないというのが自分にとっての問題点でした。
午前のレッスンで高音が出にくいときに先生から「軟口蓋を挙げましょう。」と言われましたが、その時鼻を少し横に開くようにしてみました。・・・というのはどこかでそんなことを読んだような気がしたからなのですが、それを意識しただけで確かに挙がっていたようで、高音が楽に出せるようになりました。
「花だいこん」は一曲歌うと疲れて繰り返して歌えないことが多かったのですが、レッスン中はまったく大丈夫で、特に午後はまったく疲れずに何度も2点Aを出すことができました。
特に高音のための練習ということでもなくやはり「息の通り道」を作るということがまず大事なんだなあ、と思わされたレッスンでした。
自分でも「高音が楽に出せるようになった」という収穫はありましたが、先生からも「発声が整って表現に余裕ができました。」「声が引き締まった感じになりました。」「僕は今回お会いできて良かったと思います。」というように言っていただけました。

録音は午後レッスンの一部だけ行いました。スマホなので電池が気になって。
いずれ音声ファイル分割に成功したら自分の歌声だけアップするかもしれません。

この先生のレッスン、前にブログに書いたことがあるのですがもう7年も前だったのですね。
つい最近のことのように記憶しているのですが。
でもそんなに時が経ってないように感じる私でした。
これからも機会を作って見ていただきたいと思っています。

今回の先生のおっしゃったことでなるほどなと思ったこと。

《自分で「それは違うなあ」と思うようなアドヴァイスはその時には「そうですね。」と言っておいて消去してしまうほうが良いです。プレイヤー同士でもそれほど相手のことを思って言っている訳ではないです。個体としての声がどういうプロセスを経て今こういう状態にあるのかということを僕でも時間が空いてしまうとわからないです。間違ったことを言っているわけではないのだけれども「絶対こうしろ。」というアドヴァイスをされた場合は「そうですね。」と言っておいて消去したほうが良いです。発声というのは積み上げていくものですから・・・》

《歌い手はこう歌わなければならない、などと思ってしまいがちだけれど、作曲者は案外自由に演奏してほしいと思っているものです。中田喜直さんの奥様も「主人はそんなこと言ってなかったわよ~。」とおっしゃっていました。》







(加筆訂正する可能性があります。)



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