J.S.バッハ(礒山雅) [読書]
時間ができたので更新です。
家電屋さんから電話がありPCが直ったとのことです。
この膝なのですぐには取りに行けませんが、良かった・・・。(高くつきましたが。)
今日はこれからクリニックに行きます。
待っている間に本を読むつもりですが、先日図書館で借りた本、もう一冊ありましたがそれを持っていきます。
先日借りた「バロック音楽」と同じ礒山雅さんの著書。(「雅」は「みやび」ではなく、「ただし」だったのですね~!)
ただし私が借りたものは「のだめ」の帯はついていないし、表紙が違いますが、目次を確認したら同じものでした。
これを読んでいて、ちょっと前にバッハのカンタータのことを書いた記事(4月に何度か書きました。)の内容の裏づけがもらえたような気がしました。
ひとつひとつ納得できるのです!
本を読んでから「そうなんだ。」という思いで曲を聴く場合もありますが、私はNAXOS MUSIC LIBRARYでバッハの同じ曲でもいろいろな演奏を聴き、自分なりに感じたことがたくさんありました。
この本を読んで、更に聴きたくなりました。(先日は久しぶりに朝岡聡さんの「笛の楽園」を読んで、やはりカンタータを聴きたくなりました。)
PCが復活したらまた聴きまくるつもりです。
ヨコハマ物語 [読書]
「三人の少女」・・・フランシス・ジャム [読書]
中学・高校時代、学校の図書室でよく旺文社文庫を借りました。
以前ブログで書いた「テス」もこれで知ったのですが、このシリーズなかなかよかったのになくなってしまって非常に残念です。(うちにあるジョルジュ・サンドの「愛の妖精」は旺文社文庫だったと最近知りました。)
他の出版社から出ているものは読めますが、なかなか見つからないものにフランシス・ジャムの「三人の少女」があります。
Amazonでもユーズドで購入できるようですが、昨日ダウンロードできるサイトを見つけました。
こちらです。
無料でお試しダウンロードもできます。
旺文社と同じ田辺保さんの訳でした。
発行元の立ち読みフロアーはこちらです。
青土社からもいろいろ出ていますね。
時々無性にこの手の本が読みたくなります。
今の少年少女たちは「ケッ!」という顔をしそうですが・・・。
ジェーン・エア [読書]
まだ見ていないのですが、きのうレンタルビデオショップで中古ビデオを100円で購入しました。
ゼッフィレッリ監督のものです。
以前テレビで見た記憶もあるのですが、これと同じかどうかはわかりません。
たぶんそうではないかと思います。
「ジェーン・エア」は私の少女時代の愛読書でした。
初めは世界名作文学全集のイギリス編で読みましたので、簡単になっているものでした。(この名作全集のことは私のブログでもたびたび取り上げているのですが、もう一度読みたいです。出版社は覚えていませんが、偕成社でしょうか?皮のような表紙で各国の名画が貼られていました。)
小学生の頃は、主にジェーンの不遇な少女時代(親戚の家でのいじめ。ローウッドの孤児院でのひどい待遇。)に共感し、中学生になってからはジェーンになりきってロチェスター様に恋をしていました。
宗教と踊り・・・宗教と音楽 [読書]
前の記事で書いた件で、母親同士で話し合うことも多いですし、町内会と宗教ということをあらためて考えさせられています。
それぞれが祭礼に前向きになれない事情を抱えているので、一旦引き受けたものの、やはり何とかしなければ・・・という感じです。
更に踊りと信仰・・・ということも考えています。
私自身踊ることは滅多にないですが、神道なら神楽ですし、旧約聖書でも踊りのことは出てきます。(私の大好きな映画「フット・ルース」で引用されます!この前中古品を300円で購入しました。近いうちに記事を書きたいです。)
「王は踊る」の中のキリスト教の記事を先日書きましたが、インターネットでいろいろと調べているうちに、踊りはキリスト教の霊肉二元論という考えから良くないとされていた時代のことを知りました。
この辺のことはまた機会があったら書きたいですね。
久しぶりに川端純四郎さんの「キリスト教音楽の歴史」を読みました。
今までフランスの部分は飛ばしていたのですが、興味深いことが書かれてありました。
引用します。
ヴェルサイユ宮廷の文化はすべて太陽王と言われた絶対君主ルイ14世の意のままでした。すべてのことが王の好みにあわせて作られていました。王は長いミサが嫌いだったので「ミサ曲」はほとんど作曲されませんでした。典礼文は「となえ」られるだけで、歌は聖体拝領前に「グラン・モテ」、聖体拝領時に「プティ・モテ」、そして聖体拝領後に「主よ、王を救いたまえ」というモテットの三曲が歌われるだけでした。・・・(中略)・・・この《ミセレレ》を聴いたある貴婦人が「天国にこれ以外の音楽があるとは信じられない」と言ったと伝えられています。・・・(中略)・・・たしかに見事な曲ですが、賛美されているのが神なのか王なのか定かでないところが気になります。何しろこの時にフランス教会と王の関係が問題となっていて、議会がフランスのすべての司教は王に従うべきであると決定したところだったのです。その翌年の1664年に演奏されたこの曲は、まさに教会の王への服従宣言として、教会音楽もまた王の栄光と力の賛美であるべきだということを誇示する音楽になっています。
Sweet and low [読書]
ピーターラビットのアニメ [読書]
昨日の記事の続きですが、ニューイヤーオペラコンサートを見た後ピーターラビットのアニメをやっていたので、思わず見てしまいました。
私はピーターラビットシリーズの大ファンです。
c-tailさんも番組について書いていらっしゃいますが、同じような感想を持たれたようです。
まず、思ったよりも原作のイメージに忠実であるというのがファンにとってはうれしいことでした。
原画と全く同じ・・・というわけにはいきませんが、色調も抑えた感じでしたし、英国らしい音楽が素敵でした。
語りは壇ふみさんでした。
以前Nursery Rhyme Bookについて書きましたが、そのCDブックの音楽がこのアニメの曲かと思っていたのですけれど、違っていました。
せっかく原作の中でNursery Rhyme(=マザーグースの歌)が使われているのですから、『のねずみチュウチュウおくさん』の「てんとう虫さん、おうちが火事ですよ。」と台詞ではなく歌にして欲しかったですね。
残念だったのはc-tailさん同様、トマシナチュウチュウがのねずみチュウチュウおくさんに代わっていたこと。
『フロプシーのこどもたち』が『のねずみチュウチュウおくさん』のお話と一緒になっていたので仕方がないですが。
ピーターラビットとなかまたち こぶたのピグリン・ブランドのおはなし&フロプシーのこどもたちとのねずみのチュウチュウおくさんのおはなし
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2002/07/03
- メディア: DVD
ピーターラビットとなかまたち グロースターの仕立て屋のおはなし&ティギーおばさんとジェレミー・フィッシャーどん
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2002/07/03
- メディア: DVD
ピーターラビットとなかまたち ピーターラビットとベンジャミンバニーのおはなし
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2002/07/03
- メディア: DVD
ピーターラビットとなかまたち こねこのトムとあひるのジマイマのおはなし&ひげのサムエルのおはなし
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2002/07/03
- メディア: DVD
ピーターラビットとなかまたち 2ひきのわるいねずみとまちねずみジョニーのおはなし&キツネどんのおはなし
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2002/07/03
- メディア: DVD
点訳絵本について・・・私の考え [読書]
前の記事を削除いたしました。
「ふとそらさん」のコメントはこちらへ転載させていただきました。
「ふとそらさん」に目くじらをたてることもないのでしょうけれど、URLをクリックするのにも勇気が要りました。
更にどのようにコメントしたらよいかかなり悩んだことを理解していただきたいです。
紹介くださった「にじいろの森」という通販サイトも害はなさそうですが、どちらにしても商売っ気がたっぷりで、私は良い印象を持ちませんでした。
視覚障害者のため・・・と言えば聞こえは良いですが、利用しているようにしか感じられません。
「ふとそらさん」のおかげでちょっと点訳絵本について調べたおかげで少しは詳しくなりました。(点字絵本・点訳絵本・・・使い分けたほうがよさそうですね・・・。)
そもそも「ふとそらさん」は点字絵本に理解がある方なのでしょうか?
「ふとそら」で検索したら、いろいろな方の絵本の記事に同様の誘導目的のコメントを残している様子。(私の場合は三味線の記事へのコメントでした!)
本当に人騒がせで迷惑なコメントです。
これです。
↓
皆様「ふとそら」「にじいろの森」には気をつけましょう。
残念ながら私は点訳(点字)絵本というジャンルには全く知識がありませんでした。
・・・ということで先ほど検索しましたら、このことに取り組んでいらっしゃる岩田美津子さんという方のことを知りました。
岩田さんは視覚障害者でご自分が子育てをする上で点訳絵本の必要性を感じたそうです。(絵本に点訳を貼り付けて読み聞かせされたようですね。)
岩田さんや点訳絵本についてはこちらをご覧下さい。
それを見る限りでは点訳は文字だけです。
(「ふとそらさん」が紹介してくださったものは絵に点々がついているのです。)
ここで素朴な疑問なのですが、文章の点訳はわかるような気がしますが、視覚障害者の方は絵につけられた点訳を味わうことができるのでしょうか?
例えばミッフィーならミッフィーの輪郭につけられた点々・・・生まれつきの障害を持った方にはさっぱり理解できないと思うのです。
途中から障害を持たれた方はどうなのでしょう?
そこのところは理解できないのですが、岩田さんの取り組み(文字の点訳)・・・これは非常によく理解できます。
目が見えなくても(晴眼者の)お子さんに読み聞かせたい・・・母親として当然です。
又「ふとそらさん」が紹介してくださった絵本・・・晴眼者にも点字絵本を身近なものにという目的が主だと思うのですが、点訳(点字)絵本は数が少なそうですが、その数少ない絵本の質が、お世辞にも良いとは思えません。
少なくとも晴眼者である私は買ってまでも読んでみたいとは思いません。(あくまでもHPを見る限りです。読んでみたら良いかもしれませんね。)
更に視覚障害者の方に勧めたいとも感じません。
自分が読んでみて素晴らしいと思ったものをお勧めしたいです。
絵本のよさはどこにあるか?
知らない方々は、「絵本は子供のもの」という認識しかないことでしょう。
優れた絵本からは、絵を見ることで文にない部分を読み取ることができます。
単に輪郭をなぞったものが点訳絵本なら、あまり意味がないような気がします。
点訳絵本というジャンルについて思いを馳せることができたのは「ふとそらさん」のおかげですが、肝心の点訳絵本がお粗末では困ります。
福音館、岩波・・・などの出版社はどのように取り組んでいるのでしょう?
それともボランティアに頼っている・・・というのが現状なのでしょうか?
灰谷健次郎さんの訃報 [読書]
渡辺茂男さんが亡くなったのも大きなニュースでしたが、今日の新聞を見たら、灰谷健次郎さんも亡くなっていました。
ご紹介するまでもないと思いますが・・・
やはり灰谷さんといえばこの二冊ですね。
昔NHKの少年ドラマシリーズというのがあったのですが、それで見て知りました。
絵本ではこの作品に親しみましたね。
朝日新聞を愛読しているのですが、ずっとエッセイを連載なさっていて、それをまとめたのが下の二冊です。
渡辺茂男さんの訃報 [読書]
昨日の新聞の死亡欄を見て、渡辺茂男さんが亡くなられたことを知りました。
渡辺さんは児童書の世界では非常に有名な方で、ご存知の方は多いと思います。
うちの娘達は渡辺さんのこの本が大好きでした。
緑の森のバイリンガル―多言語多文化社会での子育て、オーストラリアでの実践
- 作者: 渡辺 鉄太
- 出版社/メーカー: 三修社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
おおきなカエル ティダリク―オーストラリア アボリジニ・ガナイ族のお話
- 作者: 加藤 チャコ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2005/09
- メディア: 大型本
絵本オタクの私 [読書]
スザンナさんのところにコメントしてから調べてみたのですが、評論社から出ているスノーマンの本、ちょっと前まで「ゆきだるま」と日本語だったはずなのに、「スノーマン」に変わっていました!!(もはや”ちょっと前”ではありませんが・・・)
やっぱり「スノーマン」で親しまれているせいなのでしょうか?
楽譜が出ていることを発見。
CDはこちらですね。(国内盤も出ています。)
同じ作家のクリスマスの本ですね。
ついでに前の記事で話題にしたミッフィー(うさこ)ちゃん。
石井桃子さんの訳です。
松岡享子さんの訳です
石井・松岡訳(福音館)では”うさこちゃん”。
角野栄子さんの訳(講談社)では”ミッフィーちゃん”になっています。
ディック・ブルーナさんのミッフィーの描き方が少しずつ変わっているのは有名な話ですね。
昔はもっと耳がとがった感じ(一番上の本は一番初めのお話で、確かもっととがっていたはずですが、絵を変えているのでしょうか?)、最近はフジパンでもお馴染みですが、耳が昔よりも丸く短くなっていますね。
確かに昔の絵より、今の絵のほうが可愛らしい感じで、日本人に受けそうですし、キャラクターグッズとしてもいい感じですが・・・。
この輪郭の描き方、ブルーナさんはすごく時間をかけているらしいですね。
もう一つマニアックな話・・・。
岩波から出ている「ひとまねこざる」・・・今では大型の横書きの絵本で定着していますが、幼稚園や図書館などには小型の縦書きもたくさん置いてありますね。
これがそのものかどうかわかりませんが、発売日から察してそうかなあ・・と言う気がします。
↓
↑
こちらが大型のほうですね。
小型のほうが確かに持ち運びにも便利で良いのですが、もともと横書きに作られた絵本なので、縦書きには無理があります。(だから横書きが勧められていますね。)
しかも・・・縦書きのほうは「スパゲティー」が「うどん」になっていたり・・・!
出版された時代が時代なので仕方がないのですが、読んでいると本当におかしいです。
こんな本が出ていました。読んでみたいです。
「ひとまねこざる」にはいろいろと思い出があります。大学に入って間もなかった頃、あるアメリカ人教師と立ち話をしました。非常に若く、二十代でカッコよかったのですが、「第二外国語はフランス語です。」と言ったら、しばらくの間待たされて、敷地内にある外国人教師の館から、フランス語版の「ひとまねこざる」を持ってきてくださいました。
又「ひとまねこざる」は長女が大好きな絵本でしたね。
これは長女が三歳の時のお誕生日プレゼントです。
このシリーズが同じ岩波から最近出ていますが、不評です。
クマのプーさん [読書]
おもいでのクリスマスツリー(バーバラ・クーニー) [読書]
せっかく書いたのに(しかも長編でした・・・)、台無しになりました。
気を取り直して・・・
ちょっと前の記事でルーマー・ゴッデンの「クリスマスの妖精」「クリスマスの女の子(クリスマス人形の願い・The Story of Holly and Ivy)」のことを書きました。
「クリスマス人形の願い」の挿絵を描いたバーバラ・クーニーの絵本についてこれまでも何度か取り上げてきましたが、クリスマスの素敵な本が他にもあります。
内容に関してはAmazonのリンクからレビューをご覧下さい。
The Year of the Perfect Christmas Tree: An Appalachian Story
- 作者: Gloria Houston
- 出版社/メーカー: Puffin
- 発売日: 1996/10
- メディア: ペーパーバック
表紙の画像はこちらです。
主人公の家ではその年のクリスマスツリーを切り出す役目で、主人公がクリスマスの天使の役でした。
主人公はお父さんとその木に目印として赤いリボンをつけますが、お父さんは戦争に行って帰ってきません。
生活もだんだん苦しくなり、ツリーを切り出す役目はほかの人になりそうになります。
主人公はお母さんと木を切りに行きます。
そしてお母さんはクリスマスの天使の役をする娘のために自分の古いウエディングドレスから衣装を作るのです。
お母さんはクリスマスツリーの天辺に飾る天使にもおそろいの衣装を作ってくれます。
本当に美しい場面です。
この本も持っていませんが、是非欲しいですね。
The Story of Holly and Ivy(Rumer Godden) [読書]
昨日の記事でルーマー・ゴッデンの「クリスマスの妖精」を取り上げました。
同じ人形シリーズに「クリスマスの女の子」という本があります。
私が大好きなバーバラ・クーニーの絵本です。(バーバラ・クーニーの絵本について最近も書きました。)
こちらは「クリスマス人形のねがい」と訳されていてこの題のほうが内容から考えるとしっくりきますね。
立ち読みしかしていませんが、欲しいです。
原題はThe Story of Holly and Ivy。
The Holly and the Ivy(柊と蔦は)という有名なクリスマスキャロルにちなんだ名前のお人形と女の子のお話です。
お人形はおもちゃ屋さんの中で売れ残っていて、自分を必要としてくれる子供をショーケースの中から探しています。
女の子は孤児院に住んでいますが、引取り手がいなくて寂しい思いをしていました。彼女も自分を必要としてくれる人を探していたのですね。
町の中をふらふらと歩いていて、ショーケースの中のお人形をほしいと思っていました。
その二人(?)が一緒になるまでのお話です。
洋書のほうに画像つきの本が他にもありました。
The Story of Holly and Ivy (Puffin Books)
- 作者: Rumer Godden
- 出版社/メーカー: Puffin Books
- 発売日: 1971/11/25
- メディア: ペーパーバック
Flower Fairies・・・クリスマスの妖精 [読書]
「くるみ割り人形」の仕掛け絵本 [読書]
昨日の記事で「眠りの森の美女」のバレエ、仕掛け絵本について触れましたが、同じチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」の仕掛け絵本がたまたまあり、しかも同じ人の絵なので、今日はその話題です。
「くるみ割り人形」については去年もクリスマス関連記事で書きました。
表紙です。
二つの「シンデレラ」 [読書]
今日は私が挿絵&訳にこだわって選んだ「お姫様モノ」絵本の第二弾として「シンデレラ」です。
私はどうもディズニーのお姫様モノが苦手です。(ファンの方すみません。オールドミッキーとかは好きなのですが・・・。)
「シンデレラ」も昔、おばが買ってくれたディズニーのレコードで覚えるほど聴いていたのですが。(シンデレラの声は倍賞千恵子だったと思います。)
福音館書店からマーシャ・ブラウンの挿絵で出ていることは前から知っていたのですが、これも「おやゆびちーちゃん」同様絶版になっていて、代わりにミキハウスから出ていたものを購入したのです。
ミキハウスのものは東逸子さんの幻想的で美しい挿絵でした。
東さんのことは昔、「詩とメルヘン」という雑誌を愛読していた頃に知りました。
はまっていた頃、ちょうどサンリオ制作の映画「妖精フローレンス」が公開され、観に行きましたが、この原画は東さんのです。アニメだったので、幻想的な雰囲気はイマイチでしたけれど。
何年かたって、マーシャ・ブラウンの挿絵のほうも限定復刊されましたので、こちらも購入できた・・・というわけです。
マーシャ・ブラウン・・・といえば「さんびきのやぎのがらがらどん」(福音館書店)の挿絵で有名です。
絵自体が好み・・・というわけではないのですが、挿絵の持つ力を感じるのはマーシャ・ブラウンのほうです。
両者を比較してみます。
表紙です。(左が東逸子さん、右がマーシャ・ブラウン)
二つの「おやゆび姫」 [読書]
「ちいさなもみの木」・・・キャロルの絵本 [読書]
Peter and the Wolf(Barbara Cooneyの絵本) [読書]
きのうに引き続き、仕掛け絵本です。
これもどこかで「記事にします。」と宣言しておいて、書いていなかったものです。
今日は「ピーターと狼」です。
みどりのこびとちゃんが記事を書いていらっしゃいます。
Peter and the Wolf: A Mechanical Book
- 作者: Sergei Prokofiev
- 出版社/メーカー: Viking Pr
- 発売日: 1986/04
- メディア: ハードカバー
こちらも仕掛け絵本らしいですが同じものでしょうか?
Peter und der Wolf. Pop- Up Buch
- 作者: Sergei Prokofjew, Barbara Cooney
- 出版社/メーカー: Suedwest Verlag
- 発売日: 2002/01
- メディア: ペーパーバック
私が持っているのはこちらの表紙に赤いリボンが付いた仕掛け絵本です。(こちらのリンクではドイツ語ですが、私のは英語です。Amazonにあるはずです。)
他のもの同様、幼かった娘達に台無しにされたくなかったので、しまいこんでいたので気がつかなかったのですが、大好きなBarbara Cooneyの絵本でした。以前同じCooneyの「にぐるまひいて」について書いたことがあります。
表紙の赤いリボンをほどいて広げると・・・
キリスト教文学としての「ハイジ」 [読書]
昨日は「ハイジ」の映画を見てきました。
実写版ということでどんな感じかな、と期待して行きました。
またこの作品はどうしてもアニメのイメージが強いので、いろいろと思うことはありました。
映画の感想としては、どうしても時間が短いので展開が早すぎ、アニメで丹念に描かれた部分と比較してしまうので、その点、物足りなかったです。
いかにもずるそうなデーテおばさん、潤いのないロッテンマイヤー女史でしたね~!
アルムおんじはなかなかいい感じでした。
ハイジはちょっと野性味がほしかったかな?
そうそう猫好きに見逃せないのが、ねこちゃんたちが登場するシーンなのです!!
ハイジがアルプスの山を見たくて塔に登る場面があるのですが、そこでねこちゃんたちをもらってくるのですね。
そして猫嫌いのロッテンマイヤーさんが卒倒してしまうのですが・・・。
映画のハイジはアルプスに一匹連れ帰っていましたね。
私としては是非とも字幕で観たかったのですが、吹き替え版しか上映されていませんでした。
私はアニメに親しんだ世代ですが、アニメ作品を愛しているとはいえ、思うことは多いです。
これは日本の子供向けに作成されたアニメなので、仕方がないのですが、物語の核心を排除した話に変えられている、というのが問題点だと思います。
私は原作を読み、この作品はキリスト教文学であるという確信を得ました。
作者のヨハンナ・シュピリは牧師の娘であります。
私がクリスチャンだから強調したいというわけではないですが、どのように解釈してもこの作品はキリスト教文学であり、最も強く述べたいのは聖書の中の「放蕩息子」のたとえであります。
ハイジはクララの家でおばあさまに文字を教えてもらうのですが、おばあさまはハイジに「祈ること」について教えます。
また山に帰ったハイジがペーターのおばあさんに読んで聞かせるのは讃美歌です。
そしてハイジが愛するアルムおんじに読んで聞かせるのが聖書の「放蕩息子」の話。
アニメにも映画にも出てきませんが、ハイジにこの話を聞かされたアルムおんじは、
「おとうさん、ぼくはわるいことをしました。天の神様にも、おとうさんにも。ぼくはもうあなたの息子とはいえません!」
と悔い改めの涙を流すのです。
そしてアルムおんじはハイジを連れて、久しぶりに教会に足を運びます。
この部分がこの物語の核心であると思います。
「ハイジ」の話は”神と人の和解”がテーマであり、真の主人公はアルムおんじではないかとさえ思います。
(アルムおんじは賭け事と酒で家屋敷をなくし、殴り合いで人を殺した人間でした。アニメではこういう部分は出てこないし、映画では冒頭からおんじの噂話は出るものの、おんじ自身の口で「誓って人殺しはしていない。」と言います。)
キリスト教文学としての「ハイジ」についてはこちらに詳しく書かれています。
(書いている方も牧師さんのようですが・・・)
※追記:こちらのサイト(「アルプスの少女ハイジ」という物語)全体を見ると、「ハイジ」の原作本、アニメ、出版物、映画、論文、重要資料など多岐にわたって参考になる資料が掲載されています。
記事を書いてからじっくり拝見させていただきましたが、これで「ハイジ」がいかに奥が深いかわかると思います。「ハイジ」への愛情を感じるサイトです。(「最初のページに戻る」をクリックしたら全体がわかります。)
アニメは本当にキリスト教色がなく、テーマが「山の素晴らしさ」に変わっているように感じます。
私はアニメも原作も好きなのですが、核心部分がない、ということでやはりアニメは原作ほどの深みがないように思います。
又、原作への批判としてはハイジを「良い子」に描きすぎている、というものもあるようですね。
確かにこのような子供像では現代の子供たちからの共感は得られないような気がします。
うちにある原作本はこちらです。
福音館のほうも欲しいです。
アニメのサイトもあるようですね。
もう一度見たいBBCの「シェークスピア劇場」 [読書]
今非常に気になって仕方がない昔のテレビ番組があります。
それは20年以上前にNHKで放送されていたBBCの「シェークスピア劇場」です。
私は当時中学~高校生で、あの番組でシェークスピアの面白さがわかったといっても過言ではありません。
それまではチャールズ・ラムによるシェークスピア物語を読んでいました。
この本では物語仕立てで非常に読みやすいのですが、シェークスピアの戯曲は読みにくいです。
BBCのテレビドラマ仕立てのこのシリーズ、当時の服装や音楽なども楽しめて、非常に勉強になりました。
一番印象に残っているのは「お気に召すまま」です。この中で宦官のような小姓が登場し(確か二人組だった)、カストラートのような声で歌っていた記憶があるのです。♪~ヘイノニノ~♪という部分しか覚えていないのですが、どういう歌だったのか思い出したくて仕方がありません。
シェークスピア時代の音楽への興味はたぶんここから始まっています。
どうもビデオが出ていたようですが、今は出ていないようです。非常に良い番組だったので、又見たいです。
それと、高校3年になる時の春休みに英文を読む課題が出ていましたが、上智大学のピーター・ミルワード教授によるもので、聖書とシェークスピアに関するものでした。洋上大学で話を聴くという設定のものでしたが、この課題がグッドタイミングで出されたのがよかったです。
シェィクスピアの時代の詩と演劇―石井正之助教授古稀記念論文集
- 作者: ピーター・ミルワード, 安西徹雄
- 出版社/メーカー: 荒竹出版
- 発売日: 1982/01
- メディア: -
これだけたくさんシェークスピア関連で出されていますね。
大学ではシェークスピアの演劇をするサークルがありましたね。「十二夜」とか観た記憶があります。
それと私の大学には「シェークスピア・ガーデン」という野外劇場がありました。別名「スロープ」でしたが、今は図書館を増設したためありません。ここは私が歌を練習するのに好都合な場所でした・・・。
シェークスピアの作品でオペラや歌曲になっているものは非常に多いので、あらためて作品を読みたいと感じています。
お気に召すまま シェイクスピア全集 〔21〕 白水Uブックス
- 作者: 小田島 雄志, ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1983/01
- メディア: 新書
このCDは以前も取り上げました。お気に入りです。
こころ(萩原朔太郎)とテルーの唄(ゲド戦記) [読書]
こころ
こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて
こころはまた夕闇の園生のふきあげ
音なき音のあゆむひびきに
こころはひとつによりて悲しめども
かなしめどもあるかひなしや
ああ、このこころをばなににたとへん。
こころは二人の旅びと
されど道づれのたえて物言ふことなければ
わがこころはいつもかくさびしきなり。
萩原朔太郎
公開初日に「ゲド戦記」を観てきました。(こちらで「テルーの唄」と「こころ」の比較ができます。)
「テルーの唄」について先日書きましたが、何か聴き覚えがある歌詞だと思っていたら、萩原朔太郎の詩からインスピレーションを受けて作詞されたそうですね。しかも映画の内容よりも先に歌手が決まっていたようですし、彼女の声のイメージで作曲されたそうですね。宮崎吾郎さんはたった一晩で書き上げたそうな!
私は大学時代の卒論は萩原朔太郎でした。稚拙な論文だったので真にお恥ずかしいのですが、「詩と音楽」がテーマでした。
なので宮崎さんは朔太郎に関心があったのだろうかと気になって調べたら、どうも違うようです。
詳しくはインタビューをご覧下さい。
朔太郎は音楽を愛した人で、マンドリンを演奏しました。
慶応にもマンドリンをするために入ったということです。
自宅を開放してゴンドラ洋楽会というものを結成し、作曲もしたそうです。
しかし、彼は自分の詩に曲を付けられるのを好みませんでした。
彼の言う「詩の音楽」とは、例えば音楽家が違った調性(音)に違った感情を抱くように、詩人が言葉に対して持つ感覚のことでした。
彼の詩をご覧下さい。
音楽を付けなくても、声に出して読むときに語感の中に彼の淋しさを感じるはずです。
又、視覚的にもそれを感じるはずです。
今年は彼の生誕120周年だったのですね。
前橋文学館などでは記念の催しがあるようです。
ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ・・・岡村喬生 [読書]
- 作者: 岡村 喬生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000
- メディア: 単行本
Swan~安曇野~中村屋 [読書]
毎年夏になると、信州に行きたくなります。(長野県ではなく、「信州」と言いたくなります。)
引っ越して行きやすくなったため、あちこち行っているのですが(・・・といってもやはり何度も行けないし、冬は自分の運転では不安なので行けません。)、おととしは安曇野に行きました。
なぜ安曇野か!?
それは漫画を読みすぎたせいです。
バレエ漫画SWAN(有吉京子)で主人公聖真澄が学校のクラスメイトと共に彫刻家について調べるために安曇野に行く場面があります。
真澄のパパは彫刻家でママの実家が松本なのです。(パパもだったかな・・・?)
たぶん都立高校だと思うけれど、調べ物のためとはいえ、わざわざ信州に行く・・・というのはかなり無理があるような気もしますけれど・・・。
安曇野で真澄たちが行ったのは碌山美術館。
真澄はコンクールで受賞し、「パートナー」「留学」について考えている時期でした。
ここで荻原碌山の「デスペア(絶望)」という作品が非常に重要な役割を果たします。
恩人である相馬愛蔵の妻である黒光に恋をし、その報われない気持ちを作品にしたそうですね。
漫画の中でも真澄のママが妻のあるバレエダンサーに恋をしてぼろぼろになって帰国する場面が出てくるのですが、真澄も報われない恋をして、彼女が踊るバレエの中での恋、実生活での恋、バレエの上でのパートナー・・・ということが絡み合って話が展開されるのですが・・・
この安曇野にレオン様(レオンハルト・フォン・クライスト)がやってきます。
真澄にパートナーになってくれ、と申し込むためなのですが・・・
「誰でも腹の底には強烈な自我があるんだよ!」という台詞、心に残ります。
大王わさび農場のあたりの蕎麦屋が出てくるのですが、わさび農場・・・行きましたよ!!
漫画を読んでいると、安曇野は涼しくて気持ち良さそうに思えましたが、実際にはムシムシしていましたね~!
でもわさび農場の水・・・気持ちよかった!!(わさびソフト、わさびピザ、わさびビール・・・などわさびづくしでした!もちろんお蕎麦も食べましたけれど・・・)
それもこれもレオン様に想いを寄せるため・・・?
相馬愛蔵、相馬黒光にも非常に興味があります。
中村屋とも関係が深いのですね。
娘である俊子という人もインドの独立運動をしていたボースという人と結婚したそうですが、かなり波乱万丈の人生だったようですね。
黒光たちがボースをかくまった時にボースが本格的インドカレーを作ったのが、中村屋のカレーの始まりだそうですが・・・。
中村屋というと、どうも肉まんのイメージが・・・。
是非中村屋の本店に行ってカレーを食べてみたいものです。
闇を照らした人々―相馬黒光・山室軍平・石井十次・井口喜源治論
- 作者: 葛井 義憲
- 出版社/メーカー: 新教出版社
- 発売日: 1992/01
- メディア: -
相馬愛蔵も禁酒運動をしていたクリスチャンで、非常に興味深い人です。
イースター・・・うさぎが登場する絵本 [読書]
明日はイースター。
イースターと言えば、ののさんも書いていらっしゃるように「たまご」がつきものですが、うさぎさんの存在も忘れてはいけません。
・・・というわけで、今日はうさぎさんにまつわる絵本の話題。
この本は実はあまり読んでいないのですが、図書館から借りてきた本です。
「にじいろのさかな」で有名なマーカス・フィスターの絵本。
ドイツに旅行に行った友達が娘に同じシリーズの絵本(ドイツ語)を買ってきてくれました。
今検索していたら、この絵本も出てきました。まさにイースターのお話ですね。実はこのお話は読んだことはないのですが、グレイラビットシリーズの他のお話は読んでいます。絵も大好きです。
岩波少年文庫からも出ているのですが、カラーでないのが残念です。
こちらの大型絵本のほうが楽しめると思います。
気立ての良いグレイラビット、わがままなリスのスキレル、風変わりなヘアーの奇妙な三人(匹)の暮らし。プリムローズのお酒、おいしそうです。グレイラビットはふくろうにしっぽをとられてしまうのですが、そのしっぽはふくろうの玄関の飾りに・・・。(何だか不思議・・・。)
こちらは娘達が本当に小さい時によく読んだ本。
こどものうさぎは何かになりすまして、お母さんから逃げようとするのですが、お母さんうさぎはそれに対して、どこへ行っても、何になっても子供を追いかける(つかまえる)、と答えます。母親の愛情を感じさせてくれる作品です。
こちらは子供だけに与えるのはもったいないですね。
あの「大きな森の小さな家」のローラのシリーズのガース・ウィリアムが素晴らしい絵をつけています。
ずっと、ずっといつまでも一緒にいたい・・・それが「結婚」である、ということを深く感じさせてくれる名作です。くろいうさぎの悲しげな表情、しろうさぎの驚いた表情が見事。
抑えた色調のなかで、タンポポの黄色の鮮やかさが印象的ですね。
そして・・・うさぎと言えばこちらを忘れてはいけません。
ベアトリクス・ポッターの鋭い観察眼によって描かれたピーターたち。これはよくありがちな「よい子」のための「甘ったるい」絵本とは違います。ピーターシリーズに関しては、いくら語っても語り尽くせないと思っています。(ね、c-tailさん。←cotton tailの略だそうです。)
きつねどんの話はかなりシリアスで(フロプシーの子供達がまた危機に陥るのです。)、次女は6年生になった今でも「こわい」と言っています。
『花の詩史』から・・・「椿姫」と「ラ・ボエーム」に関連して [読書]
『花の詩史』の続きです。
もう本当にいろいろなことが載っている本なのですが、オペラに登場する花・・・といえば「椿姫」の椿(カメリア)ですよね。
アレクサンドル・デュマ・フィスがこの小説を発表したのが1848年。初演が1852年。ヴェルディのオペラの初演は1853年です。
17世紀末にイエズス会宣教師ゲオルグ・カメル(学名の由来)が中国からヨーロッパに種を送らせて栽培したのが、19世紀に椿の温室栽培が流行したはじまりなのだそうです。
「椿姫」の頃は、ちょうど椿の栽培ブームが最高潮に達していたようですね。
以前も「椿姫」の思い出をブログに書いたことがあるのですが(9月頃だったでしょうか?)、椿の花束など見かけることがないので、この花を身につけて舞踏会や観劇に行く、というのが子供の頃から不思議でたまりませんでした。
女主人公マルグリットは香りのある花だと咳が出る過敏症の女性で、そのためいつも椿を身に飾っていた。椿には香りがないからである。
(以下青字は引用文です。)
このような記述が原作にあったか全く記憶がありません。オペラでは椿がどうこうとか言う場面は全く出てきませんね。
一月のうち25日は白椿、残りの5日は紅椿(「椿姫」としてではなく、一人の女性として暮らす日)というのは覚えています。
又この時代は造花が流行した時代だったそうで、ピエール・ジラーレによれば、第二帝政期にお針子や女子工員の数が急激にふえ、特に造花ブームによって6000人の女子従業員がこの製造に従事したということである。
この本には書かれてないのですが、「お針子」「造花」…と言えば、「ラ・ボエーム」のお針子ミミ!!
「私の名前はミミ」というアリアの中で、ミミが花の刺繍をしたり(造花も作っている?)して生計を立てていることがわかります。
日の差さない貧しいアパートの寒い屋根裏部屋で、薔薇や百合の刺繍をしながら心の中に「詩」を感じているミミ。確か彼女も椿姫マルグリットと同じく肺病でしたよね?貧乏詩人ロドルフォと同棲するものの、病気は悪化する一方。彼女を思うロドルフォは別れようとして(金持ちの愛人になるほうが彼女のため・・・と。)、友人のマルチェルロに話している場面で確か「彼女は温室の花だ。」と言っていたと思います。
造花ブームとの関係は知りませんが、「ラ・ボエーム」の時代設定は1830年頃のパリらしいので、
ミミも当時急激に増えたお針子の一人だったのかもしれません。
「花の詩史」・・・山中哲夫 [読書]
図書館から今、この本を借りてきています。
まだ全部は読んでいないのですが、ずっと気になっていたことがわかり、大変参考になる本です。
Ⅰ中世の花(五月に日の長くなる頃、南仏抒情詩人と宮廷恋愛、モロワの森の恋人たち、『薔薇物語』と愛のトポロジー)
Ⅱルネサンスの花(ベルリの泉、ギリシアの薔薇・青春の薔薇、宮廷の花、リヨンの恋)
Ⅲバロックの花(花と髑髏、燈心草の水影、花の神話のコンプレックス、サロン詩の誕生)
Ⅳロココの花(磁器の花・香水の花、「ヴォーの夢」からエルムノンヴィルの庭園へ、ルソーの幸福の青い花、革命の花=精神の花)
Ⅴ近代の花(野の花、見果てぬ愛の夢、異国の薫香、都市の胸像、印象主義の花、世紀末の花)
Ⅵ現代の花(ベル・エポックの花、薔薇の変容とミモザの砲弾、シュルレアリズムの花・あるいはひまわりの夜、抵抗の花)
どうです?
章ごとの題名を見ただけで、読みたくなりませんか?
そしてこの本で扱われている花は次の通り。
アイリス、紫陽花(あじさい)、アスター、アネモネ、あやめ、アンコリー(→おだまき)、ウィステリア(→藤)、ヴェロニカ、金雀枝(えにしだ)、カトレア、カーネーション、黄水仙、金盞花(きんせんか→マリーゴールド)、グラジオラス、けし、サンザシ、三色すみれ(パンジー)、ジャスミン(茉莉花)、すいかずら、水仙、水蓮、スズラン、スミレ、石竹(せきちく)、ゼラニウム、立葵、ダリア、チューリップ、ツツジ、椿、ツルニチ草、デージー(→ひな菊)、天人花(てんにんか→桃金嬢ミルト)、燈心草(とうしんぐさ)、撫子(なでしこ)、においあらせいとう、野バラ、薔薇、ひまわり、ヒヤシンス、ベラドンナ、ヘリオトロープ、牡丹、マーガレット、マツムシソウ、マヨラナ、マロニエ、迷迭香(まんねんろう→ローズマリー)、ミモザ、木蓮、桃、矢車菊、百合、ラヴェンダー、リラ、りんどう
文学作品に登場する花々ですが、当然私が歌曲やオペラアリアを歌う中で気になっている花や、詩にまつわる話が出てきます。
例えば、フォーレ歌曲や、ドビュッシー歌曲では、ヴェルレーヌの詩がよく使われている(・・・・というかヴェルレーヌの詩に彼らが曲をつけた、というほうが正しいですね。)のですが、「Ⅴ近代の花」の章の中の<印象主義の花>のところで、彼の『グリーン』『憂愁(スプリーン)』という詩に関連して興味深い記述があります。(フォーレもドビュッシーも歌曲にしています。) マネやモネなど印象派の画家による絵画の中で使われる絵の具に関しての記述です。 モネの代表作「庭の女たち」をゾラ(美術批評家)が《・・・ゼラニウムのあざやかな赤と矢車菊の艶消しの白が強いアクセントになっている。》と評しているらしいのですが、印象派のこの時代は新しい有機顔料による絵の具がたくさん登場したそうなのです。 天然の顔料よりずっとあざやかな”イギリス赤”と呼ばれた酸化鉄、”プルシアンブルー”と呼ばれたコバルト青、もっとも多くの種類が開発されたグリーン、「現代の鉛白」である亜鉛華(ジンクホワイト)←ゾラが言う《艶消しの白》・・・・など。 夜のガス燈に照らされた葉叢の美しい緑の表現(ある専門家によると、その葉の緑は互いの波長の関係で特に美しく映えるらしいです。)、ビロードのような闇を表現することが可能になったのは緑系統の有機顔料のおかげだったそうです。 ヴェルレーヌの『グリーン』は「水彩画」という詩篇におさめられていますが(フランス語の詩ですが英語の表題)、作者の山中哲夫は《この水彩絵具の色調も印象派のものだ。》と述べています。 そして彼の『憂愁(スプリーン)』にも、《印象派の絵具が感じられる。》と。
小谷智子さんの挿絵 [読書]
昔「詩とメルヘン」という雑誌を愛読していたことがあります。
この雑誌、今はあるのでしょうか?
大変きれいなイラストが多かったのですが、その中で一番好きだったのが小谷智子さんの絵でした。
以前、「小公女」について記事を書いたことがありますが、偕成社から出ている「小公女」の挿絵は小谷さんのものでした。
あのセピア色の色調の優しく郷愁を感じさせる風景、少年少女の儚く、少し寂しげな表情、上品なファッション・・・などが大変お気に入りです。
昔小谷さんの画集も買いました。
たまに小谷さんが描いた挿絵を見ると、はまっていた当時のことを思い出し、懐かしくなります。
オペラ座でバレエを学ぶ少女が主人公のこのお話も小谷さんの絵でした。
この話も、昨日の記事に関連していますが、図書館で借りたので細かいところは忘れてしまいましたが、バレエを通して少女の苦悩や心の成長が描かれた作品で、なかなか良かったです。オペラ座の奈落に落ちてしまう・・・という場面があり、もう一度読んでみたいですね。
これから読みたい児童文学 [読書]
先日、「ロード・オブ・ザ・リング・・・王の帰還」をテレビで観ました。
話題になっていたときは興味があったものの、観ていませんでした。
(ちなみに私はいまだにハリポタも観ていません。)
先に原作を読んでから・・・と思ってしまうので、なかなか観ることが出来ないのです。
娘達はハリポタは原作も映画も同時進行で楽しんでいましたね。
「ロード・オブ・ザ・リング」の原作のシリーズの「ホビットの冒険」、これも岩波少年文庫で買っていましたが、親子で全く読んでいませんでした。
読んだことはなかったのですが、私が所属していた児童書の勉強会の名前に使われていたこともあり、いずれはこの本を読もうと思っていました。
本の世界に入ってしまえば、あっという間なのでしょうけれど、なかなか入っていけないとずっとそのままになってしまいます。
今回、映画が先になってしまったのは、前回の記事に書いたように、漫画やライトノベルの世界にはまっている娘達に評価の高い文学作品も読ませたい、という狙いもあったからです。
「王の帰還」にはかなりはまりましたので、早速本を購入したいと思います。
それにしても・・・書店に行ったら、今は「ナルニア」ばかり!
ちょっと前までは「指輪物語」もたくさんあったはずなのに・・・!
ハリポタが出てから、今ファンタジーの児童文学がどんどん映画化されていますよね。
夏には「ゲド戦記」が公開されますし。
私自身はファンタジーの名作は読まずに育ったので、知らない本ばかり。
娘達と共に、これからどんどん読みたいな、と思います。
以前、書いたかもしれないですが・・・。
わたしの後ろを歩く親子。子供が、点字ブロックについて「これ何?」と、親にたずねた。親は、「滑り止めだよ」と答えた。わたしは、”この親、本当にそう思ってるの?どうして、きちんと教えないの?前に、白い杖をついた視覚障害のわたしが歩いてるから答えづらいの?”と、怒りに近い思いをした。最近は、点字も生活になじんできたが、もっともっと身近に自然に点字があれば良いのに。点字のついている絵本(色も絵もきれい)、下記のネットショップにあります。こういうポピュラーな所で扱うのは珍しい。点字本、本屋さんで売ってないでしょ。
にじいろのもり
http://www.bidders.co.jp/user /3662077
by ふとそら (2006-12-03 15:42)